小説

ブログ移転・途中経過

こんばんは、皆様、三頌亭です。ヤフーブログの終了に伴って移転作業中の三頌亭であります。はてなブログとlivedoorブログの両方のidを取っていろいろ試してみたのですが、結局、このようなことになりました。

三頌亭日乗
https://kms130.hatenablog.com/

三頌亭日乗-別館
http://kms130.livedoor.blog/

はてなとlivedoorそれほど使用感はかわりませんが、はてなブログのほうにはアップロード制限300mb/月があります。三頌亭日乗は古書入手のための助けとなるよう出来るだけ大きい画面で書影をたくさんいれてきました。そのため一つの記事が1mbを超えているものが半数以上あります。現在の三頌亭日乗の記事数は2200件ほどです。多分大丈夫だとは思うのですが、記事の転送中に少し不安があったので過去記事専用の移転先としてlivedoorに「三頌亭日乗-別館」を開設いたしました。

現在、マニュアルにて記事を取捨選択しながら移転中であります。

英国紙ガーディアンが選ぶ必読小説・(クライム篇)147冊!

こんばんは、皆様、三頌亭です。ベックさんところとしろねこさんのところで知りました。1000冊全部はしんどいのでもっとも既読が多い「クライム篇」にしぼって評価してみました。「*」が私の既読の作品です。作品数は79でおよそリスト半分の作品ということになります。新しい作品は全然でしたね(笑)。
因みに日本語表記のおかしいところや、探し切れていない邦訳作品を訂正しました。さすが名にし負う翻訳大国、未訳作品はたった4冊になっています。


