
2007年07月

「大衆文芸評判記」は大衆文学勃興期の傑作を俎上にのぼせ、時代考証の立場から滅多斬りにしてある本です。取り上げられた10作品は白井喬二『富士に立つ影』、大仏次郎『赤穂浪士』、土師清二『青頭巾』、直木三十五『南国太平記』、中里介山『大菩薩峠』、林不忘『大岡政談』、吉川英治『鳴門秘帖』長谷川伸『紅蝙蝠』、佐々木味津三『旗本退屈男』、子母澤寛『国定忠治』などで、どれも傑作として有名なものばかりです。中里介山『大菩薩峠』はこんな具合です(笑)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001133/card43068.html
下手なブログなんかをやっておりますと時々思うのですが、いやなら取り上げなければいいのですが、それをご丁寧にやってしまうところが人間というものでしょう(笑)。ともあれ時代が経ってみるとかの傑作も読む人は少なく、それを事細かに考証した著作も貴重な資料となってしまいました。上記の10作品どれかを読まれた人は一度目を通すのも面白いかもしれません。現在、中公文庫が品切れなので図書館などでどうぞ。

「不意に一本の樹木が燦然たる光を放って私に話しかけてきた、ボンジュールと。そのとき以来私の絵は変わった」。

ピーター・S・ビーグル の「心地よく秘密めいたところ」は共同墓地を舞台にしたお話です。生者と死者の間のお話、日本で言えば成仏できない幽霊ということになりますかね(笑)。この本は1960年、東西冷戦真っ只中にかかれたファンタジーです。強いアメリカ、勝者のアメリカ、勝者こそが意味のある時代に窒息しかかっている若者の書いたファンタジーといえばおよそ内容も想像がつきましょうか?
写真は旧妖精文庫の2巻本です。現在は創元推理文庫に収められています。
出版社コピー
『「ぼくは死んでるんです」マイケルは言った。「分かってますよ」小柄な男がやさしく答えた。ここはニューヨークの巨大な共同墓地。男は言う。死者はしばらくの間とても孤独で怯えてて、話相手を求めるものです。わたしは何とかしてあげたくて、十九年間ここで暮してきました……生と死のあわいをほろ苦く描いた都会派ファンタジーの傑作。』


実際使用してみるとかなり面白くて、確かに肉眼がドーピングしたような錯覚を覚えます。正し裸眼で使用することが前提なので、眼鏡をかけている人は視野がかなり狭くなります。要注意ですね
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