2013年06月

「進撃の巨人」&「宇宙戦艦ヤマト2199」

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こんばんは、皆様、三頌亭アニメ館です。お久しぶりです。見たものはたくさんあるのですが、記事にしようかと思うものは意外と少なかったりしてます(笑)。累計2000万部を突破で人気も上々、諫山創原作の「進撃の巨人」です(笑)。アニメ化されて人気の方も加速したようですな。基本的なストーリーの骨格はロメロの「ゾンビ」漫画で言えば小室孝太郎の「ワースト」といったところ。作者は「マブラヴ オルタネイティヴ」の影響も隠してはないようですが、真に原型を求めるなら上記の2作品だと思います。でどこがというとやはりディテールの勝利と言って間違いはないです。こういう作品を見ていますと、娯楽作品に限っては「活字メディアってなんだろう?」と最近の存在意義を嘆かざるを得ない三頌亭です(笑)。

さてつぎは「宇宙戦艦ヤマト2199」です。大体2番煎じというのはどうやってもオリジナルより落ちるのが運命でそれを跳ね返すには普通の方法では無理なのだと思ってきました(笑)。しかしその中では出色の出来がこの作品です。オリジナルエピソードもなかなか決まって、すこしちゃちなCGを除けばひょっとするとオリジナルをしのぐのかと思わせてくれる珍しい作品となっております。もちろんオリジナルのファンにもお勧めです(笑)。

コリン・ウィルソン「ロイガーの復活」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日はコリン・ウィルソンの創作の方を紹介しておきます。因みに今絶版です(すいません)。かっての知的スノッブ達のアイドル・・・コリン・ウィルソンの異色の文芸評論「夢見る力-文学と想像力」を以前紹介したと思います。そのなかでラヴクラフトをとりあげているのが気に触ったオーガスト・ダレスに「そんなにえらそ~にいうんなら御大ばりの小説かいてみろ!」と言われたかどうかは知りませんが(笑)、それに答えて書かれた小説が「精神寄生体」です。そして、その後書かれたクトゥルー神話ものが「賢者の石」と「ロイガーの復活」でした。この2作品まあなんというかストイックというか一種哲学小説めいたところがあって渋いですねえ~(笑)。他のクトゥルー神話作品比べたらエンターテイメント小説ではないような感すらあります。特に「賢者の石」は一種めまいのするようなヴィジョンが感じられていかにもコリン・ウィルソンらしい作品になっています。いかがでしょう皆様?

サックス・ローマー「骨董屋探偵の事件簿」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。引き続き最近の本から紹介いたします。珍しくサックス・ローマーの翻訳が最近相次いで出ています。どちらかというと「新青年」とかあのあたりの時代のイメージが強い作家なのですが、あまり読んでいないものですから買ってみました。ハヤカワPBから「怪人フー・マンチュー」も出ていますが、こちらは映画のイメージが強いでしょうか?。映画と言えばラングの「ドクトル・マブゼ」の原作が翻訳になっていてちょっと読みたいと思ってます。さて、サックス・ローマー「骨董屋探偵の事件簿」なんですが、今で言うサイコメトラーものと言って良いでしょうか?。その割にはミステリー的な興味も少しは満足できるというちょっと変わった作品集になってます。

次は古い翻訳の復刻です。ソログープ「かくれんぼ・毒の園 他五篇 」ですが、なんと昇曙夢の翻訳が入ってます。「毒の園」はホーソーンの「ラパチーニの娘」と並んで大変有名なファンタジー?ですね。最近よく思うのですが、やっぱり同時代の優れた翻訳にはかなわないなあ・・・とですね(笑)。神西清じゃないですが、原作自体は古いんですよ。新訳でましたっていってもあくまでも現代の人に読みやすくというような性格があるわけで、いくらがんばってもなんか感じが出ないというかそんな感じです。現代の文章が文藻や語彙の点で退化の極みだとかえらそうなことをいうわけではありませんが(笑)。そういえば村上春樹氏のチャンドラーの新訳なんかも同じイメージを持ってます。原作にも忠実ですし、村上氏が翻訳家として清水俊二氏より優れてないということではないのです。でも清水俊二氏の旧訳の方が感じが出てますよね。最近出た翻訳の中ではこの前紹介した「ドラキュラ」も完訳版が出てます。お勉強にはなるのですが・・・平井訳とどちらがと言われると結果はチャンドラーと同じです。・・・とソログープの紹介じゃなくなってますが、ロシア象徴派の作品紹介は少ないのでぜひどうぞ(笑。)

藤本泉「オーロラの殺意」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日はまた古い本から紹介いたしましょう。ぼつぼつ紹介してきた藤本泉作品、もうそろそろ終わりになってきましたでしょうか?。ハヤカワJAに収められていた1冊「オーロラの殺意」です。初期の作品ですね。あらすじ等は写真を見ていただくとして、一見、スパイ小説かと思われそうですが、実は書きたかったのは主人公とロシアの少数民族とのつながりじゃなかったかと思ってしまった作品でした。「エゾ共和国五部作」といわれる連作長編への傾向がすでに見てとれる初期作品です。いかがでしょうか?