001:The Man with the Golden Arm, Nelson Algren
 『黄金の腕』 ネルソン・オルグレン*
002:Fantomas, Marcel Allain and Pierre Souvestre
 『ファントマ』 マルセル・アラン/ピエール・スーヴェストル*
003The Mask of Dimitrios, Eric Ambler
 『デミトリオスの棺』 エリック・アンブラー*
004:Epitaph for a Spy, Eric Ambler
 『あるスパイへの墓碑銘』 エリック・アンブラー*
005:Journey into Fear, Eric Ambler
 『恐怖への旅』 エリック・アンブラー*
006:The New York Trilogy, Paul Auster
 ニューヨーク三部作(『シティ・オブ・グラス』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』*) ポール・オースター
007:Trent's Last Case, EC Bentley
 『トレント最後の事件』E・C・ベントリー*
008:The Poisoned Chocolates Case, Anthony Berkeley
 『毒入りチョコレート事件』アントニー・バークリー*
009:The Beast Must Die, Nicholas Blake
 『野獣死すべし』 ニコラス・ブレイク*
010:Lady Audley's Secret, Mary E Braddon
 『レイディ・オードリーの秘密 』メアリ・エリザベス・ブラッドン
011:The Neon Rain , James Lee Burke
 『ネオン・レイン』 ジェイムズ・リー・バーク
012:The Tin Roof Blowdown, James Lee Burke
 未訳 ジェイムズ・リー・バーク
013:The Thirty-Nine Steps, John Buchan
 『三十九階段』 ジョン・バカン*
014:Greenmantle, John Buchan
 『緑のマント』 ジョン・バカン*
015:The Asphalt Jungle, WR Burnett
 『アスファルト・ジャングル』 W・R・バーネット*
016:The Postman Always Rings Twice, James M Cain
 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』 ジェームズ・M・ケイン*
017:Double Indemnity, James M Cain
 『殺人保険』 ジェームズ・M・ケイン*
018:True History of the Ned Kelly Gang, Peter Carey
 『ケリー・ギャングの真実の歴史』 ピーター・ケアリー
019:The Hollow Man, John Dickson Carr
 『三つの棺』 ジョン・ディクスン・カー*
020:The Big Sleep, Raymond Chandler
 『大いなる眠り』 レイモンド・チャンドラー*
021:The Long Goodbye, Raymond Chandler
 『長いお別れ』 レイモンド・チャンドラー*
022:No Orchids for Miss Blandish, James Hadley Chase
『ミス・ブランディッシの蘭』 ジェームズ・ハドリ-・チェイス*
023:The Riddle of the Sands, Erskine Childers
 『砂州の謎』 ロバート・アースキン・チルダーズ
024:And Then There Were None, Agatha Christie
 『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティ*
025:The Mysterious Affair at Styles, Agatha Christie
 『スタイルズ荘の怪事件』 アガサ・クリスティ*
026:The Murder of Roger Ackroyd, Agatha Christie
 『アクロイド殺し』 アガサ・クリスティ*
027:The Murder at the Vicarage, Agatha Christie
 『牧師館の殺人』 アガサ・クリスティ*
028:The Secret Adversary, Agatha Christie
 『秘密機関』 アガサ・クリスティ
029:The Woman in White, Wilkie Collins
 『白衣の女』 ウィルキー・コリンズ*
030:The Moonstone, Wilkie Collins
 『月長石』 ウィルキー・コリンズ*
031:A Study in Scarlet, Arthur Conan Doyle
 『緋色の研究』 アーサー・コナン・ドイル*
032:The Hound of the Baskervilles, Arthur Conan Doyle
 『バスカヴィル家の犬』 アーサー・コナン・ドイル*
033:The Sign of Four, Arthur Conan Doyle
 『四つの署名』 アーサー・コナン・ドイル*
034:The Manchurian Candidate, Richard Condon
 『影なき狙撃者』 リチャード・コンドン*
035:The Secret Agent, Joseph Conrad
 『密偵』 ジョセフ・コンラッド*
036:Under Western Eyes, Joseph Conrad
 『西欧の眼の下に』 ジョセフ・コンラッド*
037:Postmortem, Patricia Cornwell
 『検屍官』 パトリシア・コーンウェル*
038:The Andromeda Strain, Michael Crichton
 『アンドロメダ病原体』 マイケル・クライトン*
039Jurassic Park, Michael Crichton
 『ジュラシック・パーク』 マイケル・クライトン*
040:Poetic Justice, Amanda Cross
 『殺人の詩学』 アマンダ・クロス
041:The Ipcress File, Len Deighton
 『イプクレス・ファイル』レン・デントン 
042:Last Seen Wearing, Colin Dexter
 『キドリントンから消えた娘』 コリン・デクスター*
043:The Remorseful Day, Colin Dexter
 『悔恨の日』 コリン・デクスター*
044:Ratking, Michael Dibdin
 『ラット・キング』 マイケル・ディブデイン
045:Dead Lagoon, Michael Dibdin
 『水都に消ゆ』 マイケル・ディブデイン
046:Dirty Tricks, Michael Dibdin
