
ところでこの本はミステリーの通史であります。しかしそこはジュリアン・シモンズ流のトピックの選び方がなされておりまして大変ユニークです。何も初めから読む必要は無く、随所に書き散らされている作家評を読むだけでも大変楽しいです。なかなか好みの激しい人で私がいくつか取り上げましたホイートリーなんかは時間の無駄とまで酷評されてますね(笑)。お読みになる方の好みに応じた作家の評を捜して読むのもひとつの読み方でしょう。ドイルの昔から、レンデルやジェイムズなどの比較的最近の作家まで膨大な数の物が取り上げられていてガイドブックとしての役割も見逃せないことでしょう。
それにしても翻訳のほうは労作ですね。何度かでた改訂版の内容を全て取り込んだ決定版だそうです。職業とはいえよくこんなしちめんどくさい翻訳を仕上げてくれたものです。労せずしてその恩恵にあずかれたことを感謝いたします(笑)。

















