こんばんは、皆様、三頌亭です。今回は少し前に読んだノンフィクション作品を紹介いたします。以前から少し興味のあった蛇毒の抗毒素(血清)の開発史です。ハブ毒の研究家として有名な澤井芳男を描くノンフィクション作品が小林輝幸「毒蛇」です。
この作品はまだ沖縄がアメリカから返還されていなかったころの奄美大島のハブ毒の被害を描くことから始まります。当時、奄美大島においてはハブ毒は大変被害が多く、かなり深刻な問題だったようです。10年間で30人にひとりがハブの被害に合う計算になるというのですから驚きですね。
この作品の前半はハブ毒の被害の実態と抗毒素作製のためのハブ毒の採取について記述されます。ここが作品全体のキモかもしれません。ハブ取り名人のエピソードやハブ毒の被害の恐ろしさが極めて具体的かつ臨場感を持って描かれていて興味深いです。これに比べれば肝心の抗毒素の作製の苦心談は至極あっさりとしていまして、少し物足りない感じがしますが、本当にそうだったのなら仕方がないでしょうか?。個人的には本当に「抗体をウマからとるんだ!! すげぇ!!」というのが驚きで、興味津々の記述部分でございました(笑)。
少し難を言えば出版から25年以上がたってしまい、現在、ハブ毒に関して知られていることからはだいぶ隔たりができてしまったということでしょうか?。現在ではハブ毒の本体は細かく分析されて4種のプロテアーゼと数種のホスホリパーゼであることが分かっており、それらの立体構造やアミノ酸配列まで特定されております。(個人的にはホスホリパーゼA2も用量によっては毒性をあらわすというのが、当たり前なのですが意外でした(笑))
出版社紹介
「昭和30年代、奄美大島や沖縄ではハブによる咬症被害が続出していた。現地を訪れ被害の深刻さを目撃した医師・沢井芳男は、半生を血清改良や予防ワクチンの開発に捧げる。やがて沢井は台湾、そして世界へ、その活動の場を広げていく。被害撲滅の情熱に燃えた男の軌跡を追った医学史発掘ノンフィクション。」
この作品はまだ沖縄がアメリカから返還されていなかったころの奄美大島のハブ毒の被害を描くことから始まります。当時、奄美大島においてはハブ毒は大変被害が多く、かなり深刻な問題だったようです。10年間で30人にひとりがハブの被害に合う計算になるというのですから驚きですね。
この作品の前半はハブ毒の被害の実態と抗毒素作製のためのハブ毒の採取について記述されます。ここが作品全体のキモかもしれません。ハブ取り名人のエピソードやハブ毒の被害の恐ろしさが極めて具体的かつ臨場感を持って描かれていて興味深いです。これに比べれば肝心の抗毒素の作製の苦心談は至極あっさりとしていまして、少し物足りない感じがしますが、本当にそうだったのなら仕方がないでしょうか?。個人的には本当に「抗体をウマからとるんだ!! すげぇ!!」というのが驚きで、興味津々の記述部分でございました(笑)。
少し難を言えば出版から25年以上がたってしまい、現在、ハブ毒に関して知られていることからはだいぶ隔たりができてしまったということでしょうか?。現在ではハブ毒の本体は細かく分析されて4種のプロテアーゼと数種のホスホリパーゼであることが分かっており、それらの立体構造やアミノ酸配列まで特定されております。(個人的にはホスホリパーゼA2も用量によっては毒性をあらわすというのが、当たり前なのですが意外でした(笑))
出版社紹介
「昭和30年代、奄美大島や沖縄ではハブによる咬症被害が続出していた。現地を訪れ被害の深刻さを目撃した医師・沢井芳男は、半生を血清改良や予防ワクチンの開発に捧げる。やがて沢井は台湾、そして世界へ、その活動の場を広げていく。被害撲滅の情熱に燃えた男の軌跡を追った医学史発掘ノンフィクション。」