さて、紹介するものがなくなりつつある今日この頃ですが、まだコメントしてない作家の一人がおりました。ブラム・ストーカーです。皆様はあの「ドラキュラ」をお読みになったことがありますでしょうか?。どうしても映画のイメージが先行してしまっているのが少し残念ですが、あの作品、大衆小説の傑作です。どちらかというと冒険アクション小説と言ってもいい内容です。

以前から思っていたのですが、ホラー作家でいえばキングあたりに近く、その祖先と言ってもいいのではないかと・・・。優れた大衆小説作家に共通な読みやすく、説得力のある強い文章というのを感じて、「やっぱり本物です!」と再認識したのが写真のペーパーバック「ドラキュラの客」でした。国書刊行会の翻訳もありますが、これはボーナストラック4本付きの作品集です。読むスピードが上がるというか、不思議なことに次の文章はこれしかないだろうというのが辞書ひかなくてもよくわかります(笑)。案外、サスペンス小説の優れた書き手ではなかったかと思った次第でした。因みに激安PBなので興味のおありの方は是非どうぞ。

皆川博子コレクション2「夏至祭の果て」&大坪砂男全集3「私刑」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。また、アップしてから少し間が空きましたね。もうしわけございません。最近買った2冊ですが、いずれも一度紹介したものの続巻です。

まずは配本中の皆川博子コレクション2「夏至祭の果て」です。じつはこの「夏至祭の果て」という作品今まで読んだことがなかったものです。ジュブナイル版の「海と十字架」の方は以前読んだことがあったのですが、これを一般向きにした直木賞応募作品ということで少し楽しみにしていました。いやいや、渋い作品です(笑)。キリシタンものということで少し敬遠していたのですが、読んでよかったです。こんな作品今書く人はいないでしょう(笑)。読みごたえは十分な力作で皆川作品中の代表作だと思いました。

次はこれも創元推理文庫で配本中の大坪砂男全集・第3巻「私刑」です。旧全集版未収録の作品がいくつかあって面白かったです。何と洋画のノヴェライズ作品まで探し出してきているのには少しあきれました(笑)。さすがにもう収録漏れを探すのは難しい立派な全集になることでしょう。この前紹介したあとがきの自註も収録されております。ところで探偵小説を書く前に書いていたという花柳小説は最終巻に収録されるのでしょうか?。実は今回の大坪全集の個人的興味のうちの一つです。


出版社紹介:皆川博子コレクション2「夏至祭の果て」
『キリシタン青年を主人公に、長崎とマカオを舞台に壮大な物語を硬質な文体で構築。刊行後多くの賞賛を受け、第76回直木賞の候補にも選出された表題作ほか9篇。
<目 次>
PART1(文庫未収録長篇)夏至祭の果て
PART2(文庫未収録)渡し舟、風の猫、泥小袖、土場浄瑠璃の、黒猫清元、螢沢
PART3(単行本未収録)棒、冰蝶、花道』

出版社紹介:大坪砂男全集3「私刑」
『緊迫感ある展開と思わぬ落着を特徴とする作品を〈サスペンス篇〉として集成した文庫版全集第三巻には、出所した殺人犯を待ちうける異様な運命の悪戯を描き、探偵作家クラブ賞に輝いた表題作ほか、単行本未収録であった私立探偵ソリーの事件簿2篇、西部劇のノヴェライズ「ヴェラクルス」など18の短篇に、著者自身による作品解題・書評等を併載する。解題=日下三蔵/巻末エッセイ=紀田順一郎
「私 刑(リンチ)」
「夢路を辿る」
「花売娘」
「茨の目」
「街かどの貞操」
「初恋──課題小説に応えて──」
「外 套」
「現場写真売ります」
「第四宇宙の夜想曲」
「密航前三十分」
「ある夢見術師の話」
「男井戸女井戸」
「ショウだけは続けろ!」
「電話はお話し中」
「危険な夫婦」
「彩られたコップ」
   *
「二十四時間の恐怖」
「ヴェラクルス」』
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