2011年01月

SF雑談

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こんばんは皆様、三頌亭です。今日は昔よく見ていた「SF手帖」が出てきたのでこれをネタに一席というわけです(笑)。昔々、三頌亭は小生意気にもSFというのを馬鹿にしきっておりました。曰く「ブルーバックス(通俗科学解説書)に物語をつけたもののどこがいいのか?」。「科学ならマジの科学の方がずっと面白いのではないか?」。「SFは『仮定の文学』だと偉い人はのたまうけれど、それならファンタジーと同じではないか、何故、科学ごかしが必要なのか?」。簡単に言うと、理系の科目が苦手だった人のコンプレックスにすり寄るような売り方が嫌いだったのでしょう。「それなら科学なしでも書けるのではないか?」、「リアリティが欲しければノンフィクション(本物の科学)に行ってくださいよ」と・・・特にハードSFに対する私の印象ははなはだ良くなかったのでした。

まーなんと小生意気なことでしょう(爆)。でも私は未だに大半のSFは科学をガジェットとして使ったファンタジーだと思っております。実証が不可能だったからフィクションとして書かれた「ケプラーの夢」や最新科学のぎりぎりの一線に夢を追加してできた「ジュラシックパーク」などはごくまれな例外で作者の専門分野あっての作品でしょう。それら以外のSF小説の面白さは従来の大衆小説の面白さをもたらす技術によるわけですね。というわけで三頌亭はある時期を経て普通の娯楽小説としてSF作品の多くを読むことができるようになりました。

この手帖はそのころよくハンドブックとして使っていたものです。コンパクトで必要なことしか書いてませんが、テキストを入手するためには重宝いたしました。コラムが埋め草に書いてあってエリソンの万引きの逸話がおもしろいです。写真2枚目に簡単な内容リストが載っていますが、今では到底考えられないのが著者や翻訳家評論家、イラストレーターの住所録です。なんと中井英夫や埴谷雄高まで載っています。

フリッツ・ラング「恐怖省」&「仕組まれた罠」

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こんばんは、皆様、三頌亭シネマ館です。今日は最近見たラングの監督作品から2作品紹介いたします。もう見てないフリッツ・ラング監督作品も残り少なくなってきました。アメリカに渡ったラングがこれだけの実力を持ちながら、もっと予算を入れた作品の監督をすることがなかったことが私には謎です。時流に乗っていなかったということにはなるのでしょうがなんとも残念なことです。

まずはじめは「恐怖省」・・・これはグレアム・グリーンの原作なのでご存知の方も多いことでしょう。巻き込まれ型のサスペンス映画です。大戦中に作られた戦時協力映画のひとつです。チャリティーのケーキを当てた主人公が巻き込まれていく陰謀という発端が見事です。あいかわらず殴り合いのシーンは本当にリアルでかなり痛そうなのがすごいですね。ラングのファンなら見るべき作品だと思います。

次は「仕組まれた罠」・・・ジャン・ルノワールの傑作『獣人』のリメイク作品。原作はゾラですね。割合、ラングらしい演出がたくさん見られる作品で悪くない作品です。特に鉄道の使い方がうまく、「鉄ちゃん」必見の映画かもしれません(笑)。その他、DVな旦那の妻の役をするグロリア・グレアムの演技が素晴らしいです。余談ですができたら単発のDVDで売っていただきたいですね。

恐怖省:解説等
『1人の男が謎の秘密結社の陰謀に巻き込まれてゆく姿を描いたサスペンス。製作・脚本はセトン・I・ミラー、監督は「死刑執行人もまた死す」のフリッツ・ラング、原作はグレアム・グリーン、撮影はヘンリー・シャープ、美術はハンス・T・ドライエールとハル・ペレイラ、音楽はヴィクター・ヤングがそれぞれ担当。出演はレイ・ミランド、マージョリー・レイノルズほか。
イギリスのレンブリッジ精神病院。6時が時を打つとともにスティーブン・ニール(レイ・ミランド)の退院の瞬間がやって来た。駅に着き、列車が遅れていることを知ったニールは、中流婦人たちが催す慈善バザーの会場に入ってゆく。直前に占い師のベレイン夫人(ヒラリー・ブルック)に予言され、ニールはケーキの重さを当てるコンテストに優勝する。ケーキを持って駅に向かい、その時タクシーで男が到着すると人々がニールを追って来てコンテストの結果は間違いだと言った。つっぱねたニールは列車に乗ると盲目の振りをした男が、突然起こった空襲の中、ケーキを持ち去ってしまう。ロンドンでニールは私立探偵レニット(アースキン・サンフォード)に依頼して2人で慈善バザーを主催した協会の本部を訪ねた。ニールはオーストリアからの亡命者ウィリー(カール・エスモンド)とカーラ(マージョリー・レイノルズ)の兄妹と知り合う。次にベレイン夫人を訪ねると、ニールを降霊術へと誘う。輪の中には先日のタクシーの男コスタ(ダン・デュリエ)やフォレスター博士(アラン・ネイピア)がいる。ニールは殺人者だとされ、レニットの事務所に帰るがそこにはツメを磨く怪しい男しかいない。再び逃げたニールはカーラと会い本屋に行き、フォレスター博士がナチの心理学者だと知る。本を持って行くよう頼まれ博士の家へ行くと、トラヴァースの名しかなく突如本のスーツケースが爆発する。』

