2015年03月

大河内常平「九十九本の妖刀 (ミステリ珍本全集07)」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。最近唯一楽しみにしているシリーズの新刊です。ミステリ珍本全集の第7巻、大河内常平「九十九本の妖刀」です。かなり前、ビデオソフトが出始めのころだと思うのですが、この作品を映画化した新東宝の「九十九本目の生娘」というのを見ました。まあ結構なトンデモ作品でしたが記憶には残っております(笑)。

ところで今回の大河内常平作品集ですが、下記の如く長編の「九十九本の妖刀」と「餓鬼の館」に加えて単行本未収録短篇集となっております。

PART 1 九十九本の妖刀
安房国住広正
PART 2 餓鬼の館
PART 3 単行本未収録短篇集
妖刀記、刀匠、刀匠忠俊の死、不吉な刀、死斑の剣、妖刀流転、なまずの肌

長編の「九十九本の妖刀」と「餓鬼の館」はどちらも日本刀に題材を得た伝奇小説となっておりますが、最もよく似た作品はというと橘外男の「青白き裸女群像」でありましょう。ただ橘外男の作品とは異なり、1本の日本刀から物語は展開していって驚愕(笑)の結末となります。やや荒唐無稽なB級・伝奇ロマンの読みたい方にはうってつけの作品でしょう。

大河内常平と言う名前を初めて意識したのは桃源社の小栗虫太郎・作品集の解説だったと思います。また、探偵小説専門誌の「幻影城」にもいくつかの作品が再録されていてそれを読んだ記憶もありました。1980年代前後あたり、古書店には結構旧作の単行本が廉価に入手できたのでその時代によく読んだ方もいらっしゃるのではないかと思います。

イーデン・フィルポッツ「だれがコマドリを殺したのか? 」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。最近買った本の中から紹介いたしましょう。ハリントン・ヘキスト名義(イーデン・フィルポッツ)の「だれがコマドリを殺したのか? 」です。ながらく絶版になっていたタイトルの新訳です。かなり以前から旧訳を入手して読もうと思っていたのですが、買いそびれてしまってそのままになってしまった作品ですね(笑)。

この人の作品は犯人像が特殊でして・・・ミステリとして読むとちょっとどうかと思う内容なのですが、犯人像のパンチの強さに感心してしまいます(笑)。「赤毛のレドメイン」などに比べると最後の独白を欠く作品なのでもう一つ説得性がないのですが、それでもまずまずの面白さでした。フィルポッツ名義の「医者よ自分を癒せ」なんかも個人的には同系統の好きな作品です。この人の翻訳で後読んでないものは「テンプラー家の惨劇」を残すのみとなってしまいました。

追記:金子国義氏が亡くなったそうです。謹んでご冥福をお祈りします。私どもの時代のスノッブ向けアイドルがもう一人もいなくなってしまいました。大変さびしいことです
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