2015年01月

パンツァーリートと艦隊これくしょん

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こんばんは、皆様、三頌亭アニメ館です。今日は写真の2作品ですね。いや~、ここだけのお話、ひところ前なら放映できなかったんじゃないかと思いまして・・・(笑)。まあそんなことはどうでもよろしいんですが、映画「バルジ大作戦」のテーマソングとして私の記憶の中にあった曲です。サウンドトラックでは「タンクメンの歌」という題になってたと思います。今のようにすぐいろんなことが調べられるわけではなかったので、この曲が「パンツァーリート」という古い軍歌だということ知ったのはだいぶ後になってからです。
Girls und Panzer - Panzerlied (Soundtrack)
https://www.youtube.com/watch?v=fSnTaRHYpyA
ところで写真のアニメ「ガールズ&パンツァー」ですがディテールがよく作ってあるというか、感心しきりです(笑)。スロートマイクを使ってるのをちゃんと描いてるのは驚きです(双眼鏡もおおよそツアィスの形してます)。これに比べればディテールはいまいちかもしれませんが、ぶっ飛び具合が素晴らしい現在放映中のアニメの「艦隊これくしょん」です。なんかもう一つ足りないような気もしますがw・・・同じカテゴリーのアニメということで期待してます。

「ビブリア古書堂の事件手帖 5 栞子さんと繋がりの時」&「ビブリア古書堂の事件手帖 6 栞子さんと巡るさだめ」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は新刊も含めて勢いよく2冊読んでみました。「ビブリア古書堂の事件手帖」でございます。作者の仕込んだ人間関係の伏線が大変面白く物語の盛り上がりを助けています。また太宰治に関して第6巻丸々1巻を費やし、作品に仕上げています。これがなかなか圧巻でございますね(笑)。私も古書趣味は長いのですが、やや太宰は苦手だった時期がありまして、この方面常識程度にしか知らなかったのがかえってよかったかと思います。フィクションと本当の継ぎ目が分かりにくいさもありなんという作品になってます。

ところで栞子さんの母親の智恵子さん、よりリアリティがなくなって最高です(笑)。このあたりは少しライトノベル感覚(悪い意味ではありません)で新機軸というか、最近風の面白さだと思います。もっとも栞子さんのキャラクター自体リアリティの薄いものなのでこの2人の登場人物が物語のキモではないでしょうか?。と好き勝手なことを書いていまいましたが、フィニッシュに向けて快調な走りっぷりでお薦めの本であります。因みに5巻の最後の方ではミステリーとしてちょっとしたサプライズが用意されています。

追記:太宰治の初版本は日本近代文学会より複製本が出版されております。ご興味の方はどうぞ。


出版社内容紹介
5巻 栞子さんと繋がりの時
『静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは―今はただ待ってほしい、だった。ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然―彼女は母を待っていたのか?すべての答えの出る時が迫っていた。』
6巻 栞子さんと巡るさだめ
『太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?』

今野浩「ヒラノ教授の線形計画法物語」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。久しぶりにこちらのフォルダの更新です。もうかなり以前のことですが、何か役に立つこともあるかもしれないと思い、線形計画法を少しかじったことがあります。そのころは貧相なコンピューター事情だったので、実際運用するにはとても個人のPCなどでは実際の問題に当てはめるのは無理なんじゃないかと思っておりました。ちょっとした非線形の最小自乗法をやるのに数時間もかかることもざらでしたから(笑)。

というわけで最近の線形計画法の簡単な通史めいたものをたまたま読んでみました。解説やコラムはわかりやすくて線形計画法の大筋や目的は理解できるようになっています。それより面白いのは固い専門書でのみ知っていた人物のひととなりと研究者としてのあり方がざまざまなエピソードを交えて語られる部分です。特にフォン・ノイマンの逸話が面白かったです。まあしかし、コンピューターは変わっても人間は大して変っていないものだということを実感できる好著だと思いますね。いかがでしょう?


出版社紹介
『いま手元には千円しかないが,食事もしたいし,これから会うことにしている彼女へのプレゼントも買いたい.できれば,お腹の満腹感も彼女の満足感も最大にしたい.どうしたらいいだろう――かなりおおざっぱな話ではあるが,線形計画問題とは,このような制約条件のある連立不等式を解く問題.これを解く方法が線形計画法である.

 半導体の回路設計や大量の材料を使う工業生産になると,その解法には膨大な時間がかかる.よくコンピュータが高性能かつダウンサイズできるようになって,計算が短縮されたといわれる.しかし,意外にも計算機の高性能化より,線形計画法のアルゴリズムの改良のほうが,巨大化した現在の線形計画問題の解決には貢献が大きいのである.