仕組まれた罠:あらすじ
『朝鮮戦争からジェフ(グレン・フォード)は帰国後、機関車操縦士の職に復帰する。同僚のカール(ブロデリック・クロフォード)は上司との喧嘩が原因で職を失ってしまうが、次なる職の世話をした妻ビッキー(グロリア・グレアム)と事業家の関係を疑い嫉妬に狂い、彼を旅先の列車で殺害する。偶然その車両でビッキーと知り合ったジェフは、裁判で彼女を目撃した事に口をつぐみ、両者は次第に心を通わせる事になる…』

カール・ヴァン・ヴェクテンの写真集

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こんばんは三頌亭です。カール・ヴァン・ヴェクテンを知ったのはどちらかというと作家としての方が先なのですが、一般的な知名度というと写真家としてのほうが高いようです。とはいうものの日本ではまだまとまった写真の紹介がなされたことはありません。「ピーター・ウィッフル」や「盲のキューピット」の作者があのカポーティのポートレイトを撮影した人と同一人物だと気がつくのに結構かかってしまいました(笑)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%B3

マン・レイではありませんが、「写真は芸術ではない」・・けれども例外は「ポートレイト」だと思い込んでいる三頌亭です。何故かといわれると困るのですが・・・(笑)。カール・ヴァン・ヴェクテンの写真はネットを使えばけっこうたくさん見られます。以前と違って最近では古書カタログなどにもサイン入りのオリジナルプリントが時々載るようになりました。日本でも適当な写真集が出てもいい時期になっているのかもしれません。

深作欣二「黒蜥蜴」

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こんばんは皆様、三頌亭シネマ館です。今日は以前一度紹介いたしました映画です。乱歩原作の映画の中の大物でDVDになっていない映画、深作欣二監督の「黒蜥蜴」です。もう廃盤になって久しいのでご覧になった方も少なくなってきてます。この映画は舞台同様なんと言っても主演の丸山(美輪)明宏に尽きる作品で、美輪さんの黒蜥蜴には圧倒的な存在感があります。舞台とどちらがどうかと聞かれますと、リアルタイムの舞台を見たことは無いのですが、映画の方が幾分アングラでアバウト、賑やかな感じがいたします。それぞれに味があっていいのだろうと思います。写真3枚目は長らくやらなかった「黒蜥蜴」を初めてリバイバル公演した時のパンフレットです。この時はたまたま行きやすい場所だったので見ることができました。

追記:映画の中で歌われる「黒蜥蜴の歌」というのがあって妙に耳に残る歌でした。以下に歌詞をお示しいたします。

黒蜥蜴の歌
作詞・作曲・歌/丸山(美輪)明宏
『誰も入れぬ ダイヤの心
冷たい私の心の中には
どんな天使も 悪魔の囁きも
男の愛など届きはしない
届きはしない』

追記:その2、一応フルムービーです(part9まであります)。
http://www.youtube.com/user/Zilbernet#p/u

化物語

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こんばんは皆様、三頌亭アニメ館です。今日は西尾維新さん原作の人気沸騰アニメ(笑)「化物語」です。最近、アニメ館で扱ったものとしてはエヴァを除いて一番人気かもしれません。原作を意識してのことでしょうが、電気紙芝居とでも言ったらいいような感じに仕上がってます。比較的朗読に近い演出で、原作の内容の多くはことばとして取り入れられているのかもしれません。画面のデザインなんかは大変斬新で面白いのですが、肝心の動きがないのでアニメーション本来の面白さが割り引かれてしまっているのが残念です。シリーズディレクターは『さよなら絶望先生』の尾石達也さんです。配色のセンスなんかは心なしか中村佑介さんの絵のイメージとよく似た感じがいたします。

キャラクターものとしてはちょっと変わっていて、なかったタイプなので割合受けがいいようです。あってなきがごときのストーリーなのですが結構飽きないのはよくできている証拠なのでしょう。この後のストーリーもきっとアニメ化されることでありましょう。
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