2019年01月

ジョーン・リンジー「ピクニック・アット・ハンギングロック」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は昔見た映画の原作小説です。映画ファンの人ってすごいですね~、こんな映画覚えてるんですから・・。と思っていたら今はカルト映画の仲間入りでディレクターズ・カット版まででているそうです。あと、当時はわからなかったのですがオーストラリアでは人気のあった映画らしく、いろんな賞を受賞しています。驚きですね。絵は結構いいんですけどね。一緒に見に行った友人は「ヒマと金かえせ!!」(爆)だったように記憶しています。

原作小説は「神隠し」のお話です。今回通読して思うことはオーストラリアン・ゴシック小説とでも言ったらいいのでしょうか?。少し暗い運命譚であります。それにしても超自然的な結末をあっさり削除してしまった編集者の腕は偶然かもしれませんが大したものだと思います(因みに映画では結末はありませんし、何も解明されません)。日本の作家でいえば恩田陸さんあたりがひょっとしたら好きかもしれませんねw。


出版社紹介
『山崎まどか氏推薦――「ピクニックの最中に消えてしまう少女たち。彼女たちの喪失をきっかけに、美しいものの全てが崩壊していく」
楽しいはずのピクニック。だが四人の少女と教師ひとりが消えてしまったのだ。その事件を契機にすべての歯車が狂いはじめる。カルト的人気を博した同名の映画原作、本邦初訳!」

M・P・シール「紫の雲 (ナイトランド叢書)」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。最近出たものの中から紹介いたします。今まで何度かブログで取り上げてきましたが、M・P・シールの「紫の雲」の翻訳がやっと出ました。これはこれで感無量の三頌亭ですw。この本は「紫の雲」によって人類は死に絶え、地球最後の一人となった男の物語といえばいいでしょうか?。シール描くところのこの物語前半の「死の世界」の圧倒的描写は圧巻の一言に尽きます。もともとこの「紫の雲」をシールは「最後の奇跡」「海の王」に続く最後のエピソードとして考えていたため、このようなストーリーになったのではないかと三頌亭は考えています。つまりここがハイライトではないかと・・・w。ラヴクラフトじゃないですが後半の「アダムとイブ」風の結末は少し物語の密度を希薄化させているのではないでしょうか?。このあたりは意見の分かれるところでしょうね。ともあれ、残りのシール作品の翻訳を待ちましょう。因みに英文テキストはすべてネットで読むことが出来ますので、ご奇特な人はいかがでしょうか?

ところでM・P・シールやデイヴィッド・リンゼイの作品はロンドン・ゴランツ社の下記の叢書によって日本に知られるようになりました。もともとは「Connoisseur’s Library of Strange Fiction」(奇想の文学通・叢書?)といったもので始められていたようです。現在ではチャールズ・ウィリアムズやジェイムズ・ホッグなども邦訳がありますので、隔世の感があります。一言で言ってメインストリームの文学とエンターテイメントの境界に属するユニークな作品集成というところなのですが、シールとリンゼイは凄かったですねえ。



出版データ・参考
Rare Works of Imaginative Fiction (1963-1964, with reprints to 1971)
Victor Gollancz Ltd. (London, UK)

1. The Purple Cloud, by M.P. Shiel. Published 13 June 1963 at 18s.
2. A Voyage to Arcturus, by David Lindsay. Published 13 June 1963 at 18s.
3. Medusa, by E.H. Visiak. Published 13 June 1963 at 18s.
4. Wylder’s Hand, by J.S. Lefanu. Published 24 October 1963, presumably at 21s.
5. The Greater Trumps, by Charles Williams. Claimed as not published by
6. The Lord of the Sea, by M.P. Shiel. Published 24 October 1963, at 21s.
7. The Haunted Woman, by David Lindsay. Published 16 April 1964 at 21s.
8. The Isle of Lies, by M. P. Shiel. Published 16 April 1964 at 21s.
9. The Ghost Ship & Other Stories, by Richard Middleton. Published 16 April 1964 at 21s.

Connoisseur’s Library of Strange Fiction (1946-1947)
Victor Gollancz Ltd. (London, UK)
1. A Voyage to Arcturus, by David Lindsay. Published August 1946 at 8s 6d,
2. The Haunted Woman, by David Lindsay. Published in January 1947 at 7s 6d.
3. Medusa, by E.H. Visiak. Published January 1947 at 7s 6d.
4. The Confessions of a Justified Sinner, by James Hogg. Not published. Cresset Press published
an edition in September 1947 which may have discouraged Gollancz from publishing his edition.
5. The Place of the Lion, by Charles Williams. Published in February 1947 at 7s 6d.