 『ダーティ・トリック』 マイケル・ディブデイン
047:A Rich Full Death, Michael Dibdin
 未訳 マイケル・ディブデイン
048:Vendetta, Michael Dibdin
 『血と影』 マイケル・ディブデイン
049Crime and Punishment, Fyodor Dostoevsky
 『罪と罰』 フョードル・ドストエフスキー*
050:An American Tragedy, Theodore Dreiser
 『アメリカの悲劇』 セオドア・ドライサー*
051:My Cousin Rachel, Daphne du Maurier
 『レイチェル』 ダフネ・デュ・モーリア
052:The Count of Monte Cristo, Alexandre Dumas
 『モンテ・クリスト伯』 アレクサンドル・デュマ
053:The Pledge, Friedrich Durrenmatt
 『約束』 フリードリッヒ・デュレンマット*
054:The Crime of Father Amado, Jose Maria de Eca de Queiroz
 『アマーロ神父の罪』 エッサ・デ・ケイロース
055:The Name of the Rose, Umberto Eco
 『薔薇の名前』 ウンベルト・エーコ*
056:American Psycho, Bret Easton Ellis
 『アメリカン・サイコ』 ブレット・イーストン・エリス
057:LA Confidential, James Ellroy
 『LAコンフィデンシャル』 ジェイムズ・エルロイ
058:The Big Nowhere, James Ellroy
 『ブッグ・ノーウェア』 ジェイムズ・エルロイ
059:A Quiet Belief in Angels,RJ Ellory
 『静かなる天使の叫び』 R・J・エロリー
060:Sanctuary, William Faulkner
 『サンクチュアリ』 ウィリアム・フォークナー*
061:Casino Royale, Ian Fleming
 『カジノ・ロワイヤル』 イアン・フレミング
062:Goldfinger, Ian Fleming
 『ゴールドフィンガー』イアン・フレミング*
063:You Only Live Twice, Ian Fleming
 『007は二度死ぬ』 イアン・フレミング
064:The Day of the Jackal, Frederick Forsyth
 『ジャッカルの日』 フレデリック・フォーサイス*
065:Brighton Rock, Graham Greene
 『ブライトン・ロック』 グレアム・グリーン
066:A Gun for Sale, Graham Greene
 『拳銃売ります』 グレアム・グリーン
067:The Ministry of Fear, Graham Greene
 『恐怖省』 グレアム・グリーン*
068:The Third Man, Graham Greene
 『第三の男』 グレアム・グリーン*
069:A Time to Kill, John Grisham
 『評決のとき』 ジョン・グリシャム*
070:The King of Torts, John Grisham
 『甘い薬害』 ジョン・グリシャム
071:Hangover Square, Patrick Hamilton
 『二つの脳を持つ男』 パトリック・ハミルトン
072:The Glass Key, Dashiell Hammett
 『ガラスの鍵』 ダシール・ハメット*
073:The Maltese Falcon, Dashiell Hammett
 『マルタの鷹』 ダシール・ハメット*
074:Red Harvest, Dashiell Hammett
 『血の収穫』 ダシール・ハメット*
075:The Thin Man, Dashiell Hammett
 『影なき男』 ダシール・ハメット*
076:Fatherland, Robert Harris
 『ファーザーランド』 ロバート・ハリス
077:Black Sunday, Thomas Harris
 『ブラック・サンデー』 トマス・ハリス*
078:Red Dragon, Thomas Harris
 『レッド・ドラゴン』 トマス・ハリス*
079:Tourist Season, Carl Hiaasen
 『殺意のシーズン』カール・ハイアセン
080The Friends of Eddie Coyle, George V Higgins
 『エディ・コイルの友人たち』 ジョージ・V・ヒギンズ
081:Strangers on a Train, Patricia Highsmith
 『見知らぬ乗客』 パトリシア・ハイスミス*
082:The Talented Mr Ripley, Patricia Highsmith
 『リプリー』 パトリシア・ハイスミス
083:Bones and Silence, Reginald Hill
 『骨と沈黙』 レジナルド・ヒル
084:A Rage in Harlem(For Love of Imabelle), Chester Himes
 『イマベルへの愛』 チェスター・ハイムズ
085:Miss Smilla's Feeling for Snow , Peter Hoeg
 『スミラの雪の感覚』 ペーター・ホゥ
086:Rogue Male, Geoffrey Household
 『追われる男』 ジェフリー・ハウスホールド*
087:Malice Aforethought, Francis Iles
 『殺意』 フランシス・アイルズ*
088:Silence of the Grave, Arnadur Indridason
 『緑衣の女』アーナルデュル・インドリダソン
089:Death at the President's Lodging, Michael Innes
 『学長の死』 マイクル・イネス*
090:Cover Her Face, PD James
 『女の顔を覆え』 P・D・ジェイムズ*
091:A Taste for Death, PD James
 『死の味』 P・D・ジェイムズ*
092:Friday the Rabbi Slept Late, Harry Kemelman
 『金曜日ラビは寝坊した』 ハリイ・ケメルマン*
093:Misery, Stephen King
 『ミザリー』 スティーヴン・キング
094:Dolores Claiborne, Stephen King
 『ドロレス・クレイボーン』  スティーヴン・キング
095:Kim, Rudyard Kipling
 『少年キム』 ラドヤード・キプリング
096:The Constant Gardener, John le Carre
 『ナイロビの蜂』 ジョン・ル・カレ*
097:Tinker, Tailor, Soldier, Spy, John le Carre
