2018年02月

大下宇陀児「見たのは誰だ」&甲賀三郎「蟇屋敷の殺人」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は「KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ」という企画の2冊です。文庫で読めるようになったというのがいいところです、また探すというとコストがかかるので・・・(^^;)。さて、大下宇陀児「見たのは誰だ」は 解説の通り倒叙もの。よくはできているのですが、いまひとつ盛り上がりに欠けるような気がいたします。大下宇陀児作品は今までいくつか読んでいるのですが、なかなか好みに合ったものが少ないです。

もうひとつは甲賀三郎「蟇屋敷の殺人」です。甲賀三郎もいままで4作品くらいを読んでるんですが、出来があんまりよくないような気が・・・(^^;)。なんですが、「蟇屋敷の殺人」は拾い物かもしれません。雰囲気はかなりいい感じで楽しいです。最後に明かされるトリックはすこしアレ(^^;)なんですが、個人的には及第点です。

このシリーズでは引き続き楠田匡介と木々高太郎が予定されていてクラッシック・ファンには楽しい企画になってます。


『見たのは誰だ (河出文庫) 文庫
大下 宇陀児 (著)
貧しいアプレ大学生桐原進は、友人の古川昌人と起業を計画するが、資金難から古川の持ちかけた宝石強盗に、正統性を見出し行動に移す。だがそこに思いもよらぬ殺人事件が…。伝説の雑誌『新青年』でデビューし、“変格の鬼才”の勇名を轟かせた大下の、倒叙モノの最高傑作の初文庫化。人情派弁護士探偵・俵岩男奮闘!』

『蟇屋敷の殺人 (河出文庫) 文庫 – 2017/5/8
甲賀 三郎 (著)
東京・丸の内の路上に停車中の自動車内に、謎の首切断死体が発見された―。広大な屋敷に蠢くがま蛙、久恋の女秘書、怪奇な幽霊、いわくの美女、蟇屋敷主人…。探偵作家と刑事は横浜、鎌倉、埼玉奥地、大阪へと犯人を追う。大胆なトリック、秀逸なプロット、気宇壮大なスケール。スリリングに展開する甲賀三郎の最高傑作、初の文庫化!KAWADEノスタルジック探偵・怪奇・幻想シリーズ。』

上田敏詩集(第一書房版)

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こんばんは、皆様、三頌亭です。まだ寒いですね。皆様いかがお過ごしでしょうか?。ところで少しづつ読んでいっています、近代の訳詩集です。上田敏ですね。「海潮音」があまりにも有名なのでなにをかいわんやなのですが、一応、全訳詩ということで第一書房版の「上田敏詩集」をお持ちいたしました。もちろん岩波文庫などでも1冊で文庫化されておりますので、お読みになりたい方はそちらでどうぞ。個人的にはランボーの「酔いどれ船」やシュウォッブの「少年十字軍」がすでに翻訳されているのにおどきました。

ところで上田敏の自伝的小説「うずまき」が国立国会図書館デジタルコレクションで公開されていてこれを読みました。いかにも世紀末文芸風のしっとりとした風景描写が目につきますが、話題として出てくるのが作家ではなくて音楽家ばかりなのに驚くとともにこれらの訳詩をなした根源が案外音楽に対する嗜好にあったのかと納得する次第でございました。

国立国会図書館デジタルコレクション - 「渦巻」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/885507
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