此迄ノ荒筋(正太郎マーチ)「彼氏彼女の事情」

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こんばんは、皆さん、「鉄人28号」の時間ですw。というわけではないのですが、見たはずのアニメなのに記憶が完全に吹っ飛んでしまっているものがありまして、以前から見たかったもののひとつです。ちょうどDVDが安く手に入ったので喜び勇んでみてみました。このアニメ全96話でして後半のいわゆる第2期12話分は横山さんの漫画にはないオリジナルエピソードでした。この12話分はなかなかの出来で面白いです。その前半6話分・エピソードよりメインキャラの沢村英子(実はマグナ星人)とそのロボット・マグナXを紹介いたしましょう。地球侵略をたくらむマグナ星人はそのためのスパイとして沢村英子を敷島博士の秘書に送り込みます。さて、彼女の操るロボット・マグナXと正太郎・鉄人28号との虚々実々の争いや如何といったところなのですが、マグナXの操縦方法が面白いです。コードブックに書かれた暗号を唱えることで操縦します。
参考までに「鉄人28号ガオ!」デザインの沢村英子とマグナXとオリジナルのキャプチャをアップしておきます。

84話「宇宙ロボット・マグナX」
85話「撃滅マグナX艦隊」
86話「マグナX再び現わる」
87話「壊滅秘密輸送基地」
88話「ロボット邸の怪人」
89話「マグナXの最期」

DVD-BOXにCDがオマケでついてくるのですが・・・実はマスタリングしてほしかった・・・。クラッシックや洋楽のCDはすぐマスタリングして売ってくれるのですが、アニソンはダメ。少し残念です。
正太郎マーチ
https://www.youtube.com/watch?v=ZQUlOOIpPmg&t=46s
正太郎マーチ・進め正太郎(歌詞付き)
https://www.youtube.com/watch?v=dv2gyIsCfCE
此迄ノ荒筋(正太郎マーチ)「彼氏彼女の事情」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm17981818

ブーレーズ指揮バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団 ワーグナー:楽劇『ニーベルングの指環』全曲

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こんばんは、皆様、三頌亭です。また特に何もないので音楽のお話を・・・(^^;)。昔々・・・70年代後半のころでした。年末年始の個人的行事がNHK-FMで放送するバイロイト音楽祭を録音することでしたw。これが連日でトータル13時間くらいでしょうか?。なぜこんなことをしたかといえば・・・当時はワーグナーの「リング」全曲盤というとショルティ指揮のものくらいで高校生の小遣いではちょっときついお値段だったからですw。いまにして思えばすごくゴージャスな企画だったなあとよくお思います。

ところで私が録音し始めた年はフランス人チームにバトンが渡った年でしかも当時一番とんがっていたピエール・ブーレーズが指揮をした期間とぴったり重なっていましたw。案の定というか初年度のブーレーズの指揮(シェローの演出も)は物議をかもしてブーイングの嵐でした。しかし最後の年(1980)には1時間半に及ぶ大喝采で幕を閉じることになります。というわけでいままで三頌亭が一番何度も聞いたワーグナーの「リング」がブーレーズ指揮の録音なのです。幸いなことに1980年のバイロイト音楽祭の映像がすべて残されていて見ることが出来ます。演出も今から見ると少しモダンな程度だと思うのですが、当時は衝撃だったようです。

(因みにバイロイトは夏の行事です。日本で聞けるまで半年かかっていましたw)

DVD紹介
ワーグナー:楽劇『ニーベルングの指環』全曲
ブーレーズ指揮バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団、ほか

演劇界で活躍していた演出家パトリス・シェロー[1944- ]が、《リング》のバイロイト初演100周年記念公演の演出をまかされたのは1976年のこと。指揮者はピエール・ブーレーズということで、フランス人による斬新な《リング》が誕生することになるわけですが、舞台設定を産業革命の時代に置くなど、理にかなった視点の斬新さは数年のうちに観客から絶賛をもって迎えられるようになります。明晰な論理、明確なドラマトゥルギーの実体化は、観念論的精神論の総本山(?)であるバイロイトにあっても、強い輝きを放ったということでしょう。ワーグナー上演史に残る優れた舞台の貴重な記録です。 DVDに収録されたのは1980年の公演で、細部まで熟したシェロー演出とブーレーズの音楽がとても魅力的。

