2015年11月

松本清張「かげろう絵図」&森銑三, 柴田宵曲「書物」

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こんばんは,皆様,三頌亭です。最近、めっきりアップして放置が多くなって申し訳ないです。最近読んだ2冊を紹介いたしましょう。まず1冊目は松本清張「かげろう絵図」ですが、長い間敬遠して読んでなかった本です。大奥ものの嚆矢であります。書かれたのは昭和30年代で、ミステリー方面では「点と線」が書かれたころといえば大体の年代がわかっていただけるでしょう。実は「時代物」なんで「乗り気がしないなー(笑)」と思って何十年、やっと読みました。これが意外にスルスル読めて、大変面白い読み物でした(30年の呪縛から解放された瞬間ww)。やっぱり乗ってた頃って何書いても凄いです。程よくミステリーの手法がブレンドされていてこれがまた頁を繰らせる大きな要因になっております。現在、続編?の「天保図録」を読書中です。

次は合間に読んでいる森銑三, 柴田宵曲「書物」です。出版や書物に関するエッセイなのですが、さすがに書きっぷりが素晴らしいです。今も昔も出版の抱える問題はそう変わらないということがよくわかります。中央公論版の森銑三著作集を買おうかとよく思うのですが、もう置くところがないのでいつも我慢してます(笑)。

秦新二「文政十一年のスパイ合戦」他

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こんばんは,皆様,三頌亭です。最近読んだ本をいくつか並べてみました。それではかんそうをひとつずついってみましょう。秦新二「文政十一年のスパイ合戦」からです。本職は翻訳家の方の本です。シーボルトの資料をもとめて世界中を駆け巡るさまがすごいですw。シーボルト事件に関して海外の資料と突き合わせる作業は今まであんまりやられてなかったのかもしれません。この作業の途中の新発見をネタにしたノンフィクション+ミステリーです。まあ「ケプラーの夢」みたいな創作物です。三頌亭はこの手の読み物は好物なのですが皆様はいかがでしょう。ひっそりと推理作家協会賞受賞作でした(笑)。

次は佐藤春夫のアンソロジー「たそがれの人間」です。佐藤春夫いつか全集を読んでみたいと思ってる人です。怪異小品集と銘打っておりますが、実際のところ実話怪談系のお話よりも鏡花の原稿に取材した「旧稿異聞」、鴎外愛用の陶印にまつわる「永く相おもふ」のおうが三頌亭には興味深かったです。

3冊目はヒッチコックマガジンなんかにショートショートを連載していた人の作品集。残念なことにこの人の長編を読んだことがありません。文学系の著作がたしか6冊程度あったように思うのですが・・・また暇なときに探して読んでみようかと思っています。いかにも気のきいた不思議なショートショートの作品集でした。
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