本楽大学ミステリ学部

本楽大学ミステリ学部自由参加イベント『ミステリ好きに聞く20の質問』

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こんばんは皆様、三頌亭です。しろねこ校長先生から本楽大学ミステリ学部のお題が出ておりますので回答してみました。こうみると案外自分の傾向がはっきり出ていると思ったりしています。それでは・・・。

お題

1.マニアックなミステリ
M・P・シール「プリンスザレスキー」
モノマニアックということはないのかもしれませんが、とにかく雰囲気が異様です(笑)。
マニア向けと言うにはこれをおいてほかにはありません(笑)

2.教養豊かなミステリ
クリストファー・モーリー「幽霊書店」、小沼丹「黒いハンカチ」
前者はいわゆる蘊蓄ものかもしれませんが、盛り付けが絶妙です。
後者は文章が抜群です。

3.とにかく面白いミステリ
江戸川乱歩「孤島の鬼」
大衆小説としての探偵小説という目標を最もよく表した小説です。

4.トリックが最高だと思うミステリ
カー「火刑法廷」
それまでカー以外考えられなかった傑作トリック。
もちろんラストの部分です。

5.これは泣けるというミステリ
オー・ヘンリー「よみがえった改心」、鮎川哲也「人それを情死と呼ぶ」
前者はミステリーというかサスペンスものというか・・どちらでもないかもしれませんが(笑)。
「おそ松くん」バージョンあり・・・「チビ太の金庫やぶり」。
後者はなんか切ないですなあ~、今まで読んだ中ではトップクラス。

6.感動のミステリといえば
夏樹静子「天使が消えていく」
ベタですが万人向きかと思いますので・・。

7.私が一番好きなミステリ
松本清張の「黒い画集」をはじめとする短編群、「砂の器」(映画ではなく原作の方)。

8.私が一番好きなミステリ作家
カーとアイリッシュ、久生十蘭と松本清張

9.私が一番愛するミステリ
小栗虫太郎「白蟻」

10.私が一番愛するミステリ作家
小栗虫太郎・・・次点でカーと大坪砂男

11.誰にも教えたくないミステリ
J・S・フレッチャー (Joseph Smith Fletcher). 「ミドル・テンプルの殺人」 (1918年) (東都書房 世界推理小説大系)・・・別に教えたくないほどではないのですが、人に教えて半分くらいの人からは文句が出そうなので・・(笑)。雑誌・幻影城で松本清張が好きなミステリとしてアンケートに答えたものの一つ・・・『大家は最近のミステリはご存じない(笑)』とからかわれたのですがそれはたぶん読まずに言ってます。クロフツばりの大衆小説の傑作です。

12.(覚えている限り)最初に読んだミステリ
ルブラン「813」

13.一番好きな探偵
浅見光彦
わはは・・・意外と好きだったりして・・・(爆)

14.一番好きな犯人(ネタばれになるので、作品名で)
フランボウ・・・チェスタートン「青い十字架」
なんか好きなんですよ。

15.大好きなシリーズものミステリ
基本的にシリーズものの魅力というのを理解していません。なので当てになりません(笑)。
強いて挙げるならば金田一・シリーズもしくはダルグリッシュ警視シリーズ。

16.子どもに読ませたいミステリ
ポーの小説群・・・あまり良くないかも?(笑)

17.子ども向け、でも大人にも薦めたいミステリ
講談社ミステリーランド・・・もともと大人がターゲットですが・・。

18.再読したい(再読した)ミステリ
記事を書くときに過去読んだ作品は一応は再読してます。

19.挫折したけど気になるミステリ
挫折はありません。

20.私が読んだ地雷ミステリ
もう絶版なので構わないでしょう(笑)。
草野唯男『悪霊鉱山』、『アイウエオ殺人事件』
山村正夫『霊界予告殺人』『忍者探偵秘湯へ行く』
まあこのお二人さんは地雷の宝庫です(爆)。
珍品が読みたいという向きにはこの限りではないです。

