2010年06月

水野泰治「武蔵野殺人√4の密室」他

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こんばんは、皆様、三頌亭です。あまり出来のいいのばかり読んでいると、それはそれで息が詰まるという方のために、きょうはB級作品を用意いたしました(笑)。実を言いますと、もう国内のミステリーはあらかたいいところは出尽くしちゃって、手持ちのがないんですよ~。新しいほうはリンク先のお仲間さんのほうを見ていただくほうがよかったりするので、残されたところは翻訳ミステリーくらいでしょうか?。ぐだぐだ言ってないで今日の本を紹介いたしましょう(笑)。

題を見たあたりでもう読む気が萎えてしまいそうなところがいいですね、今日の2作品。一つ目は水野泰治「武蔵野殺人√4の密室」。密室が4つも出てきて、構想は横溝正史張りで大変意欲的です。それを新本格の皮に包んで蒸しあげましたという作品(笑)。案外すらすら読めて考えようによれば快適な作品でした。官能描写バリバリですが、これは本筋からの要請なのでいたしかたないです。理由は後でということでしょう。こんなに頑張っているのに妙にパチモンくさいところが御愛嬌で、BC級作品ですね~(笑)。

次は三頌亭の強化キャンペーン作家(笑)草野唯雄の「推理喫茶 録音テープ殺人事件」。なんでこの作家を読むようになったかというと昔はミステリーとホラーの中間というのがほとんどなくて、書いてくれる作家も少なかったからです。昭和風俗バリバリなのでこのあたりが古いのヤダというかたにはきついかもしれませんが、程よく力の抜けた肩の凝らない読み物だとおもいます。冒頭の「呪いの家殺人事件」が面白かったです。ホラーで始まりミステリーで終わる作品ですが、なんとなくユーモアがあっておもしろいんですねこれが・・(笑)。

以上2作品、古書でどうぞ。

出版社紹介
水野泰治『武蔵野殺人√4の密室』
「三千坪の武蔵野の豪邸"土筆庵"を舞台に次々起こる密室殺人! 数百億円の遺産と会社の実権を残し、女主人は殺された。相続人たち全員が容疑者。陰謀渦巻くなか、美貌の女刑事・鮎川阿加子は、勇躍、捜査に乗り出すが、犯人の誘いに乗せられて・・・。4つの密室が複雑に絡み合う。」

草野唯雄『推理喫茶 録音テープ殺人事件』
「暴力不動産屋の金子は、三日前におきた知人の告別式での殺人事件が、ほんとうは自分を狙った襲撃であったと知って、心底ほっとした。狙わせた奴は、わかっている。が、目の前にいる刑事にそれを話した者かどうか、一瞬考えた・・・・・・。 珈琲が旨いと評判の喫茶店Mの客席に置き忘れられたテープから、殺人事件は、意外な方向に転回する。つぎつぎとおこる難事件。街角の小さな喫茶店のマスター・一郎とウエイトレス・奈美の名コンビが、鋭い着眼で解決する。全4編。 (収録作品)呪いの家殺人事件/兎と亀誘拐事件/CD盗難事件/録音テープ殺人事件」

追記:「Vista-ゴミ箱漁り奮闘編」
Temporary Internet Fileが見られないということをこの前書いたのですが、それからあちこといろんなサイトの記事を読んでなるほどとおもうことがあったので書いておきます。三頌亭は大変回線速度の遅い場所で営業しておりますので、いくらPCのポテンシャルが上がっても動画のリアルタイム再生ができるサイトが限られています(YOUTUBEすらしんどいです(笑))。windows meのときはインターネット一時ファイルのフォルダーから取り出して再度再生させるということをしておりました。

ところでVistaに変えてからの印象ですが、サーバーを一般ユーザーの権限で使用している感じ、といったらいいでしょうか?。なんかいろいろとダメダメとOSのほうに断られて、圧縮解凍などのフリーウェアをインストールしようとするとうまくいかないことが多いです。コンパネからフォルダの属性をかえても見えないフォルダもあるみたいです。それならというわけでエクスプローラーを管理者権限で実行しても結果は同じ。唯一、アクセサリのコマンドプロンプトからだと見えているようです。たまたまインスートルできたWinRARからはインターネット一時ファイルのフォルダの中を見ることができました。パスは次の通り
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\Temporary Internet Files\Low\Content.IE5

Content.IE5というフォルダのなかに4つぐらいフォルダがあってそのどれかにストリーミングファイルが収められています。

Vistaには新たに装備されたユーザーアカウントコントロール(UAC)という機能があって、これがいろいろと邪魔をしてくれているようです。管理者というのはいわゆるシステムについて最高権限を有する、Administratorではないようですね。この辺り詳しくは次の記事をどうぞ。
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/vista_feature/index/index.html

陳舜臣「炎に絵を」&中町信「模倣の殺意」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。vistaのカスタマイズ中です。OSの保守性が上がったのはいいんですが、なんかいろいろと思うようになりません。まえのMeは文句を言わないでやってくれたんですが、あれはだめこれもダメとうるさいです(笑)。やっぱり管理者権限でログオンしないとだめなんですか?。どなたかvistaでインターネット一時ファイルを見る方法知ってたらご教示いただけないでしょうか?。前はすぐできたんですが、いろいろ調べてもうまくいかないですねえ~(笑)。

まあこのあたりはいい加減にして今日はアラカルトです。陳舜臣「炎に絵を」・・・お読みになった方もおられるとは思いますが、名作です(笑)。本当にすらすら読めておもしろかった記憶があります。陳舜臣というと50以上のミステリー作品があるのですが、昨今ではミステリー作家とは認識されてないような向きがありますね。幸いなことに新刊で読めますし、古書でもいっぱいあります。同じく中町信「模倣の殺意」も力作です。この方もう知らない方がほとんどだと思いますが、幸いなことに御奇特な人が創元推理文庫に入れてくれました。この手のトリックのはしりですが、人によってはその後の類似作品から気がついてしまう人もいるかもしれませんね。梶龍雄「天才は善人を殺す」と中町信「殺戮の証明(女性編集者殺人事件)」はどちらも初期作品これらも力作だと思います。見かけた折には手に取ってみるのもいいかもしれません。

さすがに限度でしょうか?

