2008年09月

源氏鶏太「怨と艶」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日はこれまた源氏鶏太の怪談集・「怨と艶」を紹介いたします。全編幽霊話という一種異様な短篇集です。晩年になりこういった作品ばかりを書いている作家というのも、よく考えるとなかなか怖いものがあります。

「怨と艶」(昭和50年・集英社刊)
・瓶の中の男
・みだらな蝶
・お待ちしていました
・二つの顔の女
・鎮魂の川
・怨と艶
・社長夫人になった女
・黒いゴルフボール

この作品集の中では「黒いゴルフボール」というのがいかにも怖い因縁話でした。ウィークフィールドなんかの短篇を思い出します。

追記:わかる範囲ですが・・
源氏鶏太・怪談本リスト 
「幽霊になった男」昭和45年8月(講談社)*
「艶めいた遺産」昭和47年12月(集英社):集英社文庫*
「暴力課長始末記」昭和48年11月(実業之日本社)*
「東京の幽霊」昭和49年4月(文藝春秋)*
「怨と艶」昭和50年8月(集英社)
「鏡の向う側」昭和51年5月(集英社)
「永遠の眠りに眠らしめよ」昭和52年8月(長編:集英社):集英社文庫
「レモン色の月」昭和53年6月(新潮社)
「みだらな儀式(副題サラリーマン恐怖小説)」昭和54年5月(光文社)
「招かれざる仲間たち」昭和54年11月(新潮社):新潮文庫
「鬼」昭和55年10月(実業之日本社)
「振り向いた女」昭和57年8月(講談社)

*は普通小説と混在した作品集です。

樹下太郎「目撃者なし」他

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。少しづつ紹介してきた樹下太郎ですが、そろそろ在庫がなくなりつつあります。後読んでいないところは新しく入手しないと無理ですね(笑)。今日は2冊とも光文社文庫に収められた作品で比較的入手しやすいものです。「目撃者なし」は悪女ものの長編です。女性のハードボイルドみたいな感じのミステリーです。あらすじなんかは写真で見ていただくとして、なかなか哀しいおはなしですね~。ラストがいかにも寂しいです。樹下太郎の長編は傑作とまではいかないのですが、いかにもしみじみとした佳品が多いです。次の短篇集「散歩する霊柩車」の収録作は以下の通りです。

「夜空に船が浮ぶとき」
「散歩する霊柩車」
「ねじれた吸殻」
「悪魔の掌の上で」
「泪ぐむ埴輪」
「孤独な脱走者」
「雪空に花火を」
「日付のない遺書」

樹下太郎の第一短篇集で戦前・戦後を舞台にした作品が多いです。才人らしく以下にも気の効いた作品が多いです。特に私が好きなのは「散歩する霊柩車」、「ねじれた吸殻」、「悪魔の掌の上で」の3篇でしょうか?。

時代と共に社会を取り巻く状況が変わってしまいましたので、今後、樹下太郎の作品が読まれることは少ないのでしょうが、できれば選書のようなものでも文庫で出してくれれば小数ながら読む方はおられるかも知れません。

高石ともや「街」

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たまたまyoutubeを覗いていたらアップされていたので聴いていました。友人が好きでよく聴かされました。こうやって後で聴いてみるとなかなか良い曲ではありませんか(笑)。話題がローカルなのであんまり売れなかったじゃないか?という記憶があります。75年の京都市民まつりテーマ曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=aleqr1RJcPU

バーナムの天体観測ガイド

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久しぶりの自然観察室ですね。今日はロバート・バーナムの天体観測ガイドブックを紹介いたします。およそこの手の本の中でエポックメイキングな本で30年近くたった今でもバイブルといっていいでしょう。アメリカの天体ファンの間でも「ゴールド・スタンダード」と呼ばれております。20年の歳月をかけて編集されたこの本は2インチから12インチまでの望遠鏡で北米から観測可能な天体について書かれた本です。頁数にして2138というマンモスブックです(笑)。解説には天文学だけでなく神話や各国の言い伝えなどざまざま話題が盛り込まれており、ダンセイニやラヴクラフトの名前まで出てくるのにはびっくりさせられてしまいます。日本では地人書館より翻訳されて「星百科大事典」として出版されました。

ロバート・バーナムはハイスクールを出てローウェル天文台に勤務しました。6つの彗星を発見し観測者としてのその名現在に残しております。その間、暖めたハイ・アマチュアのための天体ガイドブックがこの本です。専門家としての資料を駆使し、天体観測者としての経験を盛り込んだ今までにないレヴェルのガイドブックを出版いたしました。名著といっていいでしょう。しかし、その名声はに較べて晩年の貧困は悲惨で公園で自分の絵を売っている時に心筋梗塞で行き倒れとなってしまいました。そのため、2年間も彼の死は知られずにいたということです。彼はローウェル天文台もやめたくはなかったらしいのですが、そうはならなかったようです。そのことが結局は晩年の悲惨な死につながっているようです(個人的推測ですが学歴なども災いしたのでしょう)。

マクロイ未読本その2

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日の本は最近見つけた本です。よく注文する古書店さんでもネットからだとずいぶんと思いもよらない在庫があったりします。直接本屋さんを覗くのと違って全体がわからないのですね。そのためながい間知らないでいる在庫があったりします。

ヘレン・マクロイの「Do not disturb」、戦後すぐの出版です。ダストジャケットが少しヤブレていますが、これも翻訳がなかったと思います。表紙が感じが出ていて悪くないです。内容は純然たるサスペンス小説、ホテルの怪しい一室からの脱出を描きます。このあたりの本が1000円ぐらいで入ると本当にうれしいのですが、なかなかこんなことは少ないですね。
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