 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 ジョン・ル・カレ
098:The Spy Who Came in from the Cold, John le Carre
 『寒い国から帰ってきたスパイ』 ジョン・ル・カレ*
099:To Kill a Mockingbird, Harper Lee
 『アラバマ物語』 ハーパー・リー*
100:52 Pick-up, Elmore Leonard
 『五万二千ドルの罠』 エルモア・レナード
101:Get Shorty, Elmore Leonard
 『ゲット・ショーティ』 エルモア・レナード
102:Motherless Brooklyn, Jonathan Lethem
 『マザーレス・ブルックリン』 ジョナサン・レサム
103:The Bourne Identity, Robert Ludlum
 『暗殺者』 ロバート・ラドラム*
104:Cop Hater, Ed McBain
 『警官嫌い』 エド・マクベイン*
105:No Country for Old Men, Cormac McCarthy
 『血と暴力の国』 コーマック・マッカーシー
106:Enduring Love, Ian McEwan
 『愛の続き』 イアン・マキューアン
107:Sidetracked, Henning Mankell
 『目くらましの道』 ヘニング・マンケル
108:Devil in a Blue Dress, Walter Mosley
 『ブルー・ドレスの女』 ウォルター・モズリイ
109:The Great Impersonation, E Phillips Oppenheim
 未訳 エドワード・フィリップス・オッペンハイム
110:The Strange Borders of Palace Crescent, E Phillips Oppenheim
 未訳 エドワード・フィリップス・オッペンハイム
111:My Name is Red, Orhan Pamuk
 『私の名は紅』 オルハン・パムク
112:Toxic Shock, Sara Paretsky
 『ダウンタウン・シスター』 サラ・パレツキー
113:Blacklist, Sara Paretsky
 『ブラックリスト』 サラ・パレツキー
114:Nineteen Seventy Four, David Peace
 『1974 ジョーカー』 デイヴィッド・ピース
115:Nineteen Seventy Seven, David Peace
 『1977 リッパー』 デイヴィッド・ピース
116:The Big Blowdown, George Pelecanos
 『俺たちの日』 ジョージ・P・ペレケーノス
117:Hard Revolution, George Pelecanos
 『変わらぬ哀しみは』ジョージ・P・ペレケーノス
118:Lush Life, Richard Price
 『黄金の街』 リチャード・プライス
119:The Godfather, Mario Puzo
 『ゴッドファーザー』 マリオ・プーゾ*
120:V, Thomas Pynchon
 『V』 トマス・ピンチョン*
121:The Crying of Lot 49, Thomas Pynchon
 『競売ナンバー49の叫び』 トマス・ピンチョン*
122:Black and Blue, Ian Rankin
 『黒と青』 イアン・ランキン
123:The Hanging Gardens, Ian Rankin
 『首吊りの庭』 イアン・ランキン
124:Exit Music, Ian Rankin
 『最後の音楽』 イアン・ランキン
125:Judgment in Stone, Ruth Rendell
 『ロウフィールド館の惨劇』 ルース・レンデル*
126:Live Flesh, Ruth Rendell
 『引き攣る肉』 ルース・レンデル*
127:Dissolution, CJ Sansom
 『チューダー王朝弁護士シャードレイク』 C・J・サンソム
128:Whose Body?, Dorothy L Sayers
 『誰の死体?』 ドロシー・L・セイヤーズ*
129:Murder Must Advertise, Dorothy Le Sayers
 『殺人は広告する』 ドロシー・L・セイヤーズ
130:The Madman of Bergerac, Georges Simenon
 『メグレを撃った男』 ジョルジュ・シムノン*
131:The Blue Room, Georges Simenon
 『青の寝室 -激情に憑かれた愛人たち』 ジョルジュ・シムノン
132:The Laughing Policeman, Maj Sjowall and Per Wahloo
 『笑う警官』 マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー*
133:Gorky Park, Martin Cruz Smith
 『ゴーリキー・パーク』 マーティン・クルーズ・スミス*
134:Of Mice and Men, John Steinbeck
 『二十日鼠と人間』 ジョン・スタインベック*
135:The League of Frightened Men, Rex Stout
 『腰ぬけ連盟』 レックス・スタウト*
136:Perfume, Patrick Suskind
 『香水』 パトリック・ジュースキント*
137:The Secret History, Donna Tartt
 『シークレット・ヒストリー』 ダナ・タート
138:The Daughter of Time, Josephine Tey
 『時の娘』 ジョセフィン・テイ*
139:The Getaway, Jim Thompson
 『ゲッタウェイ』 ジム・トンプソン*
140:Pudd'nhead Wilson, Mark Twain
 『ノータリン・ウィルソンの悲劇』 マーク・トウェイン
141:A Dark-Adapted Eye, Barbara Vine
 『死との抱擁』 バーバラ・ヴァイン(ルース・レンデル)
142:A Fatal inversion, Barbara Vine
 『運命の倒置法』 バーバラ・ヴァイン(ルース・レンデル)
143:King Solomon's Carpet, Barbara Vine
 『ソロモン王の絨毯』 バーバラ・ヴァイン(ルース・レンデル)
144:The Four Just Men, Edgar Wallace
 『正義の人々』 エドガー・ウォーレス*
145Fingersmith, Sarah Waters
 『茨の城』 サラ・ウォーターズ
146:Native Son, Richard Wright
 『アメリカの息子』 リチャード・ライト
147:Therese Raquin, Emile Zola
 『テレーズ・ラカン』 エミール・ゾラ*

