2016年09月

「ハーモニー」&「屍者の帝国」

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こんばんは、皆様,三頌亭アニメ館です。きょうは伊藤計劃の長編SF小説を原作をアニメーションにした2本を紹介いたします。因みに「屍者の帝国」の方は伊藤計劃の未完原稿をもとに円城塔氏が大半を補弼したもので彼の原作と考えてもよい内容となっています。

まずは「ハーモニー」ですが以前見た「PSYCHO-PASS サイコパス」に似た発想の世界観に基づいております。原作発表順序からいうと逆ですので「サイコパス」のほうが影響をうけたのかもしれません。あらすじ等は原作の写真の方を見ていただくとして、テーマは一言で言うと「超管理社会で示される人間らしさ」であります。サイコパスの犯罪を管理するシビラ・システム同様、この作品にも「Watch-me」という健康を管理するシステムが出てくるのですがこれが面白いです。ただしこれは設定というか映像固有の面白さではなく原作の面白さです。原作を読んでイメージがわかないという人のためのアニメーション。因みに巷の評判では百合系アニメの代表格なのだそうですw

次に「屍者の帝国」ですが、これは比較的わかりやすいエンターテイメント作品。設定とかは「スチーム・ボーイ」なんかと似ている気がします。なんかゾンビとフランケンシュタインを合わせて、冒険小説にしたようなアニメ。絵の方はまあまあでしょうかね。そう考えずに楽しめるアニメーションになってます。

米沢嘉博「戦後怪奇マンガ史」

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こんばんは,皆様,三頌亭です。今日は写真の本です。米沢嘉博「戦後怪奇マンガ史」ですが、大陸書房の雑誌「ホラーハウス」に連載したものをまとめたものです。書かれたのは1980年代後半ですので大分前のものになってしまいました。といっても『怪奇マンガ史』ですので大きく変わるというわけではないでしょう。こういったテーマの『マンガ史』としては唯一のものかもしれません。

さて目次をご覧になればお分かりになるように要領よくこのニッチなジャンルに挑んできた漫画家たちが並んでおります。三頌亭もまだ読んだことがないものも多く取り上げられており、いまさらながら読書欲をそそられます(笑)。日野日出志や古賀新一あたりは絨毯爆撃的に読んでいないので、集めて読んだら面白いかな?とかいろんなことを思います。巻末にひばり書房の出版タイトルのリストがありまして、B級嗜好を満足させてみたい誘惑に駆られてしまいます(笑)

マルセル・シュオッブ全集

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こんばんは,皆様,三頌亭です。今日はマルセル・シュオッブ全集の紹介です。この前仕事で東京へ行ったときに初めて実物を見ました。値段が張るのが難点のこの全集ですね(笑)。この本は既刊の単行本、すなわち大濱甫氏によるコーベブックスのシュオブ小説全集・既刊分(3,4,5巻)と国書刊行会・黄金仮面の王(フランス世紀末文学叢書・第2巻)、多田智満子氏による「少年十字軍」(森開社、王国社)に新しく翻訳した評論などを追加してまとめた全集です。8割がたは既読なのでなかなか手が出ないのが残念ですが、面目を一新して改訳した現時点でのシュオッブ作品集の決定版です。

もう読んだのは学生の頃になりますが、現在まで新訳が全く出てないことに驚きます。あと戦前の翻訳・矢野目源一「黄金仮面の王」(コーベブックス)があればシュオッブ翻訳のほぼすべてとなります。昔読んだときに「モネルの書」という作品にいたく感心したことがありまして、いずれ文庫本になれば良いなと思うことがよくありました。今回の出版はそういう意味では残念ですが、翻訳の命脈を田茂たことはよいことではないかと思っております。願わくばご奇特な出版社が矢野目源一「黄金仮面の王」を文庫本に収録してくれることを望んでおります。

出版社内容見本:マルセル・シュオッブ全集
http://www.kokusho.co.jp/special/2015/05/post-4.html

僕だけがいない街

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こんばんは、皆様、三頌亭アニメ館です。また久しぶりの更新となります。少し前にやっと連載が終わったのでまとめて読んだ三部けいさんの漫画が原作です。「ヤングエース」連載でした。連載終了に合わせてできたアニメですね。どこがどうというのではないのですが面白いです(笑)。タイムリープの能力を持った主人公が現在と過去のリンクした事件を解決するという設定です。ミステリーというよりはサスペンスの要素が強いような気がします。アニメ版はラスト2話分がオリジナルストーリーとなっているようですが、物語の最後は概ね変わりません。難を言えば漫画・アニメともに悪役の存在感が少しだけ薄いかもしれません。ここまで引っ張ったのだからという読者の無い物ねだりでしょうか?w。アニメのエピソードの中の文集で出てくる雛月加代の文章が良くできていて感心したので全文を挙げておきましょう(映像とは関係ないですが・・w)。

『 私だけがいない街  雛月加代
今よりもっと大きくなって、ひとりでどこでも行けるようになったら、
遠い国へ行ってみたい。遠い島に行ってみたい。
誰もいない島に行ってみたい。辛いことも悲しいこともない島に行ってみたい。
島には大人も子供もクラスメイトも先生もお母さんもいない。
その島で私は、登りたい時に木に登り、泳ぎたい時に海で泳ぎ、
眠りたい時に眠る。
その島で私は、私だけがいなくなった街のことを考える。
子供はいつものように学校に行く。大人はいつものように会社に行く。
お母さんはいつものようにごはんを食べる。
私は私だけがいない街のことを考えると気持ちが軽くなる。
遠く遠くへ行きたい。』

アンドレ・ド・ロルド 「ロルドの恐怖劇場」 (ちくま文庫)

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こんばんは,皆様,三頌亭です。今日は「テラーの大公」(Prince de la Terreur)といわれたアンドレ・ド・ロルドの短編集を紹介いたします。グラン・ギニョールというとスプラッタ―ムービーか見世物小屋的なイメージが強いのですが、この短編集に収められた作品はなかなかウィットに富んだものが多いです。残酷と言ってもいろんなタイプがあるなあと感心しきりでしたw。なかでも精神医学に題材を求めたものも多く、心理的なホラー小説と言ってもいいのかもしれません。比較的作品も短く読みやすいので、意外と楽しめるかもしれません。
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