2012年04月

岩波文庫2種・その3(尾崎紅葉&スティーヴンソン)

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こんばんは皆様、三頌亭です。このところ写真をアップしてから放置ということが多くて申し訳ありません。舌足らずな文章をひねり出すのに時間がかかってしまって、さあどうしたものかということが多くなってしまってます(笑)。

ところでこのまえネットで岩波の「紅葉全集」の値段を調べていたら、1万ちょっとまでいってしまってるんであやうくポチッてしまいそうになりました。皆様は尾崎紅葉ってお読みでしょうか?。文章に独特のリズムがあって面白い作家なんです。大衆作家として大変優れた作品を残した人だと思います。30歳とちょっとでなくなってしまったのは残念ですが、残された作品はかなりあります。写真は「伽羅枕」の文庫版です。「金色夜叉」などより前の作品ですが、西鶴などに取材して書かれた初期の傑作です。

スティーヴンソン「バラントレー家の若殿」・・・これは大学時代に友人に熱心に勧められた本です。さすがに熱心に言うだけあって抜群に面白ろかった記憶があります。話は簡単で「兄弟げんか」なんですけどね(笑)。読ませるというか翻訳文学中屈指の面白さだと三頌亭は思ってます。言って悪ければ、「大衆小説の面白さ」を持った歴史小説です。

松山俊太郎「綺想礼讃」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。最近本当に時間が取れないため更新が滞っております。いまはちょうどゴールデンウィークでやっと少し休みが取れる状態になりました。というわけで最近買った本から・・・松山俊太郎の「綺想礼讃」です。著者の初めての評論集ですが、70%くらいは読んだものが多いです。というのは取り上げられた作家たちの著作の解説が再掲載されているためです。なかでも圧巻は小栗虫太郎と澁澤龍彦の部分でしょう。小栗のファンの方はすでに目を通した方もいらっしゃるかもしれませんが、異常なまでに綿密な校訂作業に唖然といたします。そのほか紀田順一郎との対談なんかも面白かったです。

神西清の入手しやすい短編集、日本幻想文学集成の中の一冊です。収録内容は次の通りで、「夜の鳥」「ハビアン説法」「わが心の女」「雪の宿り」「化粧」「三つの挿話」「水に沈むロメオとユリア」「死児変相」「ジェイン・グレイ遺文」「青いポアン」の十篇を収録しています。表題作の「死児変相」には大変感心いたしました。因みに青空文庫です寝て読むことができます。

次は詩人・吉岡実のエッセイ集「『死児』という絵」です。1980年代の出版ですが、この人のエッセイ集は読んだことがなかったので、ちょうど安いものが出ていましたので買って読んでみました。大変すらりとした文章で読みやすくて気に入ってしまいました。

岩波文庫2種・その2

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は新刊ひとつと旧刊がふたつです。また岩波文庫からです。なんせ江戸川乱歩が岩波に入る時代になりましたので、今適当にいいラインナップで面白いです。森銑三と柴田宵曲による書物をめぐる随想集「書物」・・・文章も平易ですっきりどこから読んでも面白いエッセイ集です。

最近はこういうのが一番好きですね(笑)。あんまり長い長編だと時間がかかって読む暇がないのでちょっと読むのにちょうどいいエッセイ集です。お薦めです!!。つぎは「里見弴随筆集」ですが、里見弴の全集が筑摩から出てましてあれ少しほしいなと思ってます。折に触れて読んできたのですが、このあたりでもう少しといったところでまとまった著作集が欲しいです。でももう置くところがないので買えないです・・・あと神西清とか豊島与志雄とかも・・ですね(笑)。

最後は新刊の山白朝子「エムブリヲ奇譚」です。書店に行くともうひとつのペンネームの方を派手に書いて宣伝してました(笑)。どちらかと言うとアレゴリックな連作短編集です。個人的には表題作と「ラピスラズリ幻想」が良かったですね。多分この方、あんまりまじめに怖い作品は得意じゃないのかなと思います。そういう意味ではもっともこの人の特質が良く出ていて編中の出色は「ラピスラズリ幻想」ではないかと三頌亭は思います。

出版社コピー
 
書物(森銑三,柴田宵曲)
「生涯を近世の書物研究にささげた森銑三(1895―1985),柴田宵曲(1897―1966)による書物をめぐる随想集.真向から書物,読書,出版についてのモラルとでもいうべきものを説く森銑三に対し,淡々とした文章でそれらの楽しみを語る柴田宵曲と,文章は対照的であるが,どこから読んでもおもしろい1冊になっている.(解説=中村真一郎)」

里見弴随筆集
「長兄は有島武郎,次兄が有島生馬.その生馬の友人志賀直哉との交友が始まった学習院時代から七十余年,『安城家の兄弟』『極楽とんぼ』など数多くの傑作を生み,九四歳の最期まで現役作家であった里見〓.遊興自在の青春を回想した「青春回顧」,作家,役者,映画人らとの幅広い交友録など,“最後の文士”が洒脱な口調で綴る随筆集」

山白朝子「エムブリヲ奇譚」
「社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった。旅人たちは各地の案内をする道中記を手に名所旧跡を訪ね歩く。『道中旅鏡』の作者・和泉蝋庵はどんな本でも紹介されていない土地を求め、風光明媚な温泉や古刹の噂を聞いては旅をしていた。しかし実際にそれらがあった試しはない。その理由は蝋庵の迷い癖にある。仲間とともに辿りつく場所は、極楽のごとき温泉地かこの世の地獄か。江戸――のような時代を舞台に話題の作家・山白朝子が放つ、奇妙な怪談連作。」

新入荷・その2

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こんばんは、皆様、三頌亭です。このところ更新が滞りがちですが、今日は種村季弘の翻訳修正を紹介いたしましょう。おもに単行本未収録のものから選んであります。マイリンクやアルトマンといったところはちょうど単行本の方も絶版になってしまっているので面白いかもしれません。以前紹介したシェアーバルト「小遊星物語」が平凡社のライブラリに収められていてあれも面白いかもしれません。単行本でいろいろ読んだものの中には種村季弘の翻訳がだいぶあって楽しませていただきました。この本とか前川道介のドイツ文学系の翻訳は珍しいものが多いので興味のある方は押さえておくのもいいでしょう。写真2枚目は小学館のPR誌「きらら」です。表紙がおもしろいのでまたもらってきました。結構愛読してます(笑)

新入荷・均一本

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こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は50円均一の棚から紹介いたします。たまたま翻訳物がごっそりでていたので買ってきました。エリス・ピーターズの「修道士カドフェル・シリーズ」です。そのほかレンデルが何冊か。「修道士カドフェル・シリーズ」は現在光文社の方から再版になっています。私が読んだのは3,4冊だったと思いますが、写真のミステリ・ボックスのシリーズでした。読んでるとわかるんですが、やっぱり人気シリーズだなあと思う反面、若干の食い足りなさも残ったりします。とりあえず、また読むまで少し寝かせておきます(笑)。ところでレンデルも角川が版を切ってしまってなくなりつつあります。お心当たりの人は早い目に・・(笑)
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