2007年01月

江戸川乱歩・映画選(「黒蜥蜴」他)

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本楽大学・ミステリ学部の皆様、レポートも力作がどんどんアップされているようですが、お勉強の合間に映画でもいかがでしょうか?今日は数ある江戸川乱歩原作の映画の中で非常に有名な2作を選んでご紹介いたします。

まずは「黒蜥蜴」です。これは江戸川乱歩の原作を、三島由紀夫が戯曲化し、それを「雪夫人繪圖(1969)」の成澤昌茂が脚色、「博徒解散式」の深作欣二が監督した舞台の映画化で、撮影は「ケメ子の唄」の堂脇博です。なんといっても主演の丸山(美輪)明宏が綺麗です。この方のために書かれた戯曲ですので、他は誰がやっても及びません。ミステリーというよりは舞台劇に近いといってもよいでしょう。チョイ役で三島自身も出演しています。DVDにこそなってはいませんが、乱歩映画化作品中の第一の傑作といっても過言ではありません。

さて次は「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」です。ウェブよりの解説は次の通り「『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』は、1969年10月31日、東映配給網により劇場公開された怪奇映画。主演吉田輝雄。監督石井輝男。製作東映。江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』と『孤島の鬼』をベースに、『屋根裏の散歩者』などの諸作品をミックスしたストーリー。但し、江戸川乱歩全集とはいうものの、全ての乱歩作品が登場するわけではない。」。

時代を反映してアングラ趣味横溢するこの映画はなんとも「エロ・グロ」と表現する以外、他の言葉が見当たりません。乱歩映画化作品のなかでは最右翼のカルト作でしょう。出演者の中では暗黒舞踏で有名な土方巽の存在感が圧倒的です。私は子供の時この映画のポスターを見たことがあって、結構トラウマになっています(笑)。表現などの問題もあって現在ソフト化は国内ではされておりません。映画館では時々上映されますので興味のある方はお見逃しなく。

追記:画質は悪いですが、こちらで全部見られます。
http://pandoratv.nefficient.jp/pandoratv/_user/06/11/03/69bcf889eb653658c.wmv
ストリーミングファイルはWVXですのでマックはだめかもしれません。
この当たりよく分からないのでクロい方おられたらお願いします(笑)

お浚い(^^)v

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こんばんは、皆様。三頌亭店長です。先週に引き続きブック・マーケ○○へ入ってまいりました。品筋がいい間にもう一回というわけです(笑)。競争者の有無を確かめるためにわざと残してきた、松本零士さんのサンコミックス群などはどうなったのでしょうか?。さすがに根こそぎいっちゃった人がいるらしく残骸しか残っておりません。コミックメイト版「電光オズマ」と黒文字の「キャンディ・キャンディ」までなくなってます(笑)。いるんですね~、こんな田舎でもマニアの人。ところで私の方はお浚いというわけでグランドコミックス・松本零士「銀の谷のマリア」とサンコミックス・桑田次郎「デスハンター」を買って帰りました。他のところまで見てないとこういうことになりますので、古書マニアの方はもって他山の石としてください(笑)。

最近、小学館から2冊ほど松本零士の初期作品が復刻されました。この方の少女漫画も悪くはないと思うのですが、いずれマニアの本棚に死蔵されるのが運命なのでしょうか?。これらを読まなくても他に代表作はいっぱいある人ですから、それでもいいのかなとも思います。「緑の天使」「宇宙作戦第一号」は小学館クリエイティブより発売中とのことです。

出物(^^)v

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こんばんは、皆様。三頌亭店長です。先週、少し時間があいてたので子供とブック・マーケ○○へ入ってまいりました。マンガを集めてるわけではないのですが、1冊200円とかだとやっぱり買ってしまったりするわけです。ここでの出物は松本さんが多いです。10年以上前に松本さんのめずらしいところがごっそりでてきたことがあってこの時も楽しかったです。まだいろいろあったのですが持っているのがほとんどだったりしたので買うのはやめました。オークションで売ってみたい誘惑に駆られているのがいけません(^^;)。「光速エスパー全3巻」とロマンコミックの2冊でした。

SFの記憶-ラララ・科学の子

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最近、お世話になっている本楽大学にSF学部が創設されたそうです。実はSFはあまり読んでいないジャンルなのですが、しろねこ校長先生にマタタビを渡して密かに入学させていただきました(笑)。皆様にお勧めするほど読んではおりませんので、SF体験記のようなものでも書いてみましょう。

さて、実はこのジャンルは高校生も終わりになるまでほとんど読まなかったジャンルでした。そんな私の最古のSF体験はなんといっても「鉄腕アトム」なのです。アニメ創生期のTVアニメの多くはSF作品で、この他「スーパージェッター」や「8マン」などSFでおなじみのガジェットを満載したTVアニメが私の世代のSF初体験ではないでしょうか。また、ジョージ・パルの「地球最後の日」なども思い出深い映画でした。

