2014年11月

ヘレン・マクロイ「逃げる幻」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日はヘレン・マクロイの新しい翻訳を紹介いたします。思えばブログではじめて「暗い鏡の中に」を紹介したのは8年近く前のお話です。その時はマクロイの作品のほとんどか新刊では読めない状態でした。現在はその著作のうちに半分とまでは言いませんが、かなりの量が日本語で読めることとなり、大変うれしいことです。

さて今回の「逃げる幻」ですが、戦後すぐに発表された作品でナチズムを事件のキイワードしているあたり時代を感じさせてくれます。アルフレート・ローゼンベルグのようなナチのイデオローグとなった哲学者をめぐって起こる殺人事件が本作のテーマです。マクロイはヒトラーユーゲントをモデルにしたのかもしれませんが、そのような時代背景あっての殺人事件の描写がが面白いです。今まで紹介されたマクロイ作品のなかでは佳作といったところの三頌亭の評価です(笑)。

大佛次郎「宗方姉妹」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は大佛次郎「宗方姉妹」を紹介いたしましょう。どちらかというと小津安二郎監督の映画の方が有名でしょうか?。原作の方は現在絶版でした(笑)。戦後すぐくらいに発表された大佛次郎版の「斜陽」と言った感じの作品です。作品中、レニエの「生きている過去」という作品があったというくだりがあって、なにやら結末を案じさせられたことをよく記憶しています。

ところで未知谷の大佛次郎コレクションが第3期配本を終えまして、古書で入手しやすくなりました。大佛次郎の現代小説は折に触れて集め読んできたのですが、まだ読んでいない本も数多く入っているので読むのを楽しみにしています。因みに写真下は朝日新聞社版自選作品集・月報によせられた池波正太郎の文章です。三頌亭も大好きな「霧笛」や「夜の真珠」について言及していて感慨深いものがありました。

G・D・H&M・コール{百万長者の死」など

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こんばんは、皆様、三頌亭です。以前一度出しましたが、改めて・・・(笑)。大変恐縮なのですが、あまり面白くない作品かもしれません。ただ、ロラックやアリンガムなどの翻訳も出だしていますので、割合作品数の多い著者でその中にはいいものがあるのではないかと、ご奇特な出版社を期待しております。コール夫妻の他の翻訳はあと「謎の兇器」くらいでかなり前に出版されてます。因みに三頌亭はテキストは所持していますが、長らく未読です(笑)。

ところで、余談ですが写真のミルン「赤い館の秘密」について私見をひとこと。実はこの作品、推理小説好きのお父さんのために書かれたミルンのプレゼントです。公刊本でありながら、読者はお父さんひとりなんですね。だから分りやすく言うと他の人はお呼びじゃないんです。お父さんのためにミルンがなれない手で作った素人料理というのがこの作品の性格なので、出来がどうのと他の人が言ってもせんのないところがあると三頌亭は思ってます(笑)。

余談ついでによく古典作であげられるフィルポッツ「赤毛のレドメイン」について。現代的なミステリーとしての魅力は最後に語られる「悪の哲学」とも言うべき犯人の独白にあると三頌亭は思います。犯人の独白の強烈さにおいて類似の作品はまれで「飢餓海峡」の犯人像くらいでしょうか?。作品の性格はクライムノベルでございます。最近では湊かなえさんの「告白」があります。よくできた作品なのですが動機をわかりやすく復讐としてしまったため、犯人像のスケールがやや小さいものになってしまったきらいがあります。

クリスチアナ・ブランド「切られた首」

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こんにちは、皆様、三頌亭です。新刊案内を見てますとブランドの「ジェゼベルの死」が復刊になることが載っていました。長い間品切れ状態だったので読みたかった方には朗報でしょう。ブランドの長編はそのキャリアの割にはたくさんありませんので出版としてはやや日陰の存在だったのかもしれません。ハヤカワが翻訳権を持っているようなのできれば文庫で維持してほしいものであります。

記事の「切られた首」はこれも文庫になってないコックリル警部もの。コックリル警部初登場の巻ということですが、やや影が薄いのが残念です(笑)。後の傑作を予感させる作風の萌芽はすでに出ているのでそのあたりをおお楽しみいただければと思います。仕掛けが「綱渡り」(笑)で、ややバカミス系のところもありますが、ミステリとしての感じは悪くないです。

ブランドの長編を読んだのはもうだいぶ昔になってしまいましたが、「緑は危険」「自宅にて急逝」「ジェゼベルの死」「はなれわざ」あたりが代表作なのかなと最近になって思います。比較的、ブランドのミステリ長編作品にはずれは少ないです。

「寄生獣」&「失われた未来を求めて」

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こんばんは、皆様、三頌亭アニメ館です。岩明均原作による「寄生獣」がアニメ化されているので最近見てます。原作漫画の方はもうかれこれ20年近く前の作品になりますが、名作です。視覚的効果などは現在のアニメーション技術で以て素晴らしく優れてまとめられていますが、まとまったストーリーですので最後まで行くのでしょうか?。楽しみな作品です。
次はアドベンチャーゲームのアニメ化作品「失われた未来を求めて」。ループ世界を描く作品ですが、仕掛けがやや初めから透けて見えているのが残念ですが好きな作品です。12話完結と言ったところでしょうか?。基本的には「バディコンプレックス」などと同類の作品ではないかと思ってます。
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