2006年11月

旅行の友

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こんばんは、三頌亭店長です。今日は本の話題ではありません。見ての通りふりかけです(笑)。これ関東の方はご存知でしょうか?。瀬戸内一円では私の生れる前からあるらしいです。田中食品は広島が本社だそうです。ふりかけといえば「旅行の友」か丸美屋の「のりたま」でした。「のりたま」のほうは本社が東京ですので関東のかたにもお馴染みでしょう。米の飯は大好きなのでいまだに時々使ってみるふりかけです。
http://www.tanaka-foods.co.jp/p11.html

雑誌「本の本」

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古書に関する情報誌というのが昔は非常に少なくて、ちょっとした出版情報を集めるのに大変苦労しました。雑誌「本の本」は現在の「彷書月刊」なんかに似た内容で、この手の雑誌では初めてのものでしょう。以前はお目当ての古書を入手するとして、その値段はどのくらいなのだろうか?、などということを調べるのは田舎にいると大変苦労しました。また神田と地方のの古書店ではお値段の方もだいぶ違っているのが常でした。

この雑誌には誌上オークションというのが取り入れられていて、めぼしい古書についての参考価格が表示されていて参考になったものです。しかし、今のようにネットであっという間にプレミア価格が知れ渡ってしまうことはなかったので、その分掘り出し物も多くあった時代だったといえるかもしれません。どちらがいいかはいろいろ考えてしまいますが・・。

写真はボナンザ発行の「本の本」(1975-1977)です。このような雑誌が普通の書店に並ぶという事では初めての雑誌でした。ただし早すぎた内容だったのか短命に終わりました。写真は画家の茂田井武による小栗虫太郎の書斎(蒼龍窟)の蔵書です。すさまじい洋書の量だったらしいですが、空襲により灰燼と帰しました。この記事の筆者・山下武は古書エッセイで有名です。また柳家金語楼の長男ですね。
http://www.seikyusha.co.jp/books/ISBN4-7872-9014-2.html

角田喜久雄「虹男」

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こんばんは、三頌亭店長です。今日は変わったものを一つご紹介いたしましょう。写真をご覧ください。別にインドの山奥で修行したわけではありませんが(笑)、角田喜久雄の「虹男」(矢貴書店:昭和23)です。題名があまりに奇抜なのと表紙の面白さで昔買った仙花紙本です。割合内容は小道具バッチリで雰囲気がいいです。昔の探偵小説が好きな人にはかなりお薦めです。絶版で読めないという本のうちではかなりましな方です(笑)。

この作品は戦後すぐに映画化されております。パートカラーで話題をまいたそうです。ウェブからコピーをお示ししておきます。

「奇怪な色彩の奔流と共に出現し、呪われた一家・魔耶家の人々に断末魔の絶叫を呼ぶ虹男の恐怖! 魔耶家の人々は、虹の研究をする物理学者の当主、黒猫を我が子のように可愛がるその妻、奇妙な色彩の絵を描く画家の息子など、どこかに暗い影を背負っている。彼らはひとりずつ、「虹だ! 虹男だ」と恐怖の絶叫を残して殺されていく。虹男とはいったい何者なのか?」

角田喜久雄「虹男」にはいくつかの再版本がありますが、現在ではどれも絶版です。表現などにも問題があるので、今後再版される可能性は少ないかもしれません。映画のほうでお楽しみください。

続・ヤケ色の研究

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こんばんは、三頌亭店長です。さて、このところいいかげんな文庫本の紹介で申し訳ありません。きょうは「ヤケ色の研究」、30年ものの比較をお目にかけたいと思います(笑)。写真をご覧ください。これは角川文庫の小栗虫太郎「人外魔境」とテリイ・サザーン「キャンディ」です。これらも一度読んだきり、隣りあわせでおいておいた文庫本です。

写真2枚目をご覧ください。ヤケ具合が歴然と違うのがわかると思います。「キャンディ」のほうは本当にいまでも新品として通用するくらい綺麗です。対して「人外魔境」の方はかなり見事にヤケていますね。何故このようなことになるのか、決定的因子は何か、わからないというのが実情です。

ところで、「黒死館殺人事件」がだめだったという方は「人外魔境」からお読みください。あまり言われないことですが、私は小栗虫太郎の入門書としては一番いいのではないかと思ってます。サクサク読めて楽しいですよ(笑)。

