こんばんは,皆様,三頌亭です。山本直樹の「夜の領域」、たまたまブックオフで見つけたので買ってきました。以前の版も多分持ってると思います。いまは解散したチクマ秀版社の出版でした。良い出版社でしたが残念でした。
山本直樹・ホラー作品集成とありますが、どちらかというとサイコホラーっぽい作品が集められています。荘子の「胡蝶の夢」やコルタサルの「山椒魚」なんかを思わせる作品ばかりです。あとがきに内田百閒の「山高帽子」に触発されたとかいてあります。「サラサーテの盤」を映画化した「ツィゴイネルワイゼン」や当時出始めた旺文社文庫の内田百閒の作品集など、おそらく三頌亭が内田百閒を読んだ時期と同じで妙に感慨深いものがありました(笑)。最近の山本直樹は連合赤軍を描いたノンフィクション「レッド」を連載しているようです。おそらく三頌亭や山本直樹の年代はうっすらとした60年代の学生運動の残り香をかいだ最後の年代だと思っています。そういう意味ではこのテーマを描く最後のランナーになるのかもしれないとよく考えております。
追記
娘さんから見た山本直樹
http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/1549