2007年07月

ブラック・ダリア

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ジェイムズ・エルロイ原作のデ・パルマ監督による映画化作品です。エリザベス・ショートの事件を知ったのはゴート&オーデルの「殺人紳士録」という本でした。後にエルロイの原作と大変ショッキングな写真を載せたケネス・アンガーの「ハリウッド・バビロン」を読むことになります。さて今回の映画化ですが大分退屈ではないでしょうか?。例によってヒッチコックの手法をいくつかのシーンで見せてくれますが、映画的にはもうひとつかと思います。また、この映画ではハリウッドを宅地にして大もうけした一族のお話と主人公達の三角関係の方に主眼がいっており、ブラック・ダリア事件を期待して見る向きにはやや拍子抜けでしょう。写真は殺伐とした現場写真を表紙にしたブラック・ダリア関連図書です。

三田村鳶魚「大衆文芸評判記」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。今日のお題は写真の本です。三田村鳶魚(みたむらえんぎょ)の著作というのは結構まとめられておりまして中央公論社から全集が出ております。江戸ものの考証では有名な人ですね。このひとの本で「大衆文芸評判記」というのがありまして、これがまた凄い内容です。

「大衆文芸評判記」は大衆文学勃興期の傑作を俎上にのぼせ、時代考証の立場から滅多斬りにしてある本です。取り上げられた10作品は白井喬二『富士に立つ影』、大仏次郎『赤穂浪士』、土師清二『青頭巾』、直木三十五『南国太平記』、中里介山『大菩薩峠』、林不忘『大岡政談』、吉川英治『鳴門秘帖』長谷川伸『紅蝙蝠』、佐々木味津三『旗本退屈男』、子母澤寛『国定忠治』などで、どれも傑作として有名なものばかりです。中里介山『大菩薩峠』はこんな具合です(笑)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001133/card43068.html

下手なブログなんかをやっておりますと時々思うのですが、いやなら取り上げなければいいのですが、それをご丁寧にやってしまうところが人間というものでしょう(笑)。ともあれ時代が経ってみるとかの傑作も読む人は少なく、それを事細かに考証した著作も貴重な資料となってしまいました。上記の10作品どれかを読まれた人は一度目を通すのも面白いかもしれません。現在、中公文庫が品切れなので図書館などでどうぞ。

長谷川潔「ニレの木」

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つまらない話も書き続けて700件目になりました。もう珍しいものも残ってはおりませんが、わたしが所持している唯一の長谷川潔の版画です。銅版画集より取られたものなのでサインは刷り込みです。彼にとって外国で暮らし続けるというのは大変なことだったのでしょう。ましてや戦時中ともなればなおさらです。そんなときの長谷川潔に一本のニレの木が話し掛けてきたという有名なエピソードです。彼の自然観を如実に示す逸話ではないでしょうか?。

「不意に一本の樹木が燦然たる光を放って私に話しかけてきた、ボンジュールと。そのとき以来私の絵は変わった」。

ピーター・S・ビーグル 「心地よく秘密めいたところ」

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こんばんは、皆様、三頌亭店長です。暑い日が続きますね。夏らしくなって来てます。今日紹介する本はファンタジーです。ネイサンの「夢の国をゆく帆船」を以前紹介いたしましたが、わたしはビーグルは同じ精神系譜に属する人物ではないかと思ってきました。

ピーター・S・ビーグル の「心地よく秘密めいたところ」は共同墓地を舞台にしたお話です。生者と死者の間のお話、日本で言えば成仏できない幽霊ということになりますかね(笑)。この本は1960年、東西冷戦真っ只中にかかれたファンタジーです。強いアメリカ、勝者のアメリカ、勝者こそが意味のある時代に窒息しかかっている若者の書いたファンタジーといえばおよそ内容も想像がつきましょうか?

写真は旧妖精文庫の2巻本です。現在は創元推理文庫に収められています。

出版社コピー
『「ぼくは死んでるんです」マイケルは言った。「分かってますよ」小柄な男がやさしく答えた。ここはニューヨークの巨大な共同墓地。男は言う。死者はしばらくの間とても孤独で怯えてて、話相手を求めるものです。わたしは何とかしてあげたくて、十九年間ここで暮してきました……生と死のあわいをほろ苦く描いた都会派ファンタジーの傑作。』

WideBino28

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2.3x40の天体用オペラグラスとでも言ったらいいのでしょうか?。ワイドビノ28です。通常の屈折望遠鏡(双眼鏡)はほとんどケプラー式 なのですがこれはガリレオ式です。ガリレオ式の欠点は倍率が高くなると視野が狭くなってしまうことです。そこで低倍率で口径の大きく、fの小さな対物レンズを使うことで視野を確保します。実視界28度は肉眼で見るのとそう変わらないのですが、1~2等級程度暗い星までみえます。広い範囲を見るには大変面白い双眼鏡でユニークです。

実際使用してみるとかなり面白くて、確かに肉眼がドーピングしたような錯覚を覚えます。正し裸眼で使用することが前提なので、眼鏡をかけている人は視野がかなり狭くなります。要注意ですね
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