2017年02月

カーター・ディクスン「かくして殺人へ」&石山透「タイム・トラベラー」

イメージ 1

こんばんは皆様、三頌亭です。最近買ったものから2冊紹介いたします。まずはカーター・ディクスン「かくして殺人へ」ですが、これハードカバーで買ったはずなんですが、どこへおいたかわからなくなったのでまた買ったという本です(笑)。カーには珍しいまるで往時のハリウッド映画を見るようなラブコメでございます(笑)。ミステリとしては適当にまとまっているのでまずまずなんですが、目につくのはこちらの方でミステリファンには少し食い足りない部分もあるかとは思います。とにかく読みやすいのでお薦めといったところでしょう。

次は「タイム・トラベラー」です。以前大和書房からでていたものの再編版です。まあケンソゴルと言ったって・・・(笑)、完全に年齢制限付きの話題です。解説の日下さんもさすがに見たことないと思いますよ。本編は筒井康隆の「時をかける少女」で、続編がシナリオライターのオリジナル作品。「時をかける少女」の初めての映像化作品です。当時はVTRのテープが高価だったので、重ね取りして映像そのものはNHKに残っていなかったそうです。この頃放送された「新八犬伝」なんかも面白いのですが事情は同じだそうです。
最終回のみ視聴者のVTRから復元されています。
https://www.youtube.com/watch?v=-ep223KH2Tg


出版社紹介:カーター・ディクスン「かくして殺人へ」
処女作がいきなり大当たりしたモニカ・スタントンは、生まれ育った村を出てロンドン近郊の映画スタジオへやってきた。仕事場をあてがわれ脚本執筆に張り切るものの、何度も危ない目に遭うモニカ。硫酸を浴びかけたり銃撃されたり、予告状も舞い込みいよいよ生命の危機である。義憤に駆られた探偵小説作家カートライトは証拠をひっさげてヘンリ・メリヴェール卿に会い、犯人を摘発してくれと談判するが……。灯火管制下の英国を舞台に描かれた、H・M卿活躍譚。解説=霞流一

出版社紹介:石山透「タイム・トラベラー」
1972(昭和47)年1月1日に放送が開始された「NHK少年ドラマシリーズ」の記念すべき第一回作品である『タイム・トラベラー』。 SFといえば、外国からの作品が中心だった当時に放映され、等身大の主人公によって演じられるドラマに多くの若者がひきつけられました。その後、この番組が好評だったため続編である『続・タイムトラベラー』が作られ、圧倒的なファンを獲得。映像が現存していないため、物語の全貌が記された本書の復刊を望む声が寄せられています。 今回は『タイム・トラベラー』と『続・タイムトラベラー』二つのシナリオを収録し、巻末にはSF評論家・日下三蔵氏による作品解説を加えた新装版として刊行いたします。ブラウン管の中で繰り広げられた“出会い"“成長"“別れ"を、ぜひ本書でご堪能ください。

『タイム・トラベラー』
深町一夫=ケン・ソゴルはクラスメイトの芳山和子に告げた。 芳山君、僕のつくったラベンダーの匂いのする薬を嗅いだため、 きみは時間を飛び越えることのできる“タイム・トラベラー"になったんだ。

▼目次より
◇ラベンダーの謎 ◇ケン・ソゴルの謎 ◇テレパシーの謎 ◇トカリベツの謎 ◇タイム・ルールの謎 ◇タイム・エネルギーの謎
『続・タイムトラベラー』
「さあ、おいで芳山君! 僕はケン・ソゴル。君から見れば700年後の未来人」 芳山和子にだけ聞こえるその声、その名前は、 初めて聞くのになぜだか懐かしい響きがした。