以上でございます。何か発見ありましたでしょうか?(笑)

アニス画伯製作・本楽カード

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こんばんはアニスさんに本楽カードを作っていただきました。素晴らしく立派なカードになってしまいました。おかげで原案を出した三頌亭のさぶいオヤジギャグが目立つはめに・・(爆)。ちいらばさん、iizukaさんすいません、ダシに使ってしまいました。アニスさんどうもありがとうございます。やっぱり画伯のテクニックが素晴らしいですm(__)m 。

本楽カードを作っていただきましたm(__)m

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。しろねこさん原案、億さんデザインでキャラクターカードを作っていただきました。大変うれしいです\(@^o^)/。なかなかかっちょいいデザインで、「宇宙怪獣モネー」だそうです。守備力∞というのは買いかぶりで、実は穴だらけの弱点ありまくりなのですが、わずかでもそう見えるというのは大変光栄なことですね(笑)。

億さんデザインの宇宙怪獣ですが、「ブーレーズ」から「火の鳥」という連想でデザインしていただきました。モデルはコスタリカの野生動物だとか・・。私個人はほとんど「ナマケモノ」あたりのゆるいイメージでおりましたので、大変過分なイメージでございます。出来上がったものを拝見しているとちょっと似た感じの宇宙怪獣が浮かんできました(笑)。宇宙怪獣ベムスターといいます。

しろねこさん、億さんどうも有難うございました、重ねてお礼を申し上げますm(__)m。

アニスさん企画の「本楽カード・コレクション2008」は現在募集中です。奮ってご応募ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/staranise1969/55272932.html

第2回SF学部課題・「私の好きな荒巻作品について」

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荒巻義雄というと最近では「架空戦記」物が有名ですね。ところで今回の課題は荒巻義雄の初期のSF作品について書いてみましょう。なぜこの人を取り上げようと思ったかというとしろねこ校長先生がベスト・SFとしてあげておられた作品に荒巻義雄「神聖代」があったからです。しかしここまでなら、どなたか好きな人が記事を書いているだろうくらいに思って終わりだったのですが・・。ヤフーのブログ内検索をしますとたった2件しかありません。しかも現在稼動中のブログというとしろねこ校長先生の記事だけということになってしまいます。これはちょっとあんまりだと思い、今回の課題とすることに決定いたしました。

さていろいろと書庫を漁ってやっと見つけてきた荒巻義雄の作品集が写真のものです。「白き日旅立てば不死」などと並んで荒巻義雄の初期の傑作長編です。筒井康隆の解説にもあるとおり、この作品は神話に似た構成で、ヒエロニスム・ボッスの絵に想を得てかかれた著者自身のインナースペース(内宇宙)への巡礼物語です。初めて読んだのは70年代後半でしたが、今読んでもじゅうぶん素晴らしい傑作です。SFというと何かと海外SFの方に目がいきがちですが国産でもこのように素晴らしい作品があることを知っていただきたいと思い出してきました。SF特有の記述もほとんど少ないので、その手が苦手な方にもお薦めです(笑)。

さてもう一つは伝奇SFの「神州白魔伝」です。江戸の奇人平賀源内を主人公にした作品でこちらは完全な娯楽作です。本当は3部作の予定だったのですが、単行本化されたのは「九来印之壷(くらいんのつぼ)の巻」のみでした。この作品は荒巻義雄の伝奇作品の最も始めの作品でした。そのほか初期のSF作品集「時の葦舟」などもよく記憶にあるもののひとつです。この作品集などもどちらかといえば幻想物に近いもので、所謂メカメカ(笑)のハードSFとは性格を異にしています。荒巻義雄は日本のSF作家の中では2番手のイメージのある作家なのですが、キャリアは長く大変面白いものをたくさん残しています。