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こんばんは、皆様、三頌亭です。実をいいますと昨日あたりからこのブログのjavascriptを使ってある所が動作しなくなってます(スパムの書き込みとか削除できません)。yahooに苦情をいったら、やんわりと「てめえのPCが古すぎるんだよ!!」といわれてしまいました。また「あんたのブラウザーのヴァージョンなんかサポートしてねえの!!」と・・・三頌亭のPCはWindows Meでまる10年使ってますから(^^;)。仕方ないですかねえ~。

おもえば10年前のいまごろ買ったのでした(7万くらいでした)。その後、主記憶を500MBまで増設したのとHDを60GB増設して、インストールするソフトがリソースを食わないよう徹底的に絞ったおかげでなんとか今まで使えました。今でもリソースは起動時で80%以上フリーです。なんせ、CPUのクロック数は300MHz程度ですんで・・(^^;)。そしてなによりもメインのHDが10年持ちこたえてくれたのが大きいです。IDEに増設した40GBのHDはたった4年でガリゴリという異音とともにお釈迦になりました。

しかし、大手のサイトのHPがサポートしてない書き方をしてあるものが増えてきて色々と表示に不具合が・・・。いやらしいのはjavascriptを使いまくってある所なんです・・。そろそろ引退させないと・・とも考えてはいるのですが・・引越しに手間がかかるのが難儀ですな・・うーん。

追記:6月22日の時点で書き込み、記事のアップが一切出来なくなりました。
すべてjavascriptを使ってある所です。家主に追い出されたような気分ですな(^^;)。

追記その2
PC新しいの買いました。っていってもかなり安もの(3万笑)。vistaです。まあそれでも主記憶2GB、クロック1.6Gなので快適です。10年頑張ってくれたコムパック(もうつぶれて会社ないです)に感謝、まだ動くけど引退です。写真は最後の姿です。

梶龍雄「龍神池の小さな死体」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。ここのところ紹介しております梶龍雄作品ですが、今日の「龍神池の小さな死体」で三頌亭のベスト3が出揃います。真打登場でございますね(笑)。この作品も他の梶龍雄作品によくあるように主人公が過去の事件の謎を解き明かしていくタイプのものです。出版社のコピーは次のとおり。

『「智一、おまえの弟は殺されたのだよ。秀二は殺されたのだよ・・・」 死の直前に残した・の一言に心を動かされた智一は、弟の死の謎を究明するた造、千葉の山蔵を訪ねた。しかし、そこで智一を待っていたのは戦慄すべき連続殺人事件だった。』

この作品前半はどうということはないのですが、後半にいたって様相が思わぬ方向に展開していって、最終章にいたって凄まじい謎解きがまっています。これでもかと詰め込んであった伏線は圧巻です。この作品喩えていうと思わせぶりな小技をたくさんみせられたあげく、最後にいたって4連発くらいのコンビネーショーブローをくらうことになりますが、「そんなのお見通し」とそっくり返っていると全く思わぬ方向から大技を一発くらわされてあえなくノックダウン(笑)させられてしまいます。発表年代は70年代後半、ちょっと信じられないくらい、凝ったシロモノで、梶作品中の傑作です。

今は絶版ですが、かならずや復刊すると信じている三頌亭です。お勧めの逸品といってよい作品でしょう。

梶龍雄「リア王密室に死す」

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こんばんは、皆様、三頌亭です。梶龍雄作品紹介の3番目「リア王密室に死す」、これは三頌亭の読んだ中では最も好きな作品です。この人の作品は講談社から出ているものが多いのですが、綾辻・有栖川 復刊セレクションのなかにははいりませんでした。何故かはよく分かりませんが、一番に選択されてもよい作品だと三頌亭は思ってます。お二人の作風とかぶるものがたくさんあるにもかかわらず・・です(笑)。

まあそんなことはどうでもいいのですが、大体密室モノというのは三頌亭にとって十中八九ろくなものでないという私見がありますが、この作品は数少ない例外で、非常にスマートな密室トリックの佳作です。前半は戦後少しの間、存在していた旧制高校を舞台にした密室犯罪編。後半は迷宮入りしたその事件の容疑者となった父親とその息子による解決編となっております。三頌亭がこの作品を初めて読んだのは登場人物の息子と同じ年代でした。今度の再読は三頌亭が作者と同じ年代になって・・つまり容疑者となった父親の年と同じくらいになってからです。今回再読してみるとラストが大変爽やかです。最後は息子に父親の思い出を散々貶されて終るのですが、それが大変よろしいですな~(笑)。

密室殺人を中心に張り巡らされた周到な伏線は今回も健在です。東京創元社さん、中町信を文庫に入れるならこちらを優先的に入れたらどうでしょうか?。私はよっぽどこちらの方が創元推理文庫のカラーだと思うのですけどね?(笑)
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