例えば手塚治虫の「W3」にはタイムパラドックスまで使われておりますし、「スーパージェッター」はタイムパトロールものです。他にはハーバートの「原潜シービュー号」や「宇宙家族ロビンソン」、「タイムトンネル」など盛りだくさんでした。東宝映画の「海底軍艦」は長いこと原作はヴェルヌ「海底2万マイル」だろうと思っていたものでした。活字のSFなど漁らずとも、映画やTVがたくさんのSF仕立ての作品を提供してくれました。映画ではおりしも特撮もの全盛期の時代でしたから。

ある意味、マンガとアニメと映画で純粋培養された最初の世代に当たるのかもしれません。そりゃですね(笑)、「ロボット3原則」なんて活字で読むより、「鉄腕アトム」の方がよっぽど面白かったです(笑)。中学生になっても活字より映像メディアが優先してまして、傾向は同じでした。その頃見た映画でよく憶えているのは「まごころを君に」と「アンドロメダ病原体」でした。

クリフ・ロバートソンがオスカーを受賞した「まごころを君に」は長いこと原作が分からず、よく高校生の時に「こんな映画を見たことがあって・・」と友人に話したものでした。それとわかるのは大学生になってハードカヴァーで出たダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」を読んだ時でした。「アンドロメダ病原体」はロバート・ワイズが監督した傑作映画で、マイケル・クライトンの原作でした。これも大学生になって読みました。大変感心した作品です。

さて、高校生になると私は友人達が日本のSF、筒井康隆、星新一、眉村卓、光瀬龍なんかを読んでいるのに気がつき始めましたが、「あんなのはお子様ランチ」(笑)とか思って全く相手にいたしませんでした。音楽と映画&マンガで明け暮れる毎日です。いまでこそ「古書ブログ」などときいた風なことを言っておりますが、高校を卒業した時点でミステリーのある部分をのぞき、活字メディアに関する興味はほとんどゼロに近かったのではないでしょうか?

ただ1冊だけ記憶にあるのがジョン・ウィンダム「海底の怪(海竜めざめる)」です。これは叔母の残した本の中に東京元々社の最新科学小説全集(昭和31年、誤訳で有名!)が何冊かあって偶々読んだせいです。クラゲのようなエイリアンが人を襲う様がなんとも恐ろしく記憶に残っている作品です。また、マンガやアニメはSF作品が多くなった時期で、マンガでは萩尾望都「百億の昼と千億の夜」、諸星大二郎「孔子暗黒伝」など、アニメは「宇宙戦艦ヤマト」をはじめとしてアニメ大流行の時代に突入していきます。

大学生になってやや転機が訪れるのは、レム「ソラリス」とクラーク「地球幼年期の終わり」を読んでからです。この時期は友人にも恵まれて一応基本的な書目を読みました。上記2作品をよんで「バカにしていたのは申し訳なかった」(笑)という反省の元に一応の名作を網羅しました。いままであまり気乗りがしなかった理由はSF的設定をせずとも書ける内容が多いのではないか?とかガジェットとして訳のわからない科学知識を盛り込むのが気に入らないせいも多かったのです。特に理系の大学に進んだせいもあり余計そう思ったりしました。

大学生の時に見たタルコフスキー監督の「惑星ソラリス」は大変すばらしい映画でキューブリックの「2001年宇宙の旅」と並ぶ、東側のSF映画の横綱でした。やや退屈なところはありますが、その映像美はどちらも素晴らしい映画です。「惑星ソラリス」をもってやっと活字のSF作品は私の中に居場所を与えられたといえます。以上が私のSF小説(空想科学小説(笑))の読書遍歴です。

追記:写真を5枚アップしてあります。1,2枚目は創刊間もない「SFマガジン」(1959年・12月創刊)、商業誌では初のSF専門誌です。日本のSF小説の本格的な始動はこのあたりからです。ポケット版の刊行は1960年で30冊を出ていません。推理小説などに比べて歴史が浅いジャンルです。

3,4,5枚目は早川書房の世界SF全集です。全35巻で1980年くらいまでは出ていました。これで始めてレムを読みました。ラインナップを示しておきます。今なら空色の背表紙には分類されない作品もたくさんあります。安部公房なんかが面白いです。正確には下記をどうぞ。
http://homepage1.nifty.com/ta/haya/z.htm

雑誌「Music life」

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いまは残骸しか手元にないのですが、よく見た雑誌でした。洋楽の雑誌も今のようにたくさんなかったし、田舎じゃこれくらいしか置いてくれなかったんですよ(笑)。今のように本を読むなんていうのはほとんど興味がなく、映画や音楽ばっかりのころでした。色んな表紙がありますね。
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