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こんばんは皆様、三頌亭店長です。今日もいつもとは少し毛色の違う本を紹介いたします。今から10数年前、「安原一式」という機械式のカメラを開発して話題になった安原製作所というメーカーがありました。このメーカーは実質、一人のメーカーでした。その創業者・安原伸の回顧録です。一人で作った趣味のカメラのお話です。この手の本には珍しくメーカ側からユーザーに対する本音をバンバン書いてあって気持ちがいいです。思えばこのあたりが銀塩カメラ終焉の時代だったかと思います。日本のカメラ工業は10数社のいわばギルドでこのメンバーが世界のカメラ産業を牛耳ってきました。そのためいい時代を長く過ごし、その製品も他の国が及ばないような値段と性能、品質を誇ってきましたが、現在のデジタルカメラの出現でそれはもうなくなってしまいました。この回顧録はある種の冒険の物語です。単独のカメラ開発が事実上はいかに難しいか、日本以外の国での品質管理がどれくらい難しいかを具体的に教えてくれます。

出版社紹介
「安原製作所は、京セラでカメラを設計していた安原伸が独立して1997年にひとりで作ったカメラメーカー。第1号機「安原一式」は数十年前のカメラが蘇ったようなクラシカルなスタイルを持つ。当時のクラシックカメラブームにも乗り、マスコミ取材が200を超えるなど大変な評判となった。本書では安原自らが当時を振り返り、同時にフィルムカメラやカメラ業界は何だったのかを語る。」

追記:写真のカメラはNikon New FM2です。写真学校生の定番モデルといわれました。シャッター最高速1/4000、シンクロ同調速度を1/250。私は史上最強の機械式カメラだと思っています。恐ろしいことに買ってから17年間、電池を変えていません(笑)。