2006年12月

地方小出版の成功

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こんばんは、皆様。三頌亭店長です。おかげさまで今日仕事のほうも終了いたしまして、実質、仕事納めになりました。今年一年いろんな方のご訪問・コメントをいただきまして真に感謝している次第です。今日は今年最後のご紹介です。来る年がみなさまにとってよい年でありますよう、店員、オーナー共々お祈りしております。どうもありがとうございました。

「恐るべきさぬきうどん」(全5巻、ホットカプセル:1996)
さて皆様、今日は締めくくりに地元ネタでお付き合いただきます。今から十年程前に出版されました「恐るべきさぬきうどん」は地方出版としては異例の当たり作となりまして、新潮社による文庫本となり遂に全国区入りした稀な出版でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%90%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%95%E3%81%AC%E3%81%8D%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93

香川といえば「さぬきうどん」といつも県外の方に言われるのですが、実際、喫茶店にメニューにうどんが入るのも香川県くらいでしょう。星の数ほどある香川県のうどん店の食べ歩きブックガイドがこの本です。特徴はほとんど地元の人でも知らないようなディープな情報のガイドブックで、方言丸出しの文章もなかなかいけていてエッセイとしても面白いです(笑)。

全5巻ですがそのエッセンスは3巻くらいまでで、知名度が上がるに従い好き勝手にかけなくなったのかもしれません。最近ではあたらない映画までできてしまいました(笑)。最近、類似の本も多いので改めてご指摘申し上げておきます。

で、実際香川にこられてうどん屋さんにいこうという県外の方のためにひとこと・・。12時までに食べにいってください。なぜかというと小さいお店では昼の分を作ってそれで売り切りというお店が少なくないからです(笑)。初めての方はお店をそんなに選ぶ必要はありません、全体の味のレベルが高いです。最後にセルフサービスのお店もありまして、これが案外バカにできません(笑)。

というわけで、香川のうどん店・ガイドブックのご紹介でした。横でカミさんが「大晦日はそばにするかうどんにするか?」と聞いています(笑)。スーパーで年越し用のうどんを売っているらしいです。これもあんまり他所ではないお話かもしれません。余談ついでに三頌亭の近くではあんもちの雑煮というのを食べる人が多いです(なれるとたまらないそうです)。テレビで有名だった料理教室の先生がここの出身なので全国区でばれてしまいました(爆)

均一棚

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こんばんは、皆様。まだ明日残務整理が残っている三頌亭店長です(笑)。まあなんと言うことはないのですが、ワゴンセールから3冊ほどご紹介いたします。ところで、仕入れの担当が売れそうに無い在庫を仕入れてきたのですがまた来年紹介したいと思います(笑)。

「ひでおと素子の愛の交換日記」(角川文庫)
これは私がまだ学生の頃に連載されていたエッセイをまとめたものです。当時割合好評だったらしく、この後3冊ばかり出たと記憶しています。吾妻ひでおを中心にいしかわじゅん、大友克洋、高野文子など漫画家同士の交友関係が知れて面白いです。ほんとうに作家が書いたとは思えないエッセイですが、吾妻ひでおのイラスト&マンガと相まってなかなかよろしいです。ご興味のおありの方は中古店でお探しください(笑)。

「海野十三戦争小説集」(中公文庫)
戦争に勝てば戦時協力は英雄、負ければ大罪人もしくは戦争犯罪者と簡単にいえばそんなところなのですが、海野十三の戦争小説集です。これらの小説から彼の存在理由や苦悩を読み取ることもできましょう。探偵小説ファンへの一冊。また編者の長山靖生によるアンソロジー・「懐かしい未来」、「日米架空戦記集成」も必見の書目といえましょう。

「消失!」(中西智明:講談社文庫)
しろねこさんの見事な解説をお読みください。で、個人的な感想を・・。まず、読み始めてディテールが曖昧なのが気にかかり、第一のトリックは突破、このため二つ目のメイントリックの着想はおよそ分かってしまいます。最後の方でもうひとつあるのですが・・んー(笑)。私は決して本格派がきらいということではありません。しかしこの作品はあなたが真の本格派好きかどうかの試金石です。プロットのみの面白さはひとによっては意見が分かれると思います。私はといえば、もう少し肉付けを・・演出を・・と言うのでありました。どうぞ自分でお読みになってご判断ください。

以上3点いかがでしょうか?

