2008年10月

江坂遊「仕掛け花火」他

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。このところ古書らしい古書の仕入れを全くしていません。したがって今日もブックマーケットの新刊落ちです(笑)。まずは綾辻・有栖川セレクションから江坂遊の「仕掛け花火」です。星新一が真の後継者と認めた方です。ショート・ショート集なのですが、まずこの「花火」というのを読んでみてください。視覚的なイメージとノスタルジックな雰囲気にノックアウトされること請け合いです(笑)。最近文庫本でも何冊かでましたが、この本がやっぱり印象的です。この機会に興味のある方はどうぞ・・。

さてとつぎはbeckさんが興味を持ってる本です(笑)。宇能鴻一郎の「べろべろの、母ちゃんは・・・」ですね。宇能鴻一郎といえば一応、芥川賞作家だったりするのですが意外と知られてないでしょうか?。大映で映画化されたスペクタクル映画「鯨神」の原作が芥川賞を受賞しております(面白いです)。もっともいまでは宇能鴻一郎といってニヤニヤするのは中年以上のオジサン連中だけかもしれません(笑)。ところでこの方60年代半ばから70年代にかけてなんとも変わった作品を沢山書いております。ほとんど性倒錯一覧表とでもいえばよいでしょうか?サドやバタイユの様に何らかの思想性があるのであればまだいいのですが、そのようなものは皆無ゆえ帰って強烈です(笑)。本書は著作リストもついて入門書として適当だと思います(千街晶之解説)。

田辺茂一「すたこらさっさ」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日は少し変わった物をお持ちいたしました。田辺茂一の自伝的小説「すたこらさっさ」です。田辺茂一といってもピンとこない人が多いと思いますので下記をごらんください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E8%BE%BA%E8%8C%82%E4%B8%80

紀伊國屋書店のオーナーで、この書店を今の規模にしたのは彼の功績でしょう。ところで、いつぞやフランスの詩人・ピエール・ルイスは関係した女性の数が2千人とかいうお話をしたことがありましたが、田辺茂一も負けてはいません(おなじくらいはいくのでしょう。笑)。で自伝とか言ってますけど、おそらくその体験談をそのまま書いたのが「すたこらさっさ」です(笑)。もちろん文化事業にも熱心だった人なので沢山の作家や画家が実名で出てきます。しかしですねえ、天下の紀伊国屋書店の店主がこんなにエロ話全開でいいの?とか思ってしまいます。

元々作家であり著作は多いほうなのですが最近ほとんど再版されておりません。唯一「夜の市長」が再版されており、こちらも面白い随筆ですね。

小島正樹「十三回忌」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。三頌亭は田舎にあるのでちょっとした新刊が手に入り難いです。たまに仕事でよそへいくとついつい買ってしまいますね(笑)。今日はパリパリの新刊です。島田御大ご推薦の帯が派手ですね。小島正樹さんの「十三回忌」・・デビュー作らしいです。御大の推薦というところで少し嫌な予感もしたのですが、そこはそれ思い切っていってみました。あらすじなどは帯にてご確認を。

バリバリの古典的探偵小説のガジェットをてんこもりに詰め込んであります。トンデモトリックのつるべ打ちですな(笑)。なかなかの豪勢な作品でしょうか?。これだけだとまあもうひとつなのですが、最後で大技が一発、フルコースの〆でもうおなかがいっぱいとなります。文章が少し硬めなのが気になりますが、トリックの組み合わせが面白い作品で、まずまずといったところでした

アンリ・ド・レニエ「罪深き女」

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たまには挿絵本をアップしましょう。終戦直前にフランスで出版された本です。アンリ・ド・レニエ「罪深き女(La pecheresse)」、ウンベルト・ブルネレスキが挿絵を担当しています。それにしてもあの戦火の中でこのような出版が可能だった事を考えると、日本はとことんやったんだということを実感させてくれます。

皆川博子「」薔薇の血を流して」他

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日は皆川作品を二つ紹介いたします。まず初期の短篇集(中篇3つ)「薔薇の血を流して」です。収録作は以下の3作品です。

「鳩の塔」
「薔薇の血を流して」
「モンマルトルの浮彫」

表題作「薔薇の血を流して」はマン島のオートバイク・レースをモチーフにした作品で、「ライダーは闇に消えた」などと同じテーマを扱ってます。都合、2度ほど再版されましたが、今は絶版です。初期の作品で少し硬い感じがするのですが悪くないので再版して欲しい所です。

「みだら英泉」は「恋紅」で直木賞を受賞したあとの作品。写楽や南北を題材にした長編もあります。それぞれに面白いです。時代物は人気があるのでしょうか?。多くの時代小説が皆川作品の中にあります。
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