2014年06月

リチャード・マーシュ「仮面」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は新刊です。「ゴーメンガースト」に挟まっていた予告を見たら載っていたのででないうちにと思っていたのですが、土曜日に書店へ寄ったらすでに出てましたので少しカンニングしてきました(笑)。
怪奇文学大山脈〈I〉 西洋近代名作選 19世紀再興篇 - 荒俣宏 編
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010201
英米独仏露といろんな言語圏から選ばれたアンソロジーですが、従来のものとは収録内容が異なりユニークです。とりあえず、予告にあった2編を先にウェブで読んでみました。
Richard Marsh「The mask」(仮面)
http://frankzumbach.wordpress.com/2013/12/13/richard-marsh-the-mask-1/
まずは、あまり知られない世紀末の大衆作家・リチャード・マーシュの短編です。これ戦前に翻訳「不思議な女」があるのですね・・・単純にこのことに驚きました(笑)。ミステリ趣向の怪奇小説ですが、このタイプのものの嚆矢ではないでしょうか?あんまり説明しているとネタばれしそうなんでこのくらいにしておきますが・・・。テーマは極めて現代的です。
Clemence Housman「The Were-Wolf」(人狼)
http://www.gutenberg.org/files/13131/13131-h/13131-h.htm
狼男ならぬ狼女をテーマにした中篇怪奇小説。最近別の出版社でも翻訳が出ましたのでお読みの方もあるかもしれません。非常に寓話的でいろんな解釈が考えられると思います。ラストなんかもかなりお座なりなのですが、不思議に魅かれる作品です。女流作家クレメンス・ハウスマンの作品ですが、挿絵は有名なローレンス・ハウスマンで姉弟の合作本となっております。

因みに解説が大変力作で肖像写真を含め、それぞれの作家の大変よくできた読書案内となっております。大変古い日本の翻訳も丁寧に調べられておりましてびっくりいたしました(笑)。この方面にご興味の方はぜひ一読をお勧めいたします。

マーヴィン・ピーク&メーヴ・ギルモア「タイタス・アウェイクス・ゴーメンガースト IV」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は新刊本です。どうでもいいのですが、文庫本が高くなって手を出しにくいとすら感じるのは、私の頭が古いせいでしょうか?(笑)。ところでピークの「タイタス・アウェイクス」です。「ゴーメンガースト」3部作をお読みにない方はまずそちらをお読みになっていただくのがよろしいかと思います。イギリスのダークファンタジーの雄、マーヴィン・ピークの「ゴーメンガースト」3部作については以前記事にしたことがあると記憶しております。実はその「ゴーメンガースト」には第4部が用意されるはずでありましたが、ピークの死によって未完の作品となりました。残された草稿をもとに画家兼文筆家の奥様のメーヴ・ギルモアがそれを補筆したものが、今回の「タイタス・アウェイクス」です。「ゴーメンガースト」をお読みでマーヴィン・ピークに興味がおありの方は手に取ってみるのもよろしいかと思います。

余談ですが、「ゴーメンガースト」というと本当に昔に読んだのですが、テキスト入手の苦労話や暑い下宿で辞書ひきながら読んだことばかりが思い出される今日この頃です。その堅牢無比な物語世界よりも更級日記の源氏物語の箱入りよろしく手に入った時の喜びの方に鮮烈な記憶があるのにも困ったものです(笑)。


出版社・内容紹介
「●荒俣宏氏推薦──「タイタスは目覚め、探索の終結をめざし城の外へ出る。この不滅の物語自体が、作者ピークの死を越えて、最愛の妻に完成を命じたのか!」
〈ゴーメンガースト〉はもともと三部作として構想されたものではなかった。著者ピークは第四部を構想し、アイディアの断片を遺していたのだ。夫亡きあと、夫人がそれをもとに書き上げたのが本書。故郷を離れたタイタスは、さらに彷徨を重ねる。奇矯な人々に出会い、様々な出来事に遭遇するも、何処にも安住の地を見いだせず終わりなき探索を続けるタイタス。文豪ディケンズにたとえられる、幻想文学の最高峰シリーズ幻の最終刊刊行。解説=金原瑞人」

武満徹『波の盆』

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こんばんは、皆様、三頌亭です。このフォルダ久しぶりの更新ですね。多分レコードがどこかにあるのですが、整理が悪いためでてきません。武満徹の『波の盆』です。日テレのドラマに使われたものらしいのですが、ドラマのほうはテレビのない生活をしていたころなので見ておりません(笑)。メロディメーカー・武満徹の面目躍如たるものがありますね。おそらく長い間廃盤になっていたのだろうと思いますが、御奇特な人がyoutubeアップしてくれていました。
http://www.youtube.com/watch?v=OlMOedlchMc