「ラインの黄金」
D.マッキンタイア(Wotan)、H.ツェドニク(Loge)、H.ベヒト(Alberch)
O.ヴェンケル(Erda)、M.サルミネン(Fasolt)、H.ヒューブナー(Fafner)
S.イェルサレム(Froh)、C.レッペル(Freia)、H.シュヴァルツ(Fricka)

「ヴァルキューレ」
P.ホフマン(Siegmund)、J.アルトマイア(Sieglinde)、M.サルミネン(Hunding)
D.マッキンタイア(Wotan)、G.ジョーンズ(Brunnhilde)

「ジークフリート」
M.ユング(Siegfried)、H.ツェドニク(Mime)、D.マッキンタイア(Wotan)
O.ヴェンケル(Erda)、H.ヒューブナー(Fafner)、G.ジョーンズ(Brunnhilde)

「神々の黄昏」
M.ユング(Siegfried)、G.ジョーンズ(Brunnhilde)、F.マツーラ(Gunther)
H.ベヒト(Alberch)、H.ヒューブナー(Hagen)、J.アルトマイア(Gutrune)


youtube
Wagner - Der Ring Des Nibelungen: Das Rheingold [Boulez]
https://www.youtube.com/watch?v=3ZP-yXsNV2E

Wagner - Der Ring Des Nibelungen: Die Walkure [Act III; Boulez]
https://www.youtube.com/watch?v=SfcEfYN6PjU

Wagner - Der Ring Des Nibelungen: Siegfried [Act I/II; Boulez]
https://www.youtube.com/watch?v=7Y2-aiKrvAw
Wagner - Der Ring Des Nibelungen: Siegfried [Act III; Boulez]
https://www.youtube.com/watch?v=uOjBYl7l1qw

Wagner - Der Ring Des Nibelungen: Gotterdammerung [Prologue/Act I; Boulez]
https://www.youtube.com/watch?v=ifPEx6rAFFs
Wagner - Der Ring Des Nibelungen: Gotterdammerung [Act II/III; Boulez]
https://www.youtube.com/watch?v=--8oJoiM9_k


1976年のメイキング映像
https://www.youtube.com/watch?v=TRyAcbkHNRY

カール・リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団「マタイ受難曲」(1958)

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こんばんは、皆様、三頌亭です。特に何もないのでたまには音楽のフォルダを更新いたします。カール・リヒターの「マタイ受難曲」でございます。なにおかいわんやの名盤中の名盤ですね。ひさしぶりに聞いてみました。やっぱりバッハの代表作というだけの迫力があります。レコード時代は5枚組でなかなか手を出しにくかったのを思い出してしまいましたw。あとやっぱり宗教曲はどうもメンタリティがうまく合致しないせいか、敬遠していたことも思い出しました。そういえば戦前のメンゲルベルクの録音ってまだ聞いたことがありません。最近の録音ではポール・マクリーシュなんかの録音があるのですがこれもまだ聞いたことがないです。因みに下に紹介してあるニュー・マスタリング版聞いたことがありません。耳慣れたリヒター版がどうなっているか少し興味があります。
 
曲の解説
https://ja.wikipedia.org/wiki/マタイ受難曲
CDの紹介
「バッハの権威」カール・リヒターが遺した不朽の名盤「1958年録音のマタイ受難曲」が、2012年の最新マスタリングで「Profil」より登場。
 いくつかあるリヒターが指揮した『マタイ受難曲』のなかでも、とりわけ1958年盤は、バッハの音楽に全身全霊を捧げたリヒターの求道者にも似た表現意欲と、その意図を十全に汲み取るソリスト、アンサンブルとが生み出す厳しくも共感にあふれた造形がスタイル・時代を超越し、マタイ演奏のひとつの頂点を築いた内容として普遍的な魅力を湛えたものです。
 「Profil」の社主ギュンター・ヘンスラー氏によれば、「ホルガー・ジードラーによるマスタリングの仕上がりも申し分ない」とのことですので、その出来ばえに期待したいところです。ちなみにジードラーは、「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」のシリーズのマスタリングなども受け持ち、ドイツのエコー賞やカンヌのミデム賞なども受賞していた人物です。


youtube
J.S.バッハ《マタイ受難曲》第1部全曲 カール・リヒター(1958)
https://www.youtube.com/watch?v=ba9TMBUAmMc
J.S.バッハ《マタイ受難曲》第2部全曲 カール・リヒター(1958)
https://www.youtube.com/watch?v=8ZUFrlzX4Ko
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