今野浩「ヒラノ教授の線形計画法物語」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。久しぶりにこちらのフォルダの更新です。もうかなり以前のことですが、何か役に立つこともあるかもしれないと思い、線形計画法を少しかじったことがあります。そのころは貧相なコンピューター事情だったので、実際運用するにはとても個人のPCなどでは実際の問題に当てはめるのは無理なんじゃないかと思っておりました。ちょっとした非線形の最小自乗法をやるのに数時間もかかることもざらでしたから(笑)。

というわけで最近の線形計画法の簡単な通史めいたものをたまたま読んでみました。解説やコラムはわかりやすくて線形計画法の大筋や目的は理解できるようになっています。それより面白いのは固い専門書でのみ知っていた人物のひととなりと研究者としてのあり方がざまざまなエピソードを交えて語られる部分です。特にフォン・ノイマンの逸話が面白かったです。まあしかし、コンピューターは変わっても人間は大して変っていないものだということを実感できる好著だと思いますね。いかがでしょう?


出版社紹介
『いま手元には千円しかないが,食事もしたいし,これから会うことにしている彼女へのプレゼントも買いたい.できれば,お腹の満腹感も彼女の満足感も最大にしたい.どうしたらいいだろう――かなりおおざっぱな話ではあるが,線形計画問題とは,このような制約条件のある連立不等式を解く問題.これを解く方法が線形計画法である.

 半導体の回路設計や大量の材料を使う工業生産になると,その解法には膨大な時間がかかる.よくコンピュータが高性能かつダウンサイズできるようになって,計算が短縮されたといわれる.しかし,意外にも計算機の高性能化より,線形計画法のアルゴリズムの改良のほうが,巨大化した現在の線形計画問題の解決には貢献が大きいのである.

 そんな計算法がどのように改良されてきたのかを,波乱に満ちた著者の実体験にもとづいて語ったのが本書である.主要な問題解法の要点が手に取るようにわかり,かつそれらの開発に生涯をかけた天才,俊才,秀才,奇才の人間模様も赤裸々に知ることができる.また,何よりも,著者が接した学者・研究者へのオマージュともいうべき文章が読ませる.

 著者の今野浩氏は,新潮社や青土社から「工学部ヒラノ教授」の名を冠した本を何冊も刊行している.いずれも好評である.工学部をはじめとした大学の実像を描いた本として,いまや「ヒラノ教授」の名は,知る人ぞ知る教授名となっているという噂である.』

パスカル・キニャール『ハンス・ベルメール画集』(彫師セシル・ランスによる)

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こんばんは、皆様、三頌亭です。割と最近出たベルメールの画集です。へんなお話ですが、ベルメールの版画は印刷するとややあくどいイメージなることが多いような気がします。今回の画集はややそういうところに気を使ってあるのか、いままで見た中では出来がいいものだと思います。現物を見るとよくわかるのですが何とデリケートなラインでできているのだろうと見るたびに思ってしまいます。ベルメールの版画作品を一堂に会した展覧会が開かれることは当分ないかもしれませんが、時々三頌亭はどこかがやってくれないものだろうかと思っています。

出版社解説まがい(笑)。よくできていて面白いので載せておきます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/dobunko/index77.html

山野浩一傑作選Ⅱ&由良君美「椿説泰西浪曼派文学談義」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。この前、紹介した山野浩一の傑作選第2巻「殺人者の空」です。この巻には単行本未収録作品が5篇収められています。すでに以前の単行本の方で山の作品をお読みの方はこの巻だけをお読みになればよろしいです(笑)。山野浩一の「湘甜屬嚢圓海Α廚箸い作品が昔から大好きです。どちらかと言うとSF作品と言う分類には当たらないのかもしれません。しかし、あの作品を怪奇小説のアンソロジーに収める編者はおそらくいないでありましょう。と言えばこの作家の作品分類上のポジションがわかると思います。今回の東京創元社の復刻ですがぜひ長編も入れて山野浩一全集として欲しいものでありますが・・・さあどうでしょうか?。

次の本も以前紹介いたしましたが、由良君美「椿説泰西浪曼派文学談義」です。平凡社ライブラリからの再版です。やっとこのごろ由良君美の著作が再版されるようになりました。ファンとしてはうれしい限りです(笑)。「椿説泰西浪曼派文学談義」は彼の著作中もっとも面白い英文学エッセイです。皆様にあっては安んじて由良君美の読者となられんことを願うものです(笑)。
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