▼目次より
◇呼ぶ声の秘密 ◇2001年の秘密 ◇タマエとレリの秘密 ◇エネルギー・スクリーンの秘密 ◇さまよえるインド人の秘密

世界ミステリ全集〈18〉37の短篇・他

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

こんばんは皆様、三頌亭です。今日は翻訳ミステリの短篇のアンソロジーを紹介いたします。主には戦後から70年代くらいまでのベストアンソロジーであります。この方面では大変有名なものなので改めて紹介いたしましょう。収録作は下記に示す通りで巻末に小鷹信光、稲葉明雄、石川喬司の対談が入っています。当時は佐藤春夫が大変褒めたというヘレン・マクロイ『燕京綺譚』が読みたくて入手した本だったのですが、大変多様な種類のミステリ短編が収録されているのに驚きました。現在、記憶に残っているのはフランク・R・ストックトン『女か虎か』でしょう。これはミステリというわけではないのですが、非常に印象的な作品だと思います。この前長編を紹介したロースンの最良作「天外消失」、不気味なユーモア作品、瀬戸川猛資さんご推奨のアーサー・ウイリアムズ『この手で人を殺してから』 も印象的でした。因みに現在ハヤカワポケットミステリに18作品が『天外消失』、12作品が『51番目の密室』に再録され巻末の対談集も掲載されています。

ついでといってはなんですか当時のミステリマガジンに連載していた「パパイラス(パピルス)の舟」を紹介しておきます。圧倒的な資料量でまあ当時読んではひとの何人がなかで紹介された作品を読むことができたのでしょうか?。と今になって思います。当時は洋書の入手がひどく不自由でしたから、わたしなどは指をくわえて斜めに見ているだけという状態でした。現在、彼の1万点を超えるペイパーバック・コレクションを「公益財団法人早川清文学振興財団」に寄贈され、「小鷹信光文庫 ヴィンテージペイパーバックス」として公開されているそうです。


収録作品
エドガー・ライス・バロウズ『ジャングル探偵ターザン』
ブレット・ハリディ『死刑前夜』
ジェイムズ・サーバー『虹をつかむ男』
クレイグ・ライス 『うぶな心が張り裂ける』
ジョルジュ・シムノン『殺し屋』
エリック・アンブラー『エメラルド色の空』
ヘレン・マクロイ『燕京綺譚』
フレドリック・ブラウン『後ろを見るな』
クレイトン・ロースン『天外消失』
ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』
カーター・ディクスン『魔の森の家』
アーサー・ウイリアムズ『この手で人を殺してから』
トマス・フラナガン『北イタリア物語』
ロイ・ヴィカーズ『百万に一つの偶然』
Q・パトリック『少年の意志』
ジョン・D・マクドナルド『懐郷病のビュイック』
ロバート・アーサー 『五十一番目の密室』
イーヴリン・ウォー『ラヴデイ氏の短い休暇』
C・B・ギルフォード『探偵作家は天国へ行ける』
エドガー・アラン・ポオ& ロバート・ブロック『燈台』
フランク・R・ストックトン『女か虎か』
ロアルド・ダール 『おとなしい兇器』
リチャード・マシスン 『長距離電話』
エヴァン・ハンター『歩道に血を流して』
ヘンリー・スレッサー『死刑執行の日』
ジャック・フィニイ『死者のポケットの中には』
アル・ジェイムズ『白いカーペットの上のごほうび』
ポール・アンダースン『火星のダイヤモンド』
デイヴィッド・イーリイ『ヨット・クラブ』
ジャック・リッチー『クライム・マシン』
コーネル・ウールリッチ 『一滴の血』
ウイリアム・ブルテン『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』
スティーヴン・バー『最後で最高の密室』
ロバート・L・フィッシュ『アスコット・タイ事件』
リース・デイヴィス『選ばれた者』
エドワード・D・ホック『長方形の部屋』
クリスチアナ・ブランド『ジェミニイ・クリケット事件』
最新コメント
ギャラリー
  • 萩尾望都「11人いる!」&「スター・レッド」
  • 萩尾望都「11人いる!」&「スター・レッド」
  • 萩尾望都「11人いる!」&「スター・レッド」
  • 萩尾望都「11人いる!」&「スター・レッド」
  • 和田慎二傑作選「砂時計は血の匂い」他
  • 和田慎二傑作選「砂時計は血の匂い」他
  • 和田慎二傑作選「砂時計は血の匂い」他
  • 和田慎二傑作選「砂時計は血の匂い」他
  • 花とゆめ・1975年5月5日号
アーカイブ
  • ライブドアブログ