谷譲次「テキサス無宿」

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こんばんは、皆様。三頌亭店長です。今年も押し詰まってまいりました。皆様、仕事納めやら大掃除や新年の用意などお忙しいことと思います。三頌亭はオーナーが人使いが荒いので、まだ仕事納めにはなりません(泣)。在庫の調達もままならず新年の初売りが危ぶまれる状態ですので困っております(笑)。ですから、皆様、いまひとつお付き合いの程を・・。

今日は、若くしてレストランのボーイなどをやりながらアメリカの大学に学んだ谷譲次(牧逸馬)の「テキサス無宿」を紹介いたします。この本は昭和初期の異文化の見聞録として残るべき作品かもしれません。創作ではありますが、前述のアメリカでの経験が随所に発揮されておりまして、巧まずして見事なアメリカ見聞録となっております。

テキストは一人三人全集・第13巻「テキサス無宿」(新潮社:昭和9、他に「めりけんじゃっぷ・商売往来」と「めりけん一代男」を含みます)です。大衆文学のほうでは八面六臂の大活躍をした牧逸馬(谷譲次、林不忘)の唯一の全集です。布装の表紙に直接、彩色したような装丁が印象に残る全集です。以前は端本をよく見かけたもので、時々かってはよく読みました。

また最近の出版として岩波文庫の「踊る地平線」を上げておきましょう。これは谷譲次夫妻による世界漫遊記でこちらも、勢いがあって面白いです(笑)。余談ですが文庫による完全版は岩波が初めてですので入手されるのもいいと思っております。

ワイルド「サロメ」(日夏耿之介翻訳)

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たまにはこちらのフォルダも入れ替えしないといけないので・・(^^;)。仕方がないので日夏耿之介翻訳のワイルド「サロメ」(サバト館:1977)をアップしました。日夏訳の「サロメ」は大変有名で個性的な翻訳です。どこをどうしたらこんなゴツイ翻訳ができるのかは分かりませんが、雰囲気が非常によくあっています。日夏耿之介は何度もこの翻訳に手を入れて改訳しております。

「サロメ」というとビアズレーの挿絵があまりに有名ですが、アラステアのものも悪くないです。晩年、日夏はフランス語版(多分クレ書房版)のアラステア挿絵の「サロメ」を自家装丁させて愛蔵していたといわれています。クレ書房版「サロメ」は何度か入手する機会がありましたが、アルフレッド・クノップフ版のアラステア画集を買ったのでそれでとうとう入手しませんでした(笑)。

http://blogs.yahoo.co.jp/kms130/26785327.html

コダック・ステレオカメラ

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本を整理していたらこんなものが出てきました。埃だらけでかわいそうだったので綺麗にしたら、幸いにしてレンズにカビは乗っていませんでした。シャッターも速度は当てになりませんが、まだ切ることができます。しかしもうコダックはステレオのリバーサルフィルムのマウントサービスをしていないでしょう。

コダック・ステレオカメラは1950年代に作られました。ステレオ写真を撮るためのカメラです。ビュアーもいくつか持っていたのですが、餞別にこのカメラで写真を撮ってビュアーも一緒に上げていたらなくなってしまいました。ピンとは目測ですが、大体絞ってとることがほとんどなので外れることは無いです。もちろんTTLなどという気の利いたものは無かった時代なので、単体露出計で計ってシャッタースピード(5速しかない)を決めます。

ベークライトで作られた茶色のボディがいかにもレトロでいい感じがします(笑)。マウントサービスがなくなっても紙マウントは売ってますので自分でマウントすればいいのですが、かなり面倒です(^^;)。これからはオブジェとして飾るのもいいかもしれませんが・・。

立体写真リンク
http://www3.famille.ne.jp/~ototo/index.html
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