2016年06月

ジョン・アーヴィング「ホテルニューハンプシャー」

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こんばんは,皆様,三頌亭です。ちょっと必要な本を探していたら出てきたので紹介いたします。「ホテルニューハンプシャー」・・・・映画の方が有名でしょうか?。村上春樹さんイチ押しといってもいいかもしれませんね(笑)。アメリカ的ナイーヴさと健全さの賜物と言ったらいいのでしょうか?。文学的興味と物語的面白さのバランスのよくとれた素晴らしい作品になっております。いかがでしょうか?

写真は一番初めの新潮社の邦訳版です。艶消しのカバーの懐かしい新潮社の海外文学傑作選です。思えばこのシリースで読んだ本の多くは記憶に残る作品が多かったように思います。鼓直氏翻訳の「百年の孤独」を読んだのもこのシリーズでした。

ウィリアム・H・ホジスン 「〈グレン・キャリグ号〉のボート 」

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こんばんは,皆様,三頌亭です。今日はホジスンの「ボーダーランド3部作」のうちにひとつ「〈グレン・キャリグ号〉のボート」を紹介いたします。だいぶ以前に5巻本の分厚い作品集をお見せしたことがあるかと思いますが、あの全集で「ボーダーランド3部作」の読んでいない「〈グレン・キャリグ号〉のボート」と「幽霊海賊」を読みました。最近になって翻訳がすべて出そろいましたのでここに紹介しておきます。アトリエサードの「ナイトランド叢書」に収録されております。荒俣宏氏翻訳の「異次元を覗く家」もこの叢書に再録されていてお読みでない方にはお勧めです。内容は三頌亭の好きなホジスン得意の海洋奇譚であって、珍しくサスペンスフルな作品です。

内容とはかかわりがありませんが本作の訳者・野村芳夫氏は荒俣宏氏の友人であり、以前紹介したケルーシュ「不死の怪物」の訳者であります。あとがきがなかなかよろしいです。「初心の翻訳」といいますか、そんなものを感じてしまう幸福な出版ではないでしょうか?。たった数ページのあとがきを読むとこれらの作品に夢中だった訳者の時代をほうふつとさせるところが素晴らしいです。

テキストとしての本・他(ワレリイ・ブリューソフ「南十字星共和国」)

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こんばんは,皆様,三頌亭です。以前から三頌亭が古書の世界に足を突っ込んできたのは多くの場合、読もうと思ってもテキストが自由に入手できないことが大きな要因でした。時代は変わって、版権の消滅した本については電子化されたファイルがすぐ手に入る環境となりました。もちろん「物としての本」の面白さがわからぬわけではございませんが、あんなに苦労して手に入れた本も今では読むだけならほとんどコストのかからない時代になってしまいました。

例えば、「岡本綺堂全集・242作品」や「泉鏡花全集・180作品」などとてもすぐには読み切れない量のテキストが100円、200円の世界です(笑)。中を見ると完全な全集からはまだいろいろ足りないところもあるのですが、いずれはこういったものでほとんどまかなわれるときがやってくるのでしょう。やや複雑な思いもしなくはない三頌亭です。
しかし、実を言いますと英文のほうさすがにkinndle買ってしまおうかと思いました。怪奇小説専門のマイナー出版社(ash-tree)の絶版書がどんどんkindleのファイルになっていて、読むだけでもいいかとおもわせてくれます。さて、みなさんはいかがでしょう「物としての本」にいかほどの愛着がございますでしょうか?
https://www.amazon.co.jp/s/ref=sr_pg_1?rh=n%3A52033011%2Ck%3Aash-tree+horror&keywords=ash-tree+horror&ie=UTF8&qid=1466064632

ところで、いろいろみておりましたら、今まで紹介した本やら紹介し忘れていた本がみつかりました。白水Uブックスですが、程よく版切れした本を集めて行っております。そのなかからブリューソフ「南十字星共和国」です。ロシア帝政末期の象徴派詩人ブリューソフの描く寓話。独特の終末観に彩られた物語はいまでも十分一読に値する作品だと三頌亭は思っております。ひさびさの復刊ですのでご興味の向きにはいかがでしょう。そのほか最近のタイトルから面白そうなのを3作品ほど選んでみました。どれも過去出版されて長らく再版されなかったものばかりです。

「南十字星共和国」:出版社・内容紹介
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b219952.html
因みにこの作品は戦前、新青年で翻訳が掲載されたことがあります

英訳本・スキャンデータ(pdfなどでダウンロード可)
https://archive.org/details/republicofsouthe00bryuiala

レオ・ペルッツ「第三の魔弾」
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b205647.html

アルフレート・クビーン「裏面」
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b205644.html

フラン・オブライエン「第三の警官」
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b205634.html
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