2008年06月

クロード・アレクサンドル「闇の階梯(仮題)」

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三頌亭アンフォール久方ぶりの更新です。オペラ座のバレエダンサー・ピエトラガラを撮った女性カメラマン・クロード・アレクサンドルの出世作・「闇の階梯」(ドノエル社:1988)を紹介いたしましょう。「ピエトラガラ写真集」については下記をどうぞ。
http://blogs.yahoo.co.jp/kms130/32471654.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kms130/32877233.html

ピエール・ブールジャド(Pierre Bourgeade)が紹介した写真家は大変特異な方ばかりでモリニエ、イオネスコ、マッケローニとどれも通常のアートの感覚からはかなりシフトした現代的な美意識に支えられたものばかりでした。そのなかで最も若い写真家がクロード・アレクサンドルでした。「闇の階梯」はブールジャドが文章を書き、アレクサンドルの写真に添えてある合作の写真集です。精神性の高い優れた内容だと私は思うのですが、世間的にはSM写真集のひとつという認識なのでしょう(^^;)。

日本でもアレクサンドルの写真をまとめた写真集がトレヴィルから出版されましたが、今は絶版です(古書ではまだよくあります)。この記事を見て興味が湧いた方はこの2冊をお薦めしておきます(いないって(笑))。「闇の階梯」はぜひブールジャドの文章を翻訳して出版して欲しい所ですが、日本では無理なプレートが2,3あって出版する所がないのでしょう。ショッキング度合いではトレヴィルの写真集のほうが強烈ですが・・。

追記:表紙だけをお示ししておきます。中の写真についてはまたトップから流れた時に追加しましょう。

皆川博子「巫女の棲む家」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。続けて皆川博子作品です(笑)。今日のお題は「巫女の棲む家」です。比較的短い長編小説です。協会賞受賞後すぐの作品で作者の自伝的要素を盛り込んであります。驚くべきは70%実話という点で、作者が凄まじい家庭環境であったことが窺い知れます。ファン必読とまではいいませんが、皆川作品をいくつか読まれた方は目を通してみると面白いだろうと思います。霊媒を扱ったサスペンス小説で「雨の午後の降霊会」などと近親種といえましょう。元版は中央公論社のC-NOVELのシリーズでした。文庫版が探しやすいのでこちらを載せておきます(絶版です)。内容に所々難しい所があるので再版はしないのかもしれません(推測です)。

メロウ・キャンドル&アフィニティ他

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なんたってメロキャンにアフィニティですよ!!(笑)。こんなものがCDで簡単に聴くことができるようになろうとは夢にも思いませんでした。といってもそれが「うん、うん」というひとはかなり年季のいったリスナーの方でしょう。メロウキャンドルもアフィニティもたった一枚のアルバムを残して消えたグループです。LP時代には本当に幻の名盤でした。

メロウキャンドルはアイルランドのグループ、女性のツインボーカルがトレードマークで当時若干16歳の少女達(クローダー・シモンズ、アリソン・ウイリアムス)のグループでした。長い間、プログレッシブ・フォークの名盤といわれ続けてきた録音です。アフィニティはオルガンロックの名作、ジャズロックの名盤でした。ジャケットデザインがキーフによるもので大変有名です。番傘に女性、独特色使いが特徴です。このアルバムはデジタル録音になった今もアナログ盤が高価でレアアイテムらしいです。

最近読んだ恩田陸さんの作品に「クレオパトラの夢」というのがあって、バド・パウエルとなんか関係があるのかと思ったら全然関係がなかったというお話(笑)。ジャズの方ではあまりに有名なナンバーですね。ブルーノートのジャケットも大好きでした。youtubeなどを検索すれば当時の映像も見られると思います。大変ノリのいい曲ですね。

なんとなく思い出すままに3つのアルバムを紹介いたしました。

皆川博子「祝婚歌」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日のお題は写真の本です。長いキャリアの皆川博子さんですが、60からあるその著作のなかで現在も版を継いでいるのはせいぜい10数冊という状態です。特に最近、文庫のほとんどが店頭から消えているようなので、慢性的なテキスト不足の状態が続いているようです。推理作家協会賞、直木賞といちおう流行作家の仲間入りを果たしたはずなのですが、処女作から始まってそのほとんどが文庫本などで入手可能なほかの作家さん達を見ているとやっぱり幻想もの寄りの作品は売れないのかとも思ってしまいます。

さて「祝婚歌」ですが、77年に立風書房ででた短篇集です。表題作に加えて「疫病船」「魔術師の指」「遠い炎」「海の輝き」の全5編を収めます。おそらく文庫本にはなっていかったと思いますのでいくつかの短篇は埋もれたままですね。表題作の「祝婚歌」もいいのですが、強烈な印象を残すのは「疫病船」でしょう、犯罪心理を扱った恐怖小説です。出版芸術社の「悦楽園」などの再録されたこともあり、皆川博子さんの短篇では傑作のひとつだと思います。興味がおありの方は古書でどうぞ(廉価です)。

曾根中生監督「不連続殺人事件」

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なんとなく三頌亭シネマ館です(笑)。今日は70年代に製作されたミステリー映画です。この映画、実はVHSにダビングしてあるのがあったはずなのですがどこへいったやら・・巡回ライブラリにでもと思っていたのですが・・ボツでした。仕方がないのでそのとき用意してあったパンフレットをおみせしましょう。アートシアターギルドの製作でミステリー映画としての出来栄えも悪くないです。監督は日活ロマンポルノの巨匠(笑)、曾根中生監督です。俳優陣は多彩です。とりわけ内田裕也が印象的で記憶に残っています。音楽をコスモスファクトリーという日本のプログレバンドが担当していて興味のあるところでしょう。写真一番下は看護婦・琴路役の宮下順子さんです(写真が不鮮明ですが・・)。

不連続殺人事件
製作=タツミキカク=ATG 
1977.03.15 
140分 カラー シネスコ

製作 ................  本石巖 麻生誠
企画 ................  西村隆平
監督 ................  曾根中生
助監督 ................  斎藤博
監督助手 ................  上野堯 萩原達 荒井晴彦
脚本 ................  大和屋竺 田中陽造 曾根中生 荒井晴彦
原作 ................  坂口安吾
撮影 ................  森勝
撮影助手 ................  森山暉夫 松尾研一 河中金美
音楽 ................  コスモス・ファクトリー
美術 ................  坂口武玄
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