こんばんは、三頌亭店長です。今日のお題は山尾悠子です。山尾悠子というと三頌亭は高校生から大学生にかけて読んだ作家で大変懐かしい方です。で、最近はどのようなイメージ捉えられているのかしらということで、ネットで少し評判を読んでみました。熱心なファンの人がおられるのかすごい書き方で絶賛されていて、少しびっくりです。ほとんど、「神」ですねえ(笑)。
70年代から80年代にかけて発表された山尾悠子作品のほとんどを収録した集成が、国書刊行会から出た「山尾悠子作品集成」です。解説で野阿梓さんが山尾悠子の作品群をこのように要約しています。「山尾悠子・・・その固有名詞は、私にとって、一九七〇年代という、懐かしい玩具箱を引っくり返したような、さまざまなことがらを濃密に凝縮して、結晶化させたものに等しい」。なかなか上手い表現だと思います。
三頌亭の持つ山尾悠子作品のイメージも野阿梓さんのものとそう大きくは変わらないのですが、今回大分の作品を再読して思うことは、やっぱりその年齢その時代でないと書けなかった作品というものがあるなあ・・ということでした。現在、彼女の文体は「硬質な結晶のような文体」etcなどと評されることが多くなってしまいましたが、そんなことは少しもなくて極めて読みやすい文体で書かれていると思っています。なぜかというと、初期の山尾作品は70年代のサブカルチャーや文学の流行を少ない情報の中からかき集めた大学生が精一杯背伸びをして書いたものだからです。当時はネットなんかなかったので少しの事を知るのに大変苦労をいたしました。しかし、山尾作品において読者はバックグラウンドを知らずとも「言葉で描かれたタブロー」を驚きをもって楽しんでいればよいのであって、あまり難しいことを考える必要はありません。
「山尾悠子作品集成」はもう10年も前に出版された本ですが、現在も版を継いでいて、これで確実に彼女の作品は残っていくことでしょう。願わくば大変高価であるので軽装版でも出してはくれないものでしょうか?。全700頁強という内容ですが、三頌亭が最も気にいった傑作選を出すなら、早川書房で出版された「夢の棲む街」あたりが第一候補ですね(笑)。古書ではまだ時々見ます。
70年代から80年代にかけて発表された山尾悠子作品のほとんどを収録した集成が、国書刊行会から出た「山尾悠子作品集成」です。解説で野阿梓さんが山尾悠子の作品群をこのように要約しています。「山尾悠子・・・その固有名詞は、私にとって、一九七〇年代という、懐かしい玩具箱を引っくり返したような、さまざまなことがらを濃密に凝縮して、結晶化させたものに等しい」。なかなか上手い表現だと思います。
三頌亭の持つ山尾悠子作品のイメージも野阿梓さんのものとそう大きくは変わらないのですが、今回大分の作品を再読して思うことは、やっぱりその年齢その時代でないと書けなかった作品というものがあるなあ・・ということでした。現在、彼女の文体は「硬質な結晶のような文体」etcなどと評されることが多くなってしまいましたが、そんなことは少しもなくて極めて読みやすい文体で書かれていると思っています。なぜかというと、初期の山尾作品は70年代のサブカルチャーや文学の流行を少ない情報の中からかき集めた大学生が精一杯背伸びをして書いたものだからです。当時はネットなんかなかったので少しの事を知るのに大変苦労をいたしました。しかし、山尾作品において読者はバックグラウンドを知らずとも「言葉で描かれたタブロー」を驚きをもって楽しんでいればよいのであって、あまり難しいことを考える必要はありません。
「山尾悠子作品集成」はもう10年も前に出版された本ですが、現在も版を継いでいて、これで確実に彼女の作品は残っていくことでしょう。願わくば大変高価であるので軽装版でも出してはくれないものでしょうか?。全700頁強という内容ですが、三頌亭が最も気にいった傑作選を出すなら、早川書房で出版された「夢の棲む街」あたりが第一候補ですね(笑)。古書ではまだ時々見ます。