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こんばんは皆様、三頌亭店長です。きょうは江戸期の仮名草子から「死霊解脱物語聞書」を紹介いたしましょう。三遊亭円朝の「真景累ヶ淵」は大変有名で後年いくつもの作品の種になっておりますが、その「累伝説」の源流に位置するのが「死霊解脱物語聞書」です。この作品は仏教説話といったものに近いのかもしれませんが、これが妙にリアルで実話系の怪談の趣があります。
http://www.ffortune.net/symbol/rei/kasane.htm

円朝の「真景累ヶ淵」などとは異なり、お菊に憑依した累が村人の旧悪を暴いて村をパニックに陥れるところが極めて現代的です。憑依した人格の行動が恐喝犯罪に近いものがあって興味深いです。テキストは叢書江戸文庫26「近世奇談集成1」(国書刊行会)で読むことが出来ます。現代語訳は志村有弘訳のものが志村有弘編「怪談累ケ淵」(勉誠出版)に収録されています。