残念なことにい全は山ほどあった徳間文庫も最近ではあまり見かけなくなりましたが、古書では大変廉価なので見かけましたら一度お読みになってみるのもいいと思います。

本楽大学ミステリ学部課題「私の好きなミステリ作家・小栗虫太郎」

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ミステリ学部の課題です。何で書くか色々考えましたが、変化球は大変上手な方がきっとおられるに違いありません(笑)。ここは初心にかえってもっとも好きなミステリ作家について書きたいと思います。過去の記事をひっくり返すとおよそ想像がつくかもしれませんが、私の最も印象的で好みの作家は小栗虫太郎です。初めて読んでからかれこれ30年が経ってしまいましたが、やっぱり一つの大衆作家のあり方として面白いのではないかと思っています。かつて、漫画とテレビアニメをおなかいっぱいに食べて育った私のアイドルは小栗虫太郎だったのです。いまでもきっとミステリ好きのスノッブたちのヒーローに違いないことでしょう(笑)。

では小栗虫太郎の作品の特徴を私なりに要約してみましょう。
1.悪文である
まずは皆様この文章をお読みください(序、騎西一家の流刑地から)。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000125/files/666.html
いかがでしょう、凄いですね(笑)。なんかわけがわからないけど何ともいえない怪奇な雰囲気に溢れていますね。何かと明晰な文章が要求される現代にあって、効率一辺倒ではなくこのような雰囲気を優先した装飾的な文章もあっていいと思います。勢いで読むことが大切です(爆)。

2.トリックが理解不能(笑)
小栗作品はミステリのみではなく伝奇小説、冒険小説などもたくさんありますので、ここでは典型的なミステリ作品について意見を述べます。はずかしながら、この方のトリックは理解し得た記憶がありません(爆)。実現性がどうのとかいう論議は小栗作品にはもはや不要です。奇想の論理と言い切ってよいでしょう。正確のいうと私にとっては奇想の論理らしい雰囲気を漂わせている理解不能のトリックです。

3.引用元の怪しいペダントリーがてんこもり
小栗虫太郎の作品を称して「小説以前」といったのは乱歩だったかどうか忘れてしまいました。1頁からいくつものミステリが書くことがで出来るくらい、この人の作品は探偵小説のガジェットを詰め込んであります。そこにはどこから引用してきたかわからない怪しいペダントリーがカタカナと旧字体で満載されています。これが小栗作品の中核をなします。彼の作品にあっては「神は外側に宿る」のです(笑)

さて以上3点が私なりに感じている小栗作品の特徴ですが、小栗虫太郎の代表作といえば何といっても「黒死館殺人事件」ですね。これがなかなかの落とし穴です。一応、ほとんどの小栗作品を走破した結果、初めて読む小栗作品としては適当でないのではないかという結論に至りました。簡単にいうと「黒死館殺人事件」は「短篇を数珠繋ぎ」したような作品で全頁を読んでしまう前に以上指摘した3点に中毒症状を呈してしまう方が後をたちません。結果、栄えある「挫折本No1」の地位を獲得してしまっているのが現状ではないでしょうか?

というわけでgoogleなどでヒット件数を調査してみました。2番手の小栗作品として人気があるのが「完全犯罪」「白蟻」「人外魔境」などです。「人外魔境」は短篇の冒険小説集なので、この3作品はすべて短篇ということになります。もともと「黒死館殺人事件」を除いて、小栗作品には長編小説がほとんどありません。この人はどちらかというと短篇小説の人なのです。したがって初めての小栗作品のお勧めは何が何でも短篇です(笑)。私の初体験は「完全犯罪」でした。

つらつらと書いてきましたが、70年代の後半、今のようにエンターテイメント作品がファンタジックでなかったころ、オーソドックスな文学作品が嫌なわたしのアイドルは小栗虫太郎でした。それはいまでは少し変わってしまいましたが、やはりその後の読書の嗜好によく反映されていると思ってます。
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