2007年12月

多岐川恭「異郷の帆」「変人島風物誌」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。あまり面白くはないブログですが、今年も皆様に大変お世話になりました。ご訪問くださった方々、どうもありがとうございます。来年も細々(笑)続けていく予定ですのでまたよろしくお願いいたします。どうぞ皆様、よいお年をお迎えください。

本年はこれで最後の更新となります。スマッシュ・ヒッター・多岐川恭の作品を紹介いたしましょう。一つは「異郷の帆」、もう一つは「変人島風物誌」です。前者は時代小説としての面白さ、後者は本格推理としての楽しさが魅力です。私個人はこの2作品では「異郷の帆」を取りますが、人により様々でしょう。残念ながらどちらも新刊で出てはおりませんが、古書での入手は容易です。

「異郷の帆」帯よりのコピー
「外人に許された唯一の居留地、長崎出島の平穏を破る連続殺人事件。密貿易と切支丹の特殊地帯、島全体が一つの密室ともいえる状況の中で、事件は謎の凶器と手口を求めて紛糾する。長崎出島の独特の風俗とエキゾチズムを鮮明に浮彫にしつつ、現代的な感覚と文体で展開する著者久々の書き下ろし本格長編推理小説。」

「変人島風物誌」・作者のことば
「これは犯人当てゲームをめざした小説で、私としてははじめてといっていい試みだけに、だいぶ難産した。矛盾が出てきたり、犯人がたやすく割れてしまうとすれば、私の無能の致すところで、やむ得ないが、フェア・プレイだけは、できるだけ努力したつもりである。」

北村薫のミステリびっくり箱

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日は珍しくできたての新刊を紹介いたしましょう。多分買われた方もいるとおもいます。「北村薫のミステリびっくり箱」です。なんといっても乱歩の肉声を録音したCDがついてくるところが珍しいです。昔、私が生れた頃、NHKの推理クイズ番組に「私だけが知っている」というものがありました。これに乱歩や木々高太郎、大下宇陀児を始めとして、旧「宝石」の執筆陣が出演していました。父親は見ていたらしいのですが、私は記憶が全くありません(笑)。そのため乱歩の肉声ってどんな感じか全く今まで知りません。

この本のCDには乱歩のインタビューが40分収められています。案外と落ち着いた声ですね。同時収録の「城ヶ島の雨」は愛嬌ですが・・(^^;)

参考:Wikipediaより
「私だけが知っている(わたしだけがしっている)は、1957年11月10日から1963年3月までNHKで放送されたクイズバラエティー番組。推理小説仕立てで出される問題から徳川夢声扮する探偵局長、有吉佐和子、江川宇礼雄、池田弥三郎扮する探偵局員が真犯人を推理する趣向。問題の作成には戸板康二、鮎川哲也、笹沢佐保、夏樹静子、島田一男、土屋隆夫、藤村正太、新章文子など一流の推理小説家があたった。」

香山滋全集

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。サンタさんがプレゼントしてくれたのならいいのですが・・(笑)。またカミさんとの諍いのネタですね(^^;)。実はこの香山滋全集は配本中に8巻目くらいまで買ったのですが、中途半端に高い値段に辛抱が堪らず残りは図書館で読みました。ところが最近ゾッキ本がでて、残りを補充しようかどうしようか考えていました。と色々値段を調べていると2.5万というのがあってこれでもう負けてしまいました(笑)。さあ置き場をどうしようかと思っています。

香山滋の作品は一言で言うとすべてファンタジーです。学生の頃、読んだ時には一種の逃避文学というのが頭をかすめて少し抵抗があったのですが、今の年齢になってこのようなものを作品として書く心情というものが少し理解できるようになったのか、がぜん点が甘くなってしまいました。香山滋の愚直にしかも繰り返し出てくるアニマに共感できるかどうかがこの全集を読みきるためのの試金石でしょう。

鴎外訳・アンデルセン「即興詩人」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。クリスマスいかがお過ごしでしょうか?わたしはといえば歯肉が膿んでしまい、きのうはあまりの痛さに更新中止ということになってしまいました。さすがにアスピリン+タガメット(ガスター10)+抗生物質という必殺のペインキラーで何とか小康状態を取り戻しています。実は親知らずの部分が原因で歯科医からも切開して抜いちゃいなさいと死刑宣告されているのですが決心がつかず現在に至っております。それにしても抗生物質ってありがたいですね。

鴎外訳・アンデルセン「即興詩人」・・これを読んだのはもう30年近く前ですがなかなかショックな翻訳でした。翻訳と言うより鴎外の書き下し小説といっていいでしょう。9年の歳月をかけ苦心した作品です。もう失われてしまった日本語の粋がここには残っていると思います。どのように努力しても現在の作家達には書くことのできない文章ではありますまいか?

http://www.aozora.gr.jp/cards/000019/files/4376_19283.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B3%E8%88%88%E8%A9%A9%E4%BA%BA

落穂拾い(ブックマーケット篇)

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。よく見たらブックマートって書いてますが、ブックマーケットのことでした。ものおぼえが悪いですね(笑)。最後は50円均一の棚から・・。集英社漫画文庫とか10冊あまり買ったのですがめぼしいのは大してございません。で下記の2冊です。

多岐川恭「イブの時代」
ハヤカワ文庫に多岐川恭が入っていたの後存知でしょうか?。これがその1冊です。「性の解放」が進んだ未来を舞台にしたミステリーです。SFは単にアリバイで、コールドスリープから目覚めた200年前の検事が密室殺人の謎に挑みます。かなりトホホな部分もありまして、まあ多岐川恭の作品としては珍品でしょう(笑)。独特の性に関する未来観がなかなかの読物です。

武田京子「愛のひみつ」
これはりぼんマスコットコミックスのほうに収録されていたものの文庫版です。元版はマスコットコミックスのなかでももっともレアな部類にいるでしょう。最近、全く見たことがありません。内容はこちらの漫画文庫がよく残ってます。60年代の少女まんがで大変レトロな感じですね。武田京子というとテレビドラマ化された「さぼてんトマシュマロ」あたりが代表作でしょうか?。「セブンティーン」なんかでよく活躍してましたね。
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