 そんな計算法がどのように改良されてきたのかを,波乱に満ちた著者の実体験にもとづいて語ったのが本書である.主要な問題解法の要点が手に取るようにわかり,かつそれらの開発に生涯をかけた天才,俊才,秀才,奇才の人間模様も赤裸々に知ることができる.また,何よりも,著者が接した学者・研究者へのオマージュともいうべき文章が読ませる.

 著者の今野浩氏は,新潮社や青土社から「工学部ヒラノ教授」の名を冠した本を何冊も刊行している.いずれも好評である.工学部をはじめとした大学の実像を描いた本として,いまや「ヒラノ教授」の名は,知る人ぞ知る教授名となっているという噂である.』

笠井潔「哲学者の密室」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日の本は写真の通りです。「えっ、読んでなかったの?」という方もおられることでしょう(笑)。笠井潔といえば伝奇小説の「ヴァンパイヤー戦争」のほうが印象に残っているという世代ですので、とにかくこの分厚い本に手が出なかったのはそれが理由かと思います。

ところで上下2段組みで700頁強、文庫本にして1000頁を越えようかという大作ですが、名探偵カケル君が登場するまでに大分頁数があり、これでかなりの人が読む勢いをなくしてしまいそうなのですが、ここを過ぎると戦時中の因縁話になってきて面白くなってきます。ハイデカーをモデルにしたと思しき斯界の大物哲学者を狂言回しにストーリーは進みます。相変わらず哲学話の横道が多くて辟易するところもあるのですが、リズムに乗ってしまえば何とかなります(笑)。時を隔てて再現された3重密室にたいして、さまざまな仮説が出ては反駁されていく様はなかなかの圧巻であります。また、頁数のある分、人物の描写は丁寧で、よく言えばコリンズの「月長石」みたいな感じになっております。悠揚たる読書をお望みの諸氏にお薦めのミステリーであります。

内容紹介
「開口部を完璧に閉ざされたダッソー家で、厳重に施錠され、監視下にあった部屋で滞在客の死体が発見される。現場に遺されていたナチス親衛隊の短剣と死体の謎を追ううちに30年前の三重密室殺人事件が浮かび上がる。現象学的本質直感によって密室ばかりか、その背後の「死の哲学」の謎をも解き明かしていく矢吹駆。20世紀最高のミステリを1100ページ超の全1冊で贈る!」

藤村正太探偵小説選(1)(2) (論創ミステリ叢書)

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皆様、あけましておめでとうございます。今年も去年同様よろしくお願い申し上げます。というわけで本年も緩いピッチでしか更新はできませんが、ご興味が向きましたら幸いでございます。

去年の年末買った「藤村正太探偵小説選(1)(2)」でありますが、やっぱり値段が・・・高いです(笑)。藤村正太といえば「孤独なアスファルト」を以前紹介いたしました。で他の作品を読もうとするとほとんど出てるものが現在ではありません。本人曰く、代表作は「コンピューター殺人事件」で好きな作品は「原爆不発弾」だそうであります。この2作ではコンピューターの事情があまりに違う70年代に書かれた「コンピューター殺人事件」より「原爆不発弾」を推薦しておきます。カッパブックスですが今でも時々見かけます。

ところで今回の傑作選は「孤独なアスファルト」以前の川島郁夫名義で発表した作品の集成です。2巻を通読しての感想ですが、「接吻物語」や「真知子」といった軽いテーマのものが非常に気が効いていて面白かったです。当時の発表誌の枚数制限もあって本格ものが詰め込んだプロットを流し書きしたような印象受けるのが残念です。なかには非常に面白いアイデアもあって中篇か長編ならもっといい作品になったであろう点がたいへんおしい部分でした。戦後の探偵小説に興味のある方は一読するのも悪くはないと思われます。

出版社紹介
『1巻内容:黄色の輪 接吻物語 盛装 虚粧 或る自白 謎のヘヤーピン 田茂井先生老いにけり 筈見敏子殺害事件 液体癌の戦慄 暴力 断層 その前夜 法律 武蔵野病棟記 或る特攻隊員 暗中摸索 略歴 通信 周辺点綴 参劃の探偵小説 アンケート
2巻内容:原爆の歌姫 暁の決闘 真知子 契約愛人 残雪 兜町狂燥曲 原子病の妻 蛇崩れ墓地 肌冷たき妻 消えた金厨子 妻恋岬の密室事件 消えた百面相 泥棒と老嬢 チャルシャフの女 白い鯛 エミネとの奇妙な恋 乳房に猫はなぜ眠る 銀色の薔薇 月蝕の夜 美貌の母 仮面の貞操 義姉の手袋 サファイアの女靴 妖精は黒マスクで待っている 吉例お好み年頭所感 1 自主性ある支部組織の確立を 通信 2 吉例お好み年頭所感 2 通信 3 “宝石”誌、新編集就いて』
藤村正太が江戸川乱歩賞受賞以前に川島郁夫名義で発表したトリッキーな秀作群を集成。
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