怪傑蒸気探偵団&さんかれあ

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こんばんは、皆様、三頌亭アニメ館です。お久しぶりでしょうか?、このフォルダも。実は見たものも大分たまっているのですが、これという話題もうまくだせないので更新していませんでした。

さて、ところで麻宮騎亜『快傑蒸気探偵団』です。漫画の方は読んだことがあるのですが、アニメの方は見たことがありませんでした。もう20年近く前の作品です。麻宮騎亜といえばアニメの方では「機動戦艦ナデシコ」あたりのほうがよく知られていますね・・・。『快傑蒸気探偵団』はもともとアニメーターが本職の方の作品なので、「コナン」や「金田一」に比べて活劇の要素が強く、アニメ化には適した原作漫画だったと記憶しています。そのためアニメの方がより画面に動きがでて違和感のない作品となっています。ただ欲を言えば今のアニメ技術で作りなおしていただくとよりいいものになるような気もします。

次は「さんかれあ」ですが、ゾンビ・コメディ・・です(笑)。このタイプのものとしては「屍姫」が先例としてありますが、あれよりずっとコメディ寄りでヒロインの父親の変態ぶり(笑)が素晴らしいです。テーマとしては難病モノの変形という感じで悪くない作品なのですが、人気が出なかったのか途中で切れたような最終回なのが惜しまれます。

パトリック・クェンティン「女郎蜘蛛」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。また時間があいてしまってもうしわけありません。一応本屋さんへ久しぶりに行ってきたので最近の新刊文庫本から紹介いたします。内容などについては出版社の紹介をご覧ください。

まずは以前紹介したパトQの「女郎蜘蛛」です。めでたく新訳で再版になりました。ざっと読んでみたのですが、読みやすい翻訳でグッドでございます(笑)。探偵小説ともサスペンス小説とも少し違うのですが、不思議に面白いパトQの異色作品です。こうやって絶版や品切れなどで忘れられた作品を今まで紹介してきましたが、再版になってないものももう残り少なくなってしまいましたね。ブログの話題の品切れも近いようです(笑)。
http://blogs.yahoo.co.jp/kms130/57686114.html

次は西條八十「訳詩集 白孔雀」です。岩波文庫から。すでに国書刊行会から曲がりなりにも全集が出ておりますので、西條八十についてもっと読みたいという方はそちらをご検討ください。「白孔雀」は近代文学の訳詩集としては有名なもので西條八十の詩人としての特質をよく表しているものであります。個人的にはポーの「大鴉」などを日夏耿之介訳のものと比べたりするのが面白かったです。此処だけのお話ですが名訳として知られる日夏耿之介訳の「大鴉」・・・あんまりいいとは思わないのです・・個性的な翻訳だとは思いますが・・・(笑)。




内容紹介
パトリック・クェンティン「女郎蜘蛛」
「演劇プロデューサーのピーター・ダルースは、妻アイリスが母親の静養に付き添ってジャマイカへ発った留守中、作家志望の娘ナニーと知り合った。ナニーのつましい生活に同情したピーターは、自分のアパートメントは日中誰もいないからそこで執筆すればいいと言って鍵を貸す。数週経ち空港へアイリスを迎えに行って帰宅すると、あろうことか寝室にナニーの遺体が! 身に覚えのない浮気者の烙印を押され肩身の狭い思いをするピーターは、その後判明した事実に追い討ちをかけられ、汚名をそそぐべくナニーの身辺を調べはじめるが……。サスペンスと謎解きの妙にうなる掛け値なしの傑作。60周年記念新訳。解説=川出正樹」

西條八十「訳詩集 白孔雀」
「1920(大正9)年に刊行された西條八十の訳詩集『白孔雀』は,収録されている詩人もヴァラエティに富み,1905(明治38)年に刊行された上田敏(1874-1916)の『海潮音』や1913(大正2)年に刊行された永井荷風(1879-1959)の『珊瑚集』などと並んで,個人による翻訳詩のアンソロジーとしてはかなり早い時期に刊行されている.日本近代文学史における翻訳詩の果たした役割を考えるうえでも重要であり,自らが詩人であった人の訳詩集であることも価値と意味を持つ.西條八十の訳詩の魅力と特徴をより十全に伝えるべく,『白孔雀』以外からも佳篇と思われるものを選んで収録した.とりわけ子供向けの詩の翻訳には口調のよいものが多く,西條八十の本領が発揮されていると考え,それらを中心に採ることとした.これらの訳詩を読むことで,西條八十自身の創作物への理解も深まるであろう」
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