荒巻義雄というと最近では「架空戦記」物が有名ですね。ところで今回の課題は荒巻義雄の初期のSF作品について書いてみましょう。なぜこの人を取り上げようと思ったかというとしろねこ校長先生がベスト・SFとしてあげておられた作品に荒巻義雄「神聖代」があったからです。しかしここまでなら、どなたか好きな人が記事を書いているだろうくらいに思って終わりだったのですが・・。ヤフーのブログ内検索をしますとたった2件しかありません。しかも現在稼動中のブログというとしろねこ校長先生の記事だけということになってしまいます。これはちょっとあんまりだと思い、今回の課題とすることに決定いたしました。
さていろいろと書庫を漁ってやっと見つけてきた荒巻義雄の作品集が写真のものです。「白き日旅立てば不死」などと並んで荒巻義雄の初期の傑作長編です。筒井康隆の解説にもあるとおり、この作品は神話に似た構成で、ヒエロニスム・ボッスの絵に想を得てかかれた著者自身のインナースペース(内宇宙)への巡礼物語です。初めて読んだのは70年代後半でしたが、今読んでもじゅうぶん素晴らしい傑作です。SFというと何かと海外SFの方に目がいきがちですが国産でもこのように素晴らしい作品があることを知っていただきたいと思い出してきました。SF特有の記述もほとんど少ないので、その手が苦手な方にもお薦めです(笑)。
さてもう一つは伝奇SFの「神州白魔伝」です。江戸の奇人平賀源内を主人公にした作品でこちらは完全な娯楽作です。本当は3部作の予定だったのですが、単行本化されたのは「九来印之壷(くらいんのつぼ)の巻」のみでした。この作品は荒巻義雄の伝奇作品の最も始めの作品でした。そのほか初期のSF作品集「時の葦舟」などもよく記憶にあるもののひとつです。この作品集などもどちらかといえば幻想物に近いもので、所謂メカメカ(笑)のハードSFとは性格を異にしています。荒巻義雄は日本のSF作家の中では2番手のイメージのある作家なのですが、キャリアは長く大変面白いものをたくさん残しています。
残念なことにい全は山ほどあった徳間文庫も最近ではあまり見かけなくなりましたが、古書では大変廉価なので見かけましたら一度お読みになってみるのもいいと思います。
さていろいろと書庫を漁ってやっと見つけてきた荒巻義雄の作品集が写真のものです。「白き日旅立てば不死」などと並んで荒巻義雄の初期の傑作長編です。筒井康隆の解説にもあるとおり、この作品は神話に似た構成で、ヒエロニスム・ボッスの絵に想を得てかかれた著者自身のインナースペース(内宇宙)への巡礼物語です。初めて読んだのは70年代後半でしたが、今読んでもじゅうぶん素晴らしい傑作です。SFというと何かと海外SFの方に目がいきがちですが国産でもこのように素晴らしい作品があることを知っていただきたいと思い出してきました。SF特有の記述もほとんど少ないので、その手が苦手な方にもお薦めです(笑)。
さてもう一つは伝奇SFの「神州白魔伝」です。江戸の奇人平賀源内を主人公にした作品でこちらは完全な娯楽作です。本当は3部作の予定だったのですが、単行本化されたのは「九来印之壷(くらいんのつぼ)の巻」のみでした。この作品は荒巻義雄の伝奇作品の最も始めの作品でした。そのほか初期のSF作品集「時の葦舟」などもよく記憶にあるもののひとつです。この作品集などもどちらかといえば幻想物に近いもので、所謂メカメカ(笑)のハードSFとは性格を異にしています。荒巻義雄は日本のSF作家の中では2番手のイメージのある作家なのですが、キャリアは長く大変面白いものをたくさん残しています。
残念なことにい全は山ほどあった徳間文庫も最近ではあまり見かけなくなりましたが、古書では大変廉価なので見かけましたら一度お読みになってみるのもいいと思います。