こんばんは,皆様,三頌亭です。今日は荷風の評伝を1冊ご紹介いたします。三頌亭の書棚には岩波の荷風全集が3セットもあります。一時期熱心に読んだ作家で、三頌亭が全集を隅から隅まで読んだ数少ない作家です。よく読んだ作家なのですがお友達になりたくない作家の最右翼というのがこの作家なのであります(笑)。
この 小島政二郎「小説・永井荷風」はそのあたりのことをよく説明してくれる作品です。さまざまなエピソードを取り交ぜて荷風の全体像をよく伝えてくれますね。まあ読んでると荷風というのはとんでもない漁色家(死語w)でたんなる偏屈のエロ爺のように思えてくるから不思議です。偏奇館でエロ写真の撮影に一生懸命になってみたり、疎開先で覗きに励んでみたりとまあ面白い逸話満載ですw。(どうでもいいのですが、暗めのところを撮影するためにわざわざ当時としては大変高価だったローライ・コードを購入したり、現像技術まで習得したというのはいつも感心します)
ただの凡百な偏屈エロ爺さんと荷風を峻別するものは何でありましょうか?。それは類まれなる文才だと考えるのであります。よく思うのですが、いくら作家のプライベートな周辺状況を調べても作家の文才の説明はつかないのではないかと?。まあといったことをよく考えさせてくれる著作ではあります。また本作は荷風の評伝であるとともに作者本人の文学的自叙伝となっていることが大変優れていると三頌亭は思います。ご興味の方はご一読ください。ちくま文庫に収録されてます。
ところで芥川は荷風をほとんど認めてなかったというのを初めて知りました。そういえば彼の作品に荷風作品への言及はほとんどありませんね。
出版社内容紹介:
『「十のうち九までは礼讃の誠を連ねた中に、ホンの一つ、荷風文学の病弊と見た点を指摘したこと」で終生の恨みを招いた。芸術家が人情に興味を持ってはおしまいだ、「新橋夜話」「すみだ川」は生命の旋律が響いてこない。鴎外、芥川、佐藤春夫との付き合い、ゴシップ、エピソードなど文壇裏話を交えて、人間永井荷風を活写する。幻と言われた傑作作品の文庫化。』
この 小島政二郎「小説・永井荷風」はそのあたりのことをよく説明してくれる作品です。さまざまなエピソードを取り交ぜて荷風の全体像をよく伝えてくれますね。まあ読んでると荷風というのはとんでもない漁色家(死語w)でたんなる偏屈のエロ爺のように思えてくるから不思議です。偏奇館でエロ写真の撮影に一生懸命になってみたり、疎開先で覗きに励んでみたりとまあ面白い逸話満載ですw。(どうでもいいのですが、暗めのところを撮影するためにわざわざ当時としては大変高価だったローライ・コードを購入したり、現像技術まで習得したというのはいつも感心します)
ただの凡百な偏屈エロ爺さんと荷風を峻別するものは何でありましょうか?。それは類まれなる文才だと考えるのであります。よく思うのですが、いくら作家のプライベートな周辺状況を調べても作家の文才の説明はつかないのではないかと?。まあといったことをよく考えさせてくれる著作ではあります。また本作は荷風の評伝であるとともに作者本人の文学的自叙伝となっていることが大変優れていると三頌亭は思います。ご興味の方はご一読ください。ちくま文庫に収録されてます。
ところで芥川は荷風をほとんど認めてなかったというのを初めて知りました。そういえば彼の作品に荷風作品への言及はほとんどありませんね。
出版社内容紹介:
『「十のうち九までは礼讃の誠を連ねた中に、ホンの一つ、荷風文学の病弊と見た点を指摘したこと」で終生の恨みを招いた。芸術家が人情に興味を持ってはおしまいだ、「新橋夜話」「すみだ川」は生命の旋律が響いてこない。鴎外、芥川、佐藤春夫との付き合い、ゴシップ、エピソードなど文壇裏話を交えて、人間永井荷風を活写する。幻と言われた傑作作品の文庫化。』