テリイ・サザーン「キャンディ」はどうも個人的思い出のほうが恥ずかしくて・・・(^^;)。「バーバレラ」、「イージーライダー」、「博士の異常な愛情」など脚本家としては非常に有名な人です。60年代後半の雰囲気が本当によく出ている作品です。内容はアメリカ版「カンディード」といったところです。映画の主演女優・エヴァ・オーリンがまたぴったりの雰囲気の方でしたね(笑)。

さて、3枚目は落穂拾いです。クロフツの「ホッグズバックの怪事件」は脚注をつけて手がかりをいちいち指摘するという念の入りようで非常に精緻な推理小説でした。秀作です。ロジェ・カイヨワ「妖精物語からSFへ」は荒俣宏さんの熱血解説が読めるのが楽しいです。幻想文学では基本的な文献といっていいでしょう。

最後はおまけ(笑)、吾妻ひでおのまんがは多分たくさんどこかにしまってあると思うのですが行方不明で出てきません。最近、失踪していたときの事を書いて話題を振り撒いていますが、よく読んだ漫画家のひとりです。余談ですが以前、某マンガ古書店のオークションに彼の原稿が大量に出たことがありましたが、和田慎二がほとんど買ったそうです。

小松崎茂「地球SOS」と橘外男「伝奇耽美館」

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こんばんは、三頌亭店長です。このところ手近に置いてある在庫がもうなくなりつつありますので、意を決してゴミの山の中に分け入っております。いいかげん整理をしたらとは思うのですが、何せ結構な量なので類別して分けると帰ってスペースを食ってしまうことになり困っています(笑)。まあたいしたものとてありませんが2冊ほどご紹介させていただきます。

小松崎茂「地球SOS」(桃源社:1975)
昭和26年、少年画報の「冒険活劇文庫」に掲載された作品です。絵は古いですがこれがなかなかテンポがよく面白いです。内容は典型的な侵略SFですが、そのディテールと相まって現在も通用するであろう作品です。と思っていたら・・、最近アニメ化されました(笑)。素晴らしくカッコよくなってます。それにともなって桃源社版にはなかった3回分を追加、カラーページを完全復刻した版が双葉社より出版されました。興味がおありの方は双葉社版を入手してください。小松崎茂のプラモデルの箱にお世話になった方も多いと思います。小松崎茂はこの後、いくつかの作品を経てメカもののイラストレーターとして有名になります。
http://www.projectblue.jp/

橘外男「伝奇耽美館」
この本も1975年、桃源社より出版されています。収録作は「ウニデス潮流の彼方」と「君府(コンスタンチノープル)」です。かつての探偵小説のアンソロジーが最近いくつも出版されていますが、なんとなく継子扱いされているのが橘外男です(笑)。現在までまとまったものとして中央書院の橘外男ワンダーランド・全6巻がありますが、これとても途中で打ち切り、現在まで出版された6巻分の大部分が品切れという状況です。

まあこんな状態ですので、あまり言っても仕方がありませんが、桃源社の「青白き裸女群像」とこの「伝奇耽美館」は本当に面白い作品でした。どの作品もロマンの醍醐味を感じさせてくれる数少ないものです。「伝奇耽美館」に収められた「ウニデス潮流の彼方」は偶然の彼方にしか発見されない未知の大陸を廻るロマンです。謎の小函ものといってもよいでしょう。この本で種村季弘は「玉手箱を開けるとき」という題でおもしろい解説を書いています。

現在、「ウニデス潮流の彼方」は中央書院の橘外男ワンダーランド「幻想・伝奇小説篇」に収められています。また、「君府(コンスタンチノープル)」は中公文庫に収められました。その他、池上遼一のまんが化として1960年代後半に少年マガジンに掲載されました。彼は「陰獣トリステサ」も最近、漫画化しております。少年マガジンの橘外男のコミカライズ作品は次のとおり。さいとうたかおと池上遼一のものが現在でも読むことができます。

さいとう・たかを「チャブロ原人境」/原作「「死の蔭」探検記」
(1969年1月12日号)
大倉元則「ベイラの獅子像」
(1969年3月16日号)
阿部兼士「感動怪奇劇画 女豹ドクター」/「女豹の博士」
(1969年4月6日号)
池上遼一「海洋怪奇まんが ウニデス潮流のかなた」/原作「ウニデス潮流の彼方」
(1969年4月13日号~1969年4月20日号)
作者不明「人を呼ぶ湖」/原作「人を呼ぶ湖」
(1969年5月18日号~